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本編
3
試験期間から二週間が経った今日、前期試験の成績発表が行われた。
大学のポータルサイトのホーム画面。自分宛のメッセージを開き、画面に写る試験結果を確認する。
―――岩倉 楽 前期実技(主科)S
マジだ。「取れてしまった」というのが正直な感想で、半年前までの俺では到底考えられない結果となった。
岩倉は五限目の講義が終わると足早に、東棟の六階へと向かっていた。
それは言わずもがな、この試験結果を誰よりも早く板垣に報告したかったからだ。明日には練習の約束をしているのに、その一日が惜しい。あまりの嬉しさに待ってはいられない。そんな気持ちの早まりが、岩倉の行動には現れていた。
いつものように軽快に六階までの階段を上がっていく。後期授業も始まったばかりだからか、聞こえてくる音からして練習室の利用者はいつもより少ない気がする。試験後の一時休息といったところか。
そういえば、なんでわざわざ一番遠い六階の練習室を千夜はいつも使っているのか。聞いたこと無かったな。今度聞いてみようかなと思いつつ、こういう事は思い立った時に聞かなければ大概は忘れてしまう。ということで、この疑問はまた頭の隅に追いやられた。
六階まで上がって来たところで、いつもは聞こえてくるはずのピアノの音がしないことに気がつく。もしかしたら、今日は練習していないのだろうか。
約束もしていないし、無理もないか。千弥のスケジュールを全て把握しているわけではないからな。今日ここへ来たのだって、千弥が前に、「大抵、東棟の六階で練習していることがほとんどです」と言っていたから足を運んだまでだ。休憩中ということもあり得る。せっかくここまで上ってきたのだ、練習室を覗いてみることにした。
近づくにつれ、微かに話し声が聞こえるような気がした。
練習室の小窓からチラッと中を覗くと、ピアノ椅子に座る板垣の姿とその隣に立つ女性が視界に入ってきた。
岩倉は咄嗟にドアの影に隠れた。
……誰、だろう……。
板垣の練習室に女性がいるという事実に少し動揺した。
よく考えてみれば、ピアノ科なんて九割が女子なのだから、知り合いが多少いたっておかしくはない、よな…。そう自分に言い聞かせる。
中から聞こえてくる微かな話し声は、完全な防音室ではないため漏れ出てはくるが、もごもごとした音でしか聞き取れず、何を話しているのか全くわからなかった。
別にやましいわけでもないのだから、ノックしようとも考えた。でも、俺のチキンな心はそれを許さなかった。
気づいた時には階段を駆け下り、一階のロビーまで猛ダッシュで走っていた。
ヘトヘトになり、中庭にあるベンチに腰かけ、さっきのそれを回想する…。
後ろ姿でわかる…。あれはきっと、……美人、だったな……。千弥と並んだら、お似合いのカップルだろうな。
そんなことを考えていたら、胸の辺りがチクッとした。
千夜はもちろん有名人だし、この学校で知らない奴を探す方が困難だろう。それは過去の俺だけれど……。自分は千弥にとって、特別な存在なんじゃないかと思っていた。でも現実には、千弥にも友達がいて、もしかしたら恋人がいるかもしれないという事実を、まざまざと突きつけられた気がした。そう思ったら、またチクっと…、何かが胸の辺りを刺激した。
「千弥、……笑って話、…してたな……」
翌日、予め予定していた板垣との練習のため、岩倉は東棟を訪れた。
昨日は軽快だった足取りも今日は一段と憂鬱で、そんなことは無いはずなのに、階段の数がいつもより多く感じた。
「まだ三階……。はぁー……」
思わずため息が出る岩倉の足取りは非常に重い。板垣に対して普通にしていなければと思えば思うほど、ぎこちない笑顔になっていくような気がした。
やっとの思いで六階にたどり着くと、今日はピアノの音が聴こえてきた。昨日のことを思い出し、音が聴こえてきたことに少し安堵する。
ノックをするタイミング。
最初こそ迷っていたが、板垣が弾き終えるのを待つようにしている。あいつは気にする事はないと言うけれど、そこはやはり申し訳なくなるというのが岩倉の性分である。
千弥のピアノの音が止んだ。
コンコン。
「千弥ー。お邪魔しまーす」
できるかぎり、いつもの調子で……。そう心の中で唱えながら部屋に入った。
「楽さん、お疲れさまです。時間通り。後期の曲、決まりましたか?」
「古典の曲はどうかって先生に勧められてる。とりあえず二曲持ってきたんだけど。今日試しに合わせてみてもいいか? ちょっと決めかねていてさ。っと、その前に、試験結果Sだったぞ」
自然に話せているだろうか……。
「おお! おめでとうございます。まあわかっていた結果ですけどね。後期も頑張りましょう」
「ありがとうな。本当に千弥には感謝しかないな」
そんなことないですよ。と謙遜する千弥の顔が少しはにかんでいた。
それより、早く合わせしましょう。と言って、岩倉に楽譜を出すよう催促した。
板垣に楽譜を渡す際に一瞬、目が合ったように感じたんだけど…。
んっ⁉︎
今、目をそらされた………。いや、そんなわけない、よな。
俺が楽器を準備している間、千弥が今渡したばかりの楽譜を弾き始める。
この瞬間は、本当に驚かされる。
ほとんど完璧なんだよな。もちろん、これで終わりではなくて、ここからさらに洗練され、俺の演奏に合わせてくれるんだ。それが千弥のすごいところである。
「お待たせ。んじゃ、よろしくお願いします」
どっちからやりますか? と聞かれ、俺はハイドンからとお願いした。
ちなみに持参した曲のタイトルはどちらも[トランペット協奏曲]である。作曲者はフランツ・ヨーゼフ・ハイドンとヨハン・ネポムク・フンメル。
持参した二曲をとりあえず演奏し終えた。
相変わらず初見同然の俺の演奏は、千弥と比べ物にならないくらいボロボロだな。と心の落胆を覚える。
「千弥はどっちの方がいいと思う? こんな出来で聞くのは忍びないんだけどさ」
「楽さんだったら、フンメルですかね。てか、フンメルの方が好きそうな気がしましたけど。違いますか?」
即答の上、俺の好みまで把握し始めたのかこいつは……。
「その通りだよ。ただ、先生に勧められたのはハイドンだよ。まぁ、最終的にはどっちでもいいとは言われてんだけどな」
岩倉のトランペット講師は、帝都交響楽団の主席奏者を務める西岡力也である。少々見た目が厳つく恰幅もあるため、他の楽器の生徒からは怖いというイメージを持たれているみたいだが、意外とチャーミングな一面も持ち合わせる、岩倉が尊敬してやまないトランペット奏者である。
「先生が勧めた曲をやるも良し、楽さんが好きな曲をやるも良しだと思いますよ。要はその曲を好きになれるかですから。いずれどちらも練習することになるわけですし、早いか遅いかなんじゃないですか」
千弥のいうことは尤もだ。実際、遅かれ早かれどちらも練習することになるのだ。ただ、試験曲としてどちらがいいか、ただそれを判断すればいいだけのことなのである。千弥に問いかけた段階で、ほとんど答えは決まっていた。
「フンメルにしようかな」
理由は簡単だった。千弥がいいと言ったから。
「いいんじゃないですか。一楽章だけ、もう一回合わせたら終わりにしますか」
そうすると言って、俺は楽器を構えた。
練習が終わり楽器を片付け始めるまで、昨日のことなどすっかり忘れていた。
単純に千弥との音楽が楽しかったのだ。
ただやはり、昨日のことが少しだけ気にかかる。
「なぁ、千弥。昨日もここで練習してたか?」
「もちろんしていましたよ。家よりこっちの方がいいので」
「そう言ってたな。いつも練習は、………ひとり……なのか?」
「ピアノですからね。基本ひとりですよ。楽さん以外伴奏も受け持っていませんしね」
「そう…だよな。……変なこと聞いた」
じゃあ、お疲れと言って岩倉は練習室を後にした。
帰り際、次の練習の連絡待っていますからといった板垣が、少し泣きそうな顔をしていたように見えた。なんでそんな顔をしているのか、岩倉には全く理由が分からなかった。
「どんな答えが欲しくて、昨日のこと聞いたんだよ」
心のつぶやきが声に出ていた。
一緒に話していた女性は誰なのか知りたかったのか。いや、そんなんじゃない。ただ、…ただ、……千弥の特別でありたいと思ってしまっただけなんだ。
校舎の外へ出ると洟先をくすぐる甘い匂いがした。
……金木犀だな……。
岩倉はこの匂いが大好きだった。少し肌寒くなってきた秋の澄んだ空気に溶け合って香るから。
どうか、あと二週間は雨が降りませんように…。
少しでも長くこの匂いを感じていたい。そんなことを祈っていたら、気持ちも少し落ち着いてきたかもしれない。
今は、音楽に集中しよう。
千弥ともう一回できるのだ。後期試験も千弥の伴奏で。次もまた次も、千弥と一緒にできますように…。
そう祈りを込めながら、甘い香りをたどり家に帰った。
大学のポータルサイトのホーム画面。自分宛のメッセージを開き、画面に写る試験結果を確認する。
―――岩倉 楽 前期実技(主科)S
マジだ。「取れてしまった」というのが正直な感想で、半年前までの俺では到底考えられない結果となった。
岩倉は五限目の講義が終わると足早に、東棟の六階へと向かっていた。
それは言わずもがな、この試験結果を誰よりも早く板垣に報告したかったからだ。明日には練習の約束をしているのに、その一日が惜しい。あまりの嬉しさに待ってはいられない。そんな気持ちの早まりが、岩倉の行動には現れていた。
いつものように軽快に六階までの階段を上がっていく。後期授業も始まったばかりだからか、聞こえてくる音からして練習室の利用者はいつもより少ない気がする。試験後の一時休息といったところか。
そういえば、なんでわざわざ一番遠い六階の練習室を千夜はいつも使っているのか。聞いたこと無かったな。今度聞いてみようかなと思いつつ、こういう事は思い立った時に聞かなければ大概は忘れてしまう。ということで、この疑問はまた頭の隅に追いやられた。
六階まで上がって来たところで、いつもは聞こえてくるはずのピアノの音がしないことに気がつく。もしかしたら、今日は練習していないのだろうか。
約束もしていないし、無理もないか。千弥のスケジュールを全て把握しているわけではないからな。今日ここへ来たのだって、千弥が前に、「大抵、東棟の六階で練習していることがほとんどです」と言っていたから足を運んだまでだ。休憩中ということもあり得る。せっかくここまで上ってきたのだ、練習室を覗いてみることにした。
近づくにつれ、微かに話し声が聞こえるような気がした。
練習室の小窓からチラッと中を覗くと、ピアノ椅子に座る板垣の姿とその隣に立つ女性が視界に入ってきた。
岩倉は咄嗟にドアの影に隠れた。
……誰、だろう……。
板垣の練習室に女性がいるという事実に少し動揺した。
よく考えてみれば、ピアノ科なんて九割が女子なのだから、知り合いが多少いたっておかしくはない、よな…。そう自分に言い聞かせる。
中から聞こえてくる微かな話し声は、完全な防音室ではないため漏れ出てはくるが、もごもごとした音でしか聞き取れず、何を話しているのか全くわからなかった。
別にやましいわけでもないのだから、ノックしようとも考えた。でも、俺のチキンな心はそれを許さなかった。
気づいた時には階段を駆け下り、一階のロビーまで猛ダッシュで走っていた。
ヘトヘトになり、中庭にあるベンチに腰かけ、さっきのそれを回想する…。
後ろ姿でわかる…。あれはきっと、……美人、だったな……。千弥と並んだら、お似合いのカップルだろうな。
そんなことを考えていたら、胸の辺りがチクッとした。
千夜はもちろん有名人だし、この学校で知らない奴を探す方が困難だろう。それは過去の俺だけれど……。自分は千弥にとって、特別な存在なんじゃないかと思っていた。でも現実には、千弥にも友達がいて、もしかしたら恋人がいるかもしれないという事実を、まざまざと突きつけられた気がした。そう思ったら、またチクっと…、何かが胸の辺りを刺激した。
「千弥、……笑って話、…してたな……」
翌日、予め予定していた板垣との練習のため、岩倉は東棟を訪れた。
昨日は軽快だった足取りも今日は一段と憂鬱で、そんなことは無いはずなのに、階段の数がいつもより多く感じた。
「まだ三階……。はぁー……」
思わずため息が出る岩倉の足取りは非常に重い。板垣に対して普通にしていなければと思えば思うほど、ぎこちない笑顔になっていくような気がした。
やっとの思いで六階にたどり着くと、今日はピアノの音が聴こえてきた。昨日のことを思い出し、音が聴こえてきたことに少し安堵する。
ノックをするタイミング。
最初こそ迷っていたが、板垣が弾き終えるのを待つようにしている。あいつは気にする事はないと言うけれど、そこはやはり申し訳なくなるというのが岩倉の性分である。
千弥のピアノの音が止んだ。
コンコン。
「千弥ー。お邪魔しまーす」
できるかぎり、いつもの調子で……。そう心の中で唱えながら部屋に入った。
「楽さん、お疲れさまです。時間通り。後期の曲、決まりましたか?」
「古典の曲はどうかって先生に勧められてる。とりあえず二曲持ってきたんだけど。今日試しに合わせてみてもいいか? ちょっと決めかねていてさ。っと、その前に、試験結果Sだったぞ」
自然に話せているだろうか……。
「おお! おめでとうございます。まあわかっていた結果ですけどね。後期も頑張りましょう」
「ありがとうな。本当に千弥には感謝しかないな」
そんなことないですよ。と謙遜する千弥の顔が少しはにかんでいた。
それより、早く合わせしましょう。と言って、岩倉に楽譜を出すよう催促した。
板垣に楽譜を渡す際に一瞬、目が合ったように感じたんだけど…。
んっ⁉︎
今、目をそらされた………。いや、そんなわけない、よな。
俺が楽器を準備している間、千弥が今渡したばかりの楽譜を弾き始める。
この瞬間は、本当に驚かされる。
ほとんど完璧なんだよな。もちろん、これで終わりではなくて、ここからさらに洗練され、俺の演奏に合わせてくれるんだ。それが千弥のすごいところである。
「お待たせ。んじゃ、よろしくお願いします」
どっちからやりますか? と聞かれ、俺はハイドンからとお願いした。
ちなみに持参した曲のタイトルはどちらも[トランペット協奏曲]である。作曲者はフランツ・ヨーゼフ・ハイドンとヨハン・ネポムク・フンメル。
持参した二曲をとりあえず演奏し終えた。
相変わらず初見同然の俺の演奏は、千弥と比べ物にならないくらいボロボロだな。と心の落胆を覚える。
「千弥はどっちの方がいいと思う? こんな出来で聞くのは忍びないんだけどさ」
「楽さんだったら、フンメルですかね。てか、フンメルの方が好きそうな気がしましたけど。違いますか?」
即答の上、俺の好みまで把握し始めたのかこいつは……。
「その通りだよ。ただ、先生に勧められたのはハイドンだよ。まぁ、最終的にはどっちでもいいとは言われてんだけどな」
岩倉のトランペット講師は、帝都交響楽団の主席奏者を務める西岡力也である。少々見た目が厳つく恰幅もあるため、他の楽器の生徒からは怖いというイメージを持たれているみたいだが、意外とチャーミングな一面も持ち合わせる、岩倉が尊敬してやまないトランペット奏者である。
「先生が勧めた曲をやるも良し、楽さんが好きな曲をやるも良しだと思いますよ。要はその曲を好きになれるかですから。いずれどちらも練習することになるわけですし、早いか遅いかなんじゃないですか」
千弥のいうことは尤もだ。実際、遅かれ早かれどちらも練習することになるのだ。ただ、試験曲としてどちらがいいか、ただそれを判断すればいいだけのことなのである。千弥に問いかけた段階で、ほとんど答えは決まっていた。
「フンメルにしようかな」
理由は簡単だった。千弥がいいと言ったから。
「いいんじゃないですか。一楽章だけ、もう一回合わせたら終わりにしますか」
そうすると言って、俺は楽器を構えた。
練習が終わり楽器を片付け始めるまで、昨日のことなどすっかり忘れていた。
単純に千弥との音楽が楽しかったのだ。
ただやはり、昨日のことが少しだけ気にかかる。
「なぁ、千弥。昨日もここで練習してたか?」
「もちろんしていましたよ。家よりこっちの方がいいので」
「そう言ってたな。いつも練習は、………ひとり……なのか?」
「ピアノですからね。基本ひとりですよ。楽さん以外伴奏も受け持っていませんしね」
「そう…だよな。……変なこと聞いた」
じゃあ、お疲れと言って岩倉は練習室を後にした。
帰り際、次の練習の連絡待っていますからといった板垣が、少し泣きそうな顔をしていたように見えた。なんでそんな顔をしているのか、岩倉には全く理由が分からなかった。
「どんな答えが欲しくて、昨日のこと聞いたんだよ」
心のつぶやきが声に出ていた。
一緒に話していた女性は誰なのか知りたかったのか。いや、そんなんじゃない。ただ、…ただ、……千弥の特別でありたいと思ってしまっただけなんだ。
校舎の外へ出ると洟先をくすぐる甘い匂いがした。
……金木犀だな……。
岩倉はこの匂いが大好きだった。少し肌寒くなってきた秋の澄んだ空気に溶け合って香るから。
どうか、あと二週間は雨が降りませんように…。
少しでも長くこの匂いを感じていたい。そんなことを祈っていたら、気持ちも少し落ち着いてきたかもしれない。
今は、音楽に集中しよう。
千弥ともう一回できるのだ。後期試験も千弥の伴奏で。次もまた次も、千弥と一緒にできますように…。
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