46 / 78
46話
しおりを挟む
46話
「太陽の国、第1王女、アリス・"フェニックス"・スメラギでございますわ」
「大魔王の闇じゃ」
「ハイエルフのレイン・エルビアなのです」
高貴な仕草で挨拶を交わす3人。忘れがちだが、大魔王様もレインも元の世界ではそこそこ高貴な存在なのだ。忘れがちだが。
「この度は我が身をお救いいただき、感謝の念に堪えませんわ。今現状のわたくしには、出来ることなど知れていますでしょうが、出来うる限りのご恩をお返しいたしたい所存ですわ」
「うーむ」
「お堅いのです」
こちらの世界でも人助けなどは何度かしたことがあるが、ここまで硬いのはいなかった。少し対応に困っているふたり。
「そうじゃな、ひとまず……何故ここにおるか、説明してくれんか」
「はい、これは私が父上……陛下から賜った任務の一環でございまして……」
説明するところによると、暴走した勇者を止めるための、対勇者戦力の勇者を呼ぶ儀式を行おうということになったらしい。そのために必要なもののひとつ、ラビリンスコアを、王族のものが回収しなければならないらしく。
「最奥まで到達したはよかったものの、罠のように配置されていた強大な魔物に我々はなすすべもなく……守りの魔法が得意な私を囮に、皆を逃がした、はずなのですが」
スメラギ王家の血には、フェニックスの加護が宿っている。それは王族の死に際、まわりの全ての仲間を全回復させ、まわりの全ての敵性存在に特大の聖属性ダメージを与える、というものだ。
いくらか耐え忍んだのち、力尽きて、死に際にそれを放つことで皆を無事に帰らせることができる。そういう手筈だったのだが。
「しねておらぬし、ここはそのラビリンスではないし、ということじゃな」
「ええ……」
「複雑なのです」
「意識を失う直前、声を聞いた気がするのですわ。『大魔王様万歳』……と。なにか知っておられませんこと?」
「あちゃあ」
「あちゃあなのです?」
「太陽の国、第1王女、アリス・"フェニックス"・スメラギでございますわ」
「大魔王の闇じゃ」
「ハイエルフのレイン・エルビアなのです」
高貴な仕草で挨拶を交わす3人。忘れがちだが、大魔王様もレインも元の世界ではそこそこ高貴な存在なのだ。忘れがちだが。
「この度は我が身をお救いいただき、感謝の念に堪えませんわ。今現状のわたくしには、出来ることなど知れていますでしょうが、出来うる限りのご恩をお返しいたしたい所存ですわ」
「うーむ」
「お堅いのです」
こちらの世界でも人助けなどは何度かしたことがあるが、ここまで硬いのはいなかった。少し対応に困っているふたり。
「そうじゃな、ひとまず……何故ここにおるか、説明してくれんか」
「はい、これは私が父上……陛下から賜った任務の一環でございまして……」
説明するところによると、暴走した勇者を止めるための、対勇者戦力の勇者を呼ぶ儀式を行おうということになったらしい。そのために必要なもののひとつ、ラビリンスコアを、王族のものが回収しなければならないらしく。
「最奥まで到達したはよかったものの、罠のように配置されていた強大な魔物に我々はなすすべもなく……守りの魔法が得意な私を囮に、皆を逃がした、はずなのですが」
スメラギ王家の血には、フェニックスの加護が宿っている。それは王族の死に際、まわりの全ての仲間を全回復させ、まわりの全ての敵性存在に特大の聖属性ダメージを与える、というものだ。
いくらか耐え忍んだのち、力尽きて、死に際にそれを放つことで皆を無事に帰らせることができる。そういう手筈だったのだが。
「しねておらぬし、ここはそのラビリンスではないし、ということじゃな」
「ええ……」
「複雑なのです」
「意識を失う直前、声を聞いた気がするのですわ。『大魔王様万歳』……と。なにか知っておられませんこと?」
「あちゃあ」
「あちゃあなのです?」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
37
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる