異世界大魔王、現代日本に避難中です

九龍クロン

文字の大きさ
40 / 78

40話

しおりを挟む
40話

 「買い物も久しぶりな気がするのう」

 「うーん、まあいろいろあったからねぇ。最近は濃かった気がする」

 大魔王様と寧は、ただいま買い物に向かっている。

 買うものは、ひとまず数日分の食材と、いちごの実家からの『案件』のための付け合せ類。
 今回はなにか特別な牛を一頭買いしたらしく、それのPRを兼ねてのお裾分けとして、極上のステーキ肉をいただいた。
 たしか、最新の特別な飼料のみで育成された黒毛、だったか。

 「良い肉には、なにがいいんじゃろう」

 「うーん……たまねぎ?」

 「たまねぎか……?良い所でステーキを食べたことがないんじゃよな……」

 「いつも行ってるようなところだと、コーン、ポテト、たまねぎ、パセリ……とかじゃない?」

 「うーむ。そんなもんで良いかの。あとは良いバターと、良いソースを買うのじゃ。ちいと贅沢にいこう」

 「折角の良いお肉だからねえ。飲み物はどうしよっか」

 「酒は控えたいのう。寧は飲んでよいが。ワシは……クラフトコーラかのう」

 「あら、好きな物入りかな?」

 「んむ。甘すぎず、炭酸で、美味いのじゃ。ジンジャエールも好きなんじゃがの」

 「私も今日はクラフトコーラにしようかな。同じの飲もうね」

 「んむんむ。あとは……」

 スーパーまでの道中、ふたりは仲良くお話しながら歩いている。
 ……大魔王様はふと、なにかが揺れたような、そんな気がした。

 「……?」

 「どしたの?」

 「なんぞ……揺れたかの?」

 「いや、まったくわかんなかった。地震とか……?」

 「いや、地面じゃのうて空間が……うおっ!?」

 「きゃ!なに?揺れてる!」

 突如として大きな揺れが襲う。揺れは長く、立っていられなくなり、2人とも地面に膝をついた。
 ……しかし、よく観察すると、電線なんかは揺れておらず、建物の軋む音も聞こえない。生体にのみ影響するような、空間の揺れという感じだ。

 「なんじゃあ……?魔力も感じんぞ?こっちにきてから空間のみの揺れなんぞ感じたことないが……建物には影響無し、人体、いや、生体のみへの影響かの?なんじゃなんじゃ……?」

 「お、おさまった……?ううん、なんかきもちわるい……」

 ひとまず、立ち直ったふたり。
 この件はレインや他の人にも連絡はしておこう、と思う大魔王様だった。

 この時の揺れが、まさに世界を揺るがす大事件だった事は、当分知ることはないだろう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公 じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい …この世界でも生きていける術は用意している 責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう という訳で異世界暮らし始めちゃいます? ※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです ※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜

涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。 ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。 しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。 奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。 そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。

異世界と地球がダンジョンで繋がった ー異世界転移者の私ー

白木夏
ファンタジー
2040年の初春、突如として地球上の主要都市に謎のダンジョンが出現した。 その特異性は明らかで、人口密集地を中心に出現し、未開の地には一切現れないという法則性を帯びていた。 人々は恐怖に震えつつも、未知なる存在に対する好奇心を抑えきれなかった。 異世界転移した最強の主人公のほのぼのライフ

最初から最強ぼっちの俺は英雄になります

総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

処理中です...