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46話

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46話

 「太陽の国、第1王女、アリス・"フェニックス"・スメラギでございますわ」

 「大魔王の闇じゃ」

 「ハイエルフのレイン・エルビアなのです」

 高貴な仕草で挨拶を交わす3人。忘れがちだが、大魔王様もレインも元の世界ではそこそこ高貴な存在なのだ。忘れがちだが。

 「この度は我が身をお救いいただき、感謝の念に堪えませんわ。今現状のわたくしには、出来ることなど知れていますでしょうが、出来うる限りのご恩をお返しいたしたい所存ですわ」

 「うーむ」

 「お堅いのです」

 こちらの世界でも人助けなどは何度かしたことがあるが、ここまで硬いのはいなかった。少し対応に困っているふたり。

 「そうじゃな、ひとまず……何故ここにおるか、説明してくれんか」

 「はい、これは私が父上……陛下から賜った任務の一環でございまして……」

 説明するところによると、暴走した勇者を止めるための、対勇者戦力の勇者を呼ぶ儀式を行おうということになったらしい。そのために必要なもののひとつ、ラビリンスコアを、王族のものが回収しなければならないらしく。

 「最奥まで到達したはよかったものの、罠のように配置されていた強大な魔物に我々はなすすべもなく……守りの魔法が得意な私を囮に、皆を逃がした、はずなのですが」

 スメラギ王家の血には、フェニックスの加護が宿っている。それは王族の死に際、まわりの全ての仲間を全回復させ、まわりの全ての敵性存在に特大の聖属性ダメージを与える、というものだ。
 いくらか耐え忍んだのち、力尽きて、死に際にそれを放つことで皆を無事に帰らせることができる。そういう手筈だったのだが。

 「しねておらぬし、ここはそのラビリンスではないし、ということじゃな」

 「ええ……」

 「複雑なのです」

 「意識を失う直前、声を聞いた気がするのですわ。『大魔王様万歳』……と。なにか知っておられませんこと?」

 「あちゃあ」

 「あちゃあなのです?」
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