664 / 715
第664話 経由地にて
しおりを挟む
8番島。それは、海図にも載らぬ影の地――。
陽の沈む方角、群島の果てにぽつりと浮かぶ、名もなき孤島。誰もが知らぬその名を、ただ海賊たちだけが囁き合う。
潮流が複雑に絡み合い、浅瀬と暗礁が航路を閉ざすこの島へ辿り着けるのは、海に魂を捧げた海賊だけだ。
外敵を遠ざけるそれらの障壁こそが、島の最大の守りであり、誇りでもある。
外見は荒れ果てた岩山のようで、人が住んでいるようには見えないが、干潮の時にのみ姿を現す岩の門を潜る事で、海賊たちの隠れ家へと至ることができるのだ。
そんな海賊たちの避難所で、羽を休めているのは黒き厄災ファフナーと2隻の帆船。
「うーん。ちょっと早く着きすぎちゃったかな?」
魔導船のマストの上の見張り台。シャーリーは、そこから遠くの水平線を凝視するも、目的の物はまだ現れそうにない。
コット村を出発してから4日目。本人がやる気を出したおかげで、クリスの教育はひとまず順調。
といっても、キャラバンでのルールや行動。ダンジョン内での立ち回りなど今回の任務に特化した部分のみの話だが、付け焼刃にしては上出来だろう程度には仕上がっている。
加えて、ガストンから教わったゴーレムに関する知識は、初心者錬金術師にしては充分すぎる結果を出していた。
元々、錬金術師の適性があるのだから、飲み込みが早いのは当然と言える。
「見張っていたところで、待ち人が早く来る保証は何処にもないぞ? 少しは落ち着いたらどうじゃ」
甲板からマストを見上げ、シャーリーに皮肉を言い放ったのはエルザ。
「いいのよ。ガストンさんの講義を聞いたところでサッパリだし? ミアは従魔達に手厚く保護されてるし? 私は手持無沙汰でやることもないしね」
不貞腐れながらも、遠くの海を眺めるシャーリー。その視線を甲板に落とすと、見上げるエルザに目を細める。
「そんなことより、そっちは大丈夫なの?」
「案ずるな。既に手は打っておる」
トゥームレイズへの入港。ただの船なら何の問題もないが、魔導船という特殊な船体に加え、それを引くのは黒き厄災と言われるドラゴンだ。
九条の訪問に注目を集めるという意味では、これ以上ない登場方法だが、相手の国に迷惑をかけるわけにはいかない――というのが、九条の方針。
あくまで表向きは、エクアレイス王国の使節団。お礼を言いに来たのに、機嫌を損ねては意味がない。
「ちなみに、手ってなによ?」
「受け入れ態勢は万全……。先程、そう連絡があったからの。トゥームレイズの王宮にも我等の同士がいるのじゃ。何の問題もなかろ?」
「……アンタら、何処にでもいるのね……」
「何処にでもはおらんよ。ドワーフとは昔から仲が良いだけの話じゃ。もちろん、表立ってそう言える日は未来永劫、来ることはないだろうがな」
風に白髪をなびかせながら、じっと海の向こうを見つめるエルザ。その瞳に宿るものが、何なのかはわからない。
それは、シャーリーが声を掛けるのを躊躇ってしまうほどに深く、悲しみとも、悔いともつかぬ何かだった。
それから、およそ4時間。マストの上のシャーリーが、眠気に襲われウトウトとし始めた頃、遠くに木製のボートが見えた。
それは、明らかに異質。陸から遠く離れた大海原。にも拘わらず、そのボートは漁船よりも小さな物。悪天候に見舞われようものなら、即沈没である。
「やっと来たッ! おーい!」
それを見たシャーリーは、眠気を忘れたかのように立ち上がり、思いっきり手を振った。
その声に反応し、急いで船室から出てきたのは、ミアとその他の魔獣達。
「おにーちゃん!」
ボートに向かって振られた手に、軽く手を上げただけで答えたのは、九条。
色とりどりの生花が散りばめられたボートの中心にポツンと置かれた不吉な棺桶。
九条はそこに腰を下ろし、後ろではスケルトンが必死に船を漕いでいた。
「おかえり! どうだった?」
ボートを降り、魔導船との合流を果たした九条。ひとまずは落ち着けと群がる魔獣達を、撫でてはなだめての状況報告。
「こっちは、予定通りだ。ゴーレムもどきは、出来上がり次第ケシュアがトゥームレイズに運んでくれる」
抱き着くミアを、優しく撫でる九条。その前に、シャリーが飛び降り、皮肉にも似た言葉を掛ける。
「あら、この棺桶がゴーレムもどきなのかと思ったわ」
「発想は面白いが、そんな変形ロボみたいなこと出来る訳ねぇだろ……」
冗談だとはわかっていても、着眼点は悪くないと素直に感心する九条。
変形するゴーレムは奇抜だが、残念なことに、それはリビングアーマーにはなり得ない。
鎧に魂を定着させ、リビングアーマーとして機能させるには、条件があるからだ。
定着させる魂が、憑依する鎧を自分の身体であると認識しなければならない為、入れ物は最低限人の形を保っていなければならない。
入れ物である為その中身は空洞であり、かつ可動部である関節以外、隙間が殆どない物。そして簡単に変形してしまうような、柔らかな素材は適さない。故に、金属鎧が理想的なのである。
「変形……なに?」
「いや、棺桶から手足が生えてきたらキモイだろって話だ」
「た、確かに……」
シャーリーとミアは、九条の座っていた棺桶を一瞥し、顔を歪ませる。
「じゃぁ、なんでおにーちゃんは、棺桶なんか持ってきたの?」
「こっそり街を出れる、唯一の方法だったんだよ」
九条がケシュアから聞いたのは、ドワーフの一般的な埋葬法。日本で言うなら、散骨という文化に近い考え方だ。
散骨とは、火葬した遺骨を粉末状にし、海や山へ撒き供養する。ドワーフの場合、遺体の入った棺桶を、ボートに積んで海へと流し供養する。それは、潮流葬と呼ばれている。
それを利用し、九条は誰にも見られることなくグリムロックの街を脱出したのだ。
「あぁ、そういう……。上手い事考えたわね……」
納得したとばかりに、うんうんと頷くシャーリー。
ドワーフが、土葬を辞めた理由は2つ。1つは地下水の汚染だ。
ドワーフは地下での生活を基盤としている者も多く、飲み水の汚染は死活問題。他にも酒造が盛んで、水質には特に敏感であることも理由として挙げられる。
ならば、採水地より更に深くへと埋葬すればとも考えるが、それをしないのが、2つ目の理由。アンデッド化の防止だ。
悪い気を溜めやすい地下での埋葬は、アンデッド化を加速させる。故にサザンゲイアの内陸部以外での土葬は、ほとんど見られなくなった。
「そんなことより、クリスの様子はどうだ?」
「うん。まぁ完璧とは言い辛いけど、冒険者として登録しても問題ないくらいには仕上がってると思う。ガストンさんが指導してくれてるおかげで、錬金術師としてはそれなりに見えるんじゃない? 見掛け倒しだけど……」
「上等だ」
陽の沈む方角、群島の果てにぽつりと浮かぶ、名もなき孤島。誰もが知らぬその名を、ただ海賊たちだけが囁き合う。
潮流が複雑に絡み合い、浅瀬と暗礁が航路を閉ざすこの島へ辿り着けるのは、海に魂を捧げた海賊だけだ。
外敵を遠ざけるそれらの障壁こそが、島の最大の守りであり、誇りでもある。
外見は荒れ果てた岩山のようで、人が住んでいるようには見えないが、干潮の時にのみ姿を現す岩の門を潜る事で、海賊たちの隠れ家へと至ることができるのだ。
そんな海賊たちの避難所で、羽を休めているのは黒き厄災ファフナーと2隻の帆船。
「うーん。ちょっと早く着きすぎちゃったかな?」
魔導船のマストの上の見張り台。シャーリーは、そこから遠くの水平線を凝視するも、目的の物はまだ現れそうにない。
コット村を出発してから4日目。本人がやる気を出したおかげで、クリスの教育はひとまず順調。
といっても、キャラバンでのルールや行動。ダンジョン内での立ち回りなど今回の任務に特化した部分のみの話だが、付け焼刃にしては上出来だろう程度には仕上がっている。
加えて、ガストンから教わったゴーレムに関する知識は、初心者錬金術師にしては充分すぎる結果を出していた。
元々、錬金術師の適性があるのだから、飲み込みが早いのは当然と言える。
「見張っていたところで、待ち人が早く来る保証は何処にもないぞ? 少しは落ち着いたらどうじゃ」
甲板からマストを見上げ、シャーリーに皮肉を言い放ったのはエルザ。
「いいのよ。ガストンさんの講義を聞いたところでサッパリだし? ミアは従魔達に手厚く保護されてるし? 私は手持無沙汰でやることもないしね」
不貞腐れながらも、遠くの海を眺めるシャーリー。その視線を甲板に落とすと、見上げるエルザに目を細める。
「そんなことより、そっちは大丈夫なの?」
「案ずるな。既に手は打っておる」
トゥームレイズへの入港。ただの船なら何の問題もないが、魔導船という特殊な船体に加え、それを引くのは黒き厄災と言われるドラゴンだ。
九条の訪問に注目を集めるという意味では、これ以上ない登場方法だが、相手の国に迷惑をかけるわけにはいかない――というのが、九条の方針。
あくまで表向きは、エクアレイス王国の使節団。お礼を言いに来たのに、機嫌を損ねては意味がない。
「ちなみに、手ってなによ?」
「受け入れ態勢は万全……。先程、そう連絡があったからの。トゥームレイズの王宮にも我等の同士がいるのじゃ。何の問題もなかろ?」
「……アンタら、何処にでもいるのね……」
「何処にでもはおらんよ。ドワーフとは昔から仲が良いだけの話じゃ。もちろん、表立ってそう言える日は未来永劫、来ることはないだろうがな」
風に白髪をなびかせながら、じっと海の向こうを見つめるエルザ。その瞳に宿るものが、何なのかはわからない。
それは、シャーリーが声を掛けるのを躊躇ってしまうほどに深く、悲しみとも、悔いともつかぬ何かだった。
それから、およそ4時間。マストの上のシャーリーが、眠気に襲われウトウトとし始めた頃、遠くに木製のボートが見えた。
それは、明らかに異質。陸から遠く離れた大海原。にも拘わらず、そのボートは漁船よりも小さな物。悪天候に見舞われようものなら、即沈没である。
「やっと来たッ! おーい!」
それを見たシャーリーは、眠気を忘れたかのように立ち上がり、思いっきり手を振った。
その声に反応し、急いで船室から出てきたのは、ミアとその他の魔獣達。
「おにーちゃん!」
ボートに向かって振られた手に、軽く手を上げただけで答えたのは、九条。
色とりどりの生花が散りばめられたボートの中心にポツンと置かれた不吉な棺桶。
九条はそこに腰を下ろし、後ろではスケルトンが必死に船を漕いでいた。
「おかえり! どうだった?」
ボートを降り、魔導船との合流を果たした九条。ひとまずは落ち着けと群がる魔獣達を、撫でてはなだめての状況報告。
「こっちは、予定通りだ。ゴーレムもどきは、出来上がり次第ケシュアがトゥームレイズに運んでくれる」
抱き着くミアを、優しく撫でる九条。その前に、シャリーが飛び降り、皮肉にも似た言葉を掛ける。
「あら、この棺桶がゴーレムもどきなのかと思ったわ」
「発想は面白いが、そんな変形ロボみたいなこと出来る訳ねぇだろ……」
冗談だとはわかっていても、着眼点は悪くないと素直に感心する九条。
変形するゴーレムは奇抜だが、残念なことに、それはリビングアーマーにはなり得ない。
鎧に魂を定着させ、リビングアーマーとして機能させるには、条件があるからだ。
定着させる魂が、憑依する鎧を自分の身体であると認識しなければならない為、入れ物は最低限人の形を保っていなければならない。
入れ物である為その中身は空洞であり、かつ可動部である関節以外、隙間が殆どない物。そして簡単に変形してしまうような、柔らかな素材は適さない。故に、金属鎧が理想的なのである。
「変形……なに?」
「いや、棺桶から手足が生えてきたらキモイだろって話だ」
「た、確かに……」
シャーリーとミアは、九条の座っていた棺桶を一瞥し、顔を歪ませる。
「じゃぁ、なんでおにーちゃんは、棺桶なんか持ってきたの?」
「こっそり街を出れる、唯一の方法だったんだよ」
九条がケシュアから聞いたのは、ドワーフの一般的な埋葬法。日本で言うなら、散骨という文化に近い考え方だ。
散骨とは、火葬した遺骨を粉末状にし、海や山へ撒き供養する。ドワーフの場合、遺体の入った棺桶を、ボートに積んで海へと流し供養する。それは、潮流葬と呼ばれている。
それを利用し、九条は誰にも見られることなくグリムロックの街を脱出したのだ。
「あぁ、そういう……。上手い事考えたわね……」
納得したとばかりに、うんうんと頷くシャーリー。
ドワーフが、土葬を辞めた理由は2つ。1つは地下水の汚染だ。
ドワーフは地下での生活を基盤としている者も多く、飲み水の汚染は死活問題。他にも酒造が盛んで、水質には特に敏感であることも理由として挙げられる。
ならば、採水地より更に深くへと埋葬すればとも考えるが、それをしないのが、2つ目の理由。アンデッド化の防止だ。
悪い気を溜めやすい地下での埋葬は、アンデッド化を加速させる。故にサザンゲイアの内陸部以外での土葬は、ほとんど見られなくなった。
「そんなことより、クリスの様子はどうだ?」
「うん。まぁ完璧とは言い辛いけど、冒険者として登録しても問題ないくらいには仕上がってると思う。ガストンさんが指導してくれてるおかげで、錬金術師としてはそれなりに見えるんじゃない? 見掛け倒しだけど……」
「上等だ」
18
あなたにおすすめの小説
異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!
ninjin
ファンタジー
病弱だった少女は14歳の若さで命を失ってしまった・・・かに思えたが、実は異世界に転移していた。異世界に転移した少女は病弱だった頃になりたかった元気な体を手に入れた。しかし、異世界に転移して手いれた体は想像以上に頑丈で怪力だった。魔法が全ての異世界で、魔法が使えない少女は頑丈な体と超絶な怪力で無双する。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
転生特典〈無限スキルポイント〉で無制限にスキルを取得して異世界無双!?
スピカ・メロディアス
ファンタジー
目が覚めたら展開にいた主人公・凸守優斗。
女神様に死後の案内をしてもらえるということで思春期男子高生夢のチートを貰って異世界転生!と思ったものの強すぎるチートはもらえない!?
ならば程々のチートをうまく使って夢にまで見た異世界ライフを楽しもうではないか!
これは、只人の少年が繰り広げる異世界物語である。
迷宮アドバイザーと歩む現代ダンジョン探索記~ブラック会社を辞めた俺だが可愛い後輩や美人元上司と共にハクスラに勤しんでます
秋月静流
ファンタジー
俺、臥龍臼汰(27歳・独身)はある日自宅の裏山に突如できた洞窟を見つける。
語り掛けてきたアドバイザーとやらが言うにはそこは何とダンジョン!?
で、探索の報酬としてどんな望みも叶えてくれるらしい。
ならば俺の願いは決まっている。
よくある強力無比なスキルや魔法? 使い切れぬ莫大な財産?
否! 俺が望んだのは「君の様なアドバイザーにず~~~~~っとサポートして欲しい!」という願望。
万全なサポートを受けながらダンジョン探索にのめり込む日々だったのだが…何故か元居た会社の後輩や上司が訪ねて来て…
チート風味の現代ダンジョン探索記。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
修学旅行のはずが突然異世界に!?
中澤 亮
ファンタジー
高校2年生の才偽琉海(さいぎ るい)は修学旅行のため、学友たちと飛行機に乗っていた。
しかし、その飛行機は不運にも機体を損傷するほどの事故に巻き込まれてしまう。
修学旅行中の高校生たちを乗せた飛行機がとある海域で行方不明に!?
乗客たちはどこへ行ったのか?
主人公は森の中で一人の精霊と出会う。
主人公と精霊のエアリスが織りなす異世界譚。
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる