63 / 78
63話
しおりを挟む
63話
「きたぞー」
「あれ、やみちゃん。来てくれたんだ、珍しいね」
「ほれ、商店街の皆からの差し入れじゃ。……たまには商店街にも顔みせてやらんか」
「うーん、なかなか、日の出てるうちはねぇ……」
商店街の奥、隠れた名店、カメラ屋。
その店の奥、居住スペースにて、透と相対している。
「それと、これは寧からじゃ。桃の梅酒じゃな。あやつ、関西に弾丸旅行に行っとったらしい」
「うわあ、さすがフットワーク軽いね。ありがとうって言っといてくれる?私からも電話するけど」
「わかったのじゃ。さて、本題じゃが……」
今日は、寧からの贈り物を届けるついでに、魔道具のモニタリングの結果を聞きに来た。
急ぐ用事ではないが、ついでだ。
「そうだね、疲労回復の指輪のほうから報告しようかな。アレは最高。本当に最高。毎朝目がすっきりしてとっても心地いい。ありがとうね」
「うむ、ちょいと効きすぎかの……?すこーしだけ出力を弱めて、あとは魔力充填しておこうかの。視力調整のほうはどうじゃ?」
「そっちもなかなかいい感じだよ。ただ、望遠はちょっとボヤけが大きいかな?顕微は凄くいいんだけど……」
「うーむ、原理は一緒だと思ったんじゃが、難しいのう……対物レンズにあたる部分が甘いのかのう?またちょいと調整じゃの。ひとまず顕微だけ利用しておいてくれい」
魔道具作りは、試行錯誤の連続だ。
今回の場合、顕微のみ、望遠のみの機能なら上手くいったかもしれないが、両方積むとなると、やはり魔力回路が複雑になる。似たような効果を得るものとはいえ、そこは少し違うものだ。
ふたつの機能をもった魔道具は、ほとんど存在しない。寒さ対策の指輪は、暑さ対策には使えない。両方もっていないといけないが、ひとつの魔道具に纏めることは今のところできていない。効果の切り替えすらもなかなか難しいものなのだ。
似たような魔道具で、自分の周りに循環する空気の層をつくる魔道具はあるが、それでも暑さ寒さの対策には程遠い。
ほとんど存在しないといったが、大魔王様が知ってる限りでは、自身がつくった、身体能力を上げる魔法と思考力を上げる魔法を同時搭載したものしかない。両方、体の機能のブーストなので、単体で使うよりは弱いが一応モノとして成り立つものにはなった。
結局、アクセサリーを増やせばいいだけ、状況によって使い分ければいいだけなので、魔道具は何種類ももっているのが普通だ。
「魔法生物のノウハウを転用するべきか……コアの分割……いや、耐久性がのう……ううん……」
「やみちゃん、やみちゃん?……あら、考え込んじゃったな。……今のうちに、お昼ご飯つくっておこうかな」
昼すぎに思考の海から帰ってきた。
透のつくったお昼ご飯は美味しかった。
パエリアとガスパチョとミックスサラダ。スペイン料理だ。商店街でいただいた食材が盛り込まれている。
「というか、料理上手いのう」
「ま、私はなんでもやれば出来るからね」
「うむうむ、美味い。ワシの周りの者はみんな飯が美味くてよいわ」
「きたぞー」
「あれ、やみちゃん。来てくれたんだ、珍しいね」
「ほれ、商店街の皆からの差し入れじゃ。……たまには商店街にも顔みせてやらんか」
「うーん、なかなか、日の出てるうちはねぇ……」
商店街の奥、隠れた名店、カメラ屋。
その店の奥、居住スペースにて、透と相対している。
「それと、これは寧からじゃ。桃の梅酒じゃな。あやつ、関西に弾丸旅行に行っとったらしい」
「うわあ、さすがフットワーク軽いね。ありがとうって言っといてくれる?私からも電話するけど」
「わかったのじゃ。さて、本題じゃが……」
今日は、寧からの贈り物を届けるついでに、魔道具のモニタリングの結果を聞きに来た。
急ぐ用事ではないが、ついでだ。
「そうだね、疲労回復の指輪のほうから報告しようかな。アレは最高。本当に最高。毎朝目がすっきりしてとっても心地いい。ありがとうね」
「うむ、ちょいと効きすぎかの……?すこーしだけ出力を弱めて、あとは魔力充填しておこうかの。視力調整のほうはどうじゃ?」
「そっちもなかなかいい感じだよ。ただ、望遠はちょっとボヤけが大きいかな?顕微は凄くいいんだけど……」
「うーむ、原理は一緒だと思ったんじゃが、難しいのう……対物レンズにあたる部分が甘いのかのう?またちょいと調整じゃの。ひとまず顕微だけ利用しておいてくれい」
魔道具作りは、試行錯誤の連続だ。
今回の場合、顕微のみ、望遠のみの機能なら上手くいったかもしれないが、両方積むとなると、やはり魔力回路が複雑になる。似たような効果を得るものとはいえ、そこは少し違うものだ。
ふたつの機能をもった魔道具は、ほとんど存在しない。寒さ対策の指輪は、暑さ対策には使えない。両方もっていないといけないが、ひとつの魔道具に纏めることは今のところできていない。効果の切り替えすらもなかなか難しいものなのだ。
似たような魔道具で、自分の周りに循環する空気の層をつくる魔道具はあるが、それでも暑さ寒さの対策には程遠い。
ほとんど存在しないといったが、大魔王様が知ってる限りでは、自身がつくった、身体能力を上げる魔法と思考力を上げる魔法を同時搭載したものしかない。両方、体の機能のブーストなので、単体で使うよりは弱いが一応モノとして成り立つものにはなった。
結局、アクセサリーを増やせばいいだけ、状況によって使い分ければいいだけなので、魔道具は何種類ももっているのが普通だ。
「魔法生物のノウハウを転用するべきか……コアの分割……いや、耐久性がのう……ううん……」
「やみちゃん、やみちゃん?……あら、考え込んじゃったな。……今のうちに、お昼ご飯つくっておこうかな」
昼すぎに思考の海から帰ってきた。
透のつくったお昼ご飯は美味しかった。
パエリアとガスパチョとミックスサラダ。スペイン料理だ。商店街でいただいた食材が盛り込まれている。
「というか、料理上手いのう」
「ま、私はなんでもやれば出来るからね」
「うむうむ、美味い。ワシの周りの者はみんな飯が美味くてよいわ」
0
あなたにおすすめの小説
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜
涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。
ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。
しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。
奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。
そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。
異世界と地球がダンジョンで繋がった ー異世界転移者の私ー
白木夏
ファンタジー
2040年の初春、突如として地球上の主要都市に謎のダンジョンが出現した。
その特異性は明らかで、人口密集地を中心に出現し、未開の地には一切現れないという法則性を帯びていた。
人々は恐怖に震えつつも、未知なる存在に対する好奇心を抑えきれなかった。
異世界転移した最強の主人公のほのぼのライフ
最初から最強ぼっちの俺は英雄になります
総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる