4 / 27
二 上意討ち
一
しおりを挟む
十二月中旬。
父次郎右衛門の死から数ヶ月が過ぎ、朝晩の冷え込みも一段と厳しさを増した。
藤岡数馬は、亡き父の喪が明けるのを待っていたかのように、上役三枝軍乃進に呼び出された。
妻千代美の兄慎之介と、三枝の娘雪路は、来年六月、藩主の国入りに合わせ、広島城下にて祝言を挙げることになっている。
江戸時代には、例え武士同士であっても、身分の枠を超えて婚姻関係を結ぶことは許されていない。如何に藩主の下命とは云え、中士である三枝家と下士出身の日比家が縁を結ぶ今回の場合は、異例中の異例であった。この良縁によって、藤岡家と三枝家も、他ならぬ関係となるわけだ。
以前は、これを機に、出世の糸口を掴み取り、己が身を立ててみたいと云う些か邪な下心を抱いていた数馬ではあったが、それもこれも皆凡て父の死によって潰えてしまった。
公儀隠密、裏柳生の忍草と云う己の素性が、公の知るところとなり、日比家並びに三枝家などの縁者に類が及ぶことは、是が非でも避けねばならぬ。
――三枝殿は、この俺に如何なる御用があると云うのだ? もしや、俺の素性が知れたのではあるまいな。いや、それはまず以ってない。父の遺言と、あの女の忠告を守り、心ならずも努めて穏やかに過ごしてきたではないか。
そんなことをあれこれと考えながらも、数馬は知らず知らずのうちに、三枝の屋敷の前に辿り着いていた。
広島藩の大目付の要職にある三枝は、禄高四百石の中士として堀内に屋敷を構えている。
辺りに並ぶ武家屋敷も、皆中士のものだけあって立派な長屋門と漆喰で塗り固められた白い塀に囲まれ、流石に数馬のような下士が住まう粗末な組長屋などは、全く以って比較にならない。
「それがし、お目付三枝殿配下の藤岡数馬でござる。お召しにより参上仕った。お取次ぎ願いたい」
門前の中間に告げた。
「承知致し申した。暫しこの場にてお待ち下さりませ」
中間が、屋敷内に入って暫くすると、侍らしき別の男が出てきた。
三枝家の若党、禄高三両二分の雇い侍青木幹之助だ。
数馬とは、気心の知れた仲である。
先の山本喜平次と、この幹之助、そして数馬の三人が、宍戸道場の三傑と謳われる広島藩屈指の剣の達人であった。
普段は、二人してお互いを、
「幹之助」
「数馬」
と呼び合っていた。
だが、この日は公の場と云うこともあり、喜之助は、
「藤岡殿、主より伺うておりまする。奥の座敷へ案内致しまする故、ささぁ、中へお入り下され」
と言葉使いを改めた。
喜之助は、浅野家から見れば、陪臣と云う身分だ。
「止めてくれぬか、藤岡殿と呼ぶのは。俺とお主の仲ではないか、いつものように数馬でよい」
「ならば言葉に甘えて、この場にても数馬と呼ばして頂くぞ。よいか」
「ああ、構わん……、ところで幹之助、三枝殿のご用とは、如何なるものであろうか。お主、何か存じておろう?」
数馬は、胸中にある疑問を思い切って友人に問うてみた。
「いや、俺は全く存ぜぬが……」
「そうか……」
数馬は、舌の先で奥歯を舐めた。
「そう云えば数馬、近頃のお主、元気がないな。道場の稽古でも張合いがない、あれではまるで案山子ではないか、と喜平次も案じていたぞ。この俺でよければ聞いてやるが」
如何に気を許した仲であっても、自分の素性が、公儀隠密、裏柳生の忍草であると云うことなど、喋るわけにはいかない。
このことを踏まえた上で、数馬は、
「いや、別に……、それと云って……」
と口籠り、適当にその場を誤魔化した。
「お主のその口調、亡くなられた親父殿に似てきたな」
「そうか、似ておるか」
数馬は苦笑した。
――似て当然だ。俺は、父の如く……、いや、よそう、愚痴を溢したところで、誰かに聞かせるわけでもない。
式台に上がると、作法に則り、幹之助は数馬の刀を預かった。
数馬は、隅々まで手入れの行き届いた幽邃な庭園に面した客間の隣控えの間へ通され、そこで三枝を待った
広々とした空間に一人取り残され、落ち着かない様子で視線を変えては、辺りをキョロキョロと見回していた。無理もない、彼が住まう四畳半二間の組長屋が丸ごと入ってしまうほどの大きさだ。
「間もなく、主が参りまする故、ささあ、奥へ」
再び幹之助が現れ、数馬を客間へと招いた。
幹之助は、先ほど預かった数馬の刀を、彼の背後に左手側へ柄がくるように置き、その場を立ち去った。
数馬は、刀を自分の右側に置き直した。
床の間には、多分、名のある絵師が描いたと思われる掛け軸と、これまた高価な花器が置かれていた。部屋と部屋を仕切る襖絵一つとってみても、見事な水墨画であった。
――ふん、俺はこのような小汚い身形で、何と場違いなところへ来てしまったのだ。
数馬は、改めて身分の違いを痛感した。
そこへ三枝が現れて、上座に着いた。
「藤岡数馬、お召しにより参上仕りました」
数馬は、扇子を前に置き、三枝に恭しく額ずく。
「そう畏まるな。まずは、お悔やみ申そう。お父上次郎右衛門殿のこと、実に残念であったな、さぞや気を落としたであろう。何か困ったことあれば、遠慮のう、儂に申すがよい、力を貸そうぞ」
「分に過ぎたお言葉頂戴致しまして、亡き父と喪主を務めました兄になり代わり、厚く御礼申し上げまする」
数馬は再び深々と頭を下げた。
「これこれ、先も申した通りそう畏まるな。儂とその方は、最早赤の他人ではない。来春には、我が娘雪路が、その方の義兄日比慎之介の許へ嫁ぐのだからのう。我が三枝の家と藤岡の家が、釣り合いがとれるよう折りを見て、この儂から藩のご重役の方々へ申し上げておこう。さもすれば、何れご主君のお耳に届き、慎之介の如くご加増あるかも知れぬ」
「か、斯様なご配慮、身に余る次第にて……」
「うん、どうした。中士では不服か?」
「いえ、滅相もござりませぬ」
「さて、そろそろ本題に入ると致すか。本日、その方を召し出したるは、他でもない。その方、草と云う言葉を存じておるか?」
思いもよらぬ三枝の問い掛けに、数馬は思わず顔を強張らせた。
――知らぬとは申せぬ。この俺が、その草、公儀の隠密ではないか……。
「存じておりまする。草とは、公儀の隠密を指す隠語でござりましょう。して、その草が如何致しましたのでござりまするか?」
「うん、実はのう、我が手の者の調べでは、この芸州広島浅野家中にも、その隠密が紛れ込んでおることが判明した。勝手方吟味役足軽頭の秋山文六郎右衛門尉じゃ……、その方に、彼奴めを斬ってもらいたい。本来ならば、文六めの素性知れた折りに斬るべきであったが、何分、その方は次郎右衛門殿の喪中故、憚っておった」
「秋山殿が、公儀の隠密……」
――この俺と同じ裏柳生の草だと!?
数馬は驚嘆した。
「左様、半月ほど前、当屋敷に投げ文があってのう、足軽頭の秋山文六郎右衛門尉は公儀の隠密、と書かれてあった。まさか彼奴めが公儀の犬であったとはのお。儂も迂闊であったわい。さらに文には、秋山文六は柳生新陰流の使い手、それもかなりの腕と付け加えられておった。しかるに、浅野家中に於いて彼奴と互角に渉り合える者は、その方を於いて他におらぬ……」
三枝は愚痴るように語った。
「源乃丞殿も斬らねばならぬのでごさりましょうか……」
「おおう、そう云えば確か彼奴の倅は、その方の門下であったな……。まあ、致し方あるまい。ご定法に従い、六親眷属悉く始末せねばならぬ」
家禄二百五十石の中士、勝手方吟味役足軽頭秋山文六郎右衛門尉の子息源乃丞は、この年数えにして十二歳、数馬にとって弟のような存在だった。
――せめて源乃丞殿だけでも救ってやりたい。
そんな数馬の胸中を察した三枝は、徐に立ち上がり、庭へ向かって歩き出した。
父次郎右衛門の死から数ヶ月が過ぎ、朝晩の冷え込みも一段と厳しさを増した。
藤岡数馬は、亡き父の喪が明けるのを待っていたかのように、上役三枝軍乃進に呼び出された。
妻千代美の兄慎之介と、三枝の娘雪路は、来年六月、藩主の国入りに合わせ、広島城下にて祝言を挙げることになっている。
江戸時代には、例え武士同士であっても、身分の枠を超えて婚姻関係を結ぶことは許されていない。如何に藩主の下命とは云え、中士である三枝家と下士出身の日比家が縁を結ぶ今回の場合は、異例中の異例であった。この良縁によって、藤岡家と三枝家も、他ならぬ関係となるわけだ。
以前は、これを機に、出世の糸口を掴み取り、己が身を立ててみたいと云う些か邪な下心を抱いていた数馬ではあったが、それもこれも皆凡て父の死によって潰えてしまった。
公儀隠密、裏柳生の忍草と云う己の素性が、公の知るところとなり、日比家並びに三枝家などの縁者に類が及ぶことは、是が非でも避けねばならぬ。
――三枝殿は、この俺に如何なる御用があると云うのだ? もしや、俺の素性が知れたのではあるまいな。いや、それはまず以ってない。父の遺言と、あの女の忠告を守り、心ならずも努めて穏やかに過ごしてきたではないか。
そんなことをあれこれと考えながらも、数馬は知らず知らずのうちに、三枝の屋敷の前に辿り着いていた。
広島藩の大目付の要職にある三枝は、禄高四百石の中士として堀内に屋敷を構えている。
辺りに並ぶ武家屋敷も、皆中士のものだけあって立派な長屋門と漆喰で塗り固められた白い塀に囲まれ、流石に数馬のような下士が住まう粗末な組長屋などは、全く以って比較にならない。
「それがし、お目付三枝殿配下の藤岡数馬でござる。お召しにより参上仕った。お取次ぎ願いたい」
門前の中間に告げた。
「承知致し申した。暫しこの場にてお待ち下さりませ」
中間が、屋敷内に入って暫くすると、侍らしき別の男が出てきた。
三枝家の若党、禄高三両二分の雇い侍青木幹之助だ。
数馬とは、気心の知れた仲である。
先の山本喜平次と、この幹之助、そして数馬の三人が、宍戸道場の三傑と謳われる広島藩屈指の剣の達人であった。
普段は、二人してお互いを、
「幹之助」
「数馬」
と呼び合っていた。
だが、この日は公の場と云うこともあり、喜之助は、
「藤岡殿、主より伺うておりまする。奥の座敷へ案内致しまする故、ささぁ、中へお入り下され」
と言葉使いを改めた。
喜之助は、浅野家から見れば、陪臣と云う身分だ。
「止めてくれぬか、藤岡殿と呼ぶのは。俺とお主の仲ではないか、いつものように数馬でよい」
「ならば言葉に甘えて、この場にても数馬と呼ばして頂くぞ。よいか」
「ああ、構わん……、ところで幹之助、三枝殿のご用とは、如何なるものであろうか。お主、何か存じておろう?」
数馬は、胸中にある疑問を思い切って友人に問うてみた。
「いや、俺は全く存ぜぬが……」
「そうか……」
数馬は、舌の先で奥歯を舐めた。
「そう云えば数馬、近頃のお主、元気がないな。道場の稽古でも張合いがない、あれではまるで案山子ではないか、と喜平次も案じていたぞ。この俺でよければ聞いてやるが」
如何に気を許した仲であっても、自分の素性が、公儀隠密、裏柳生の忍草であると云うことなど、喋るわけにはいかない。
このことを踏まえた上で、数馬は、
「いや、別に……、それと云って……」
と口籠り、適当にその場を誤魔化した。
「お主のその口調、亡くなられた親父殿に似てきたな」
「そうか、似ておるか」
数馬は苦笑した。
――似て当然だ。俺は、父の如く……、いや、よそう、愚痴を溢したところで、誰かに聞かせるわけでもない。
式台に上がると、作法に則り、幹之助は数馬の刀を預かった。
数馬は、隅々まで手入れの行き届いた幽邃な庭園に面した客間の隣控えの間へ通され、そこで三枝を待った
広々とした空間に一人取り残され、落ち着かない様子で視線を変えては、辺りをキョロキョロと見回していた。無理もない、彼が住まう四畳半二間の組長屋が丸ごと入ってしまうほどの大きさだ。
「間もなく、主が参りまする故、ささあ、奥へ」
再び幹之助が現れ、数馬を客間へと招いた。
幹之助は、先ほど預かった数馬の刀を、彼の背後に左手側へ柄がくるように置き、その場を立ち去った。
数馬は、刀を自分の右側に置き直した。
床の間には、多分、名のある絵師が描いたと思われる掛け軸と、これまた高価な花器が置かれていた。部屋と部屋を仕切る襖絵一つとってみても、見事な水墨画であった。
――ふん、俺はこのような小汚い身形で、何と場違いなところへ来てしまったのだ。
数馬は、改めて身分の違いを痛感した。
そこへ三枝が現れて、上座に着いた。
「藤岡数馬、お召しにより参上仕りました」
数馬は、扇子を前に置き、三枝に恭しく額ずく。
「そう畏まるな。まずは、お悔やみ申そう。お父上次郎右衛門殿のこと、実に残念であったな、さぞや気を落としたであろう。何か困ったことあれば、遠慮のう、儂に申すがよい、力を貸そうぞ」
「分に過ぎたお言葉頂戴致しまして、亡き父と喪主を務めました兄になり代わり、厚く御礼申し上げまする」
数馬は再び深々と頭を下げた。
「これこれ、先も申した通りそう畏まるな。儂とその方は、最早赤の他人ではない。来春には、我が娘雪路が、その方の義兄日比慎之介の許へ嫁ぐのだからのう。我が三枝の家と藤岡の家が、釣り合いがとれるよう折りを見て、この儂から藩のご重役の方々へ申し上げておこう。さもすれば、何れご主君のお耳に届き、慎之介の如くご加増あるかも知れぬ」
「か、斯様なご配慮、身に余る次第にて……」
「うん、どうした。中士では不服か?」
「いえ、滅相もござりませぬ」
「さて、そろそろ本題に入ると致すか。本日、その方を召し出したるは、他でもない。その方、草と云う言葉を存じておるか?」
思いもよらぬ三枝の問い掛けに、数馬は思わず顔を強張らせた。
――知らぬとは申せぬ。この俺が、その草、公儀の隠密ではないか……。
「存じておりまする。草とは、公儀の隠密を指す隠語でござりましょう。して、その草が如何致しましたのでござりまするか?」
「うん、実はのう、我が手の者の調べでは、この芸州広島浅野家中にも、その隠密が紛れ込んでおることが判明した。勝手方吟味役足軽頭の秋山文六郎右衛門尉じゃ……、その方に、彼奴めを斬ってもらいたい。本来ならば、文六めの素性知れた折りに斬るべきであったが、何分、その方は次郎右衛門殿の喪中故、憚っておった」
「秋山殿が、公儀の隠密……」
――この俺と同じ裏柳生の草だと!?
数馬は驚嘆した。
「左様、半月ほど前、当屋敷に投げ文があってのう、足軽頭の秋山文六郎右衛門尉は公儀の隠密、と書かれてあった。まさか彼奴めが公儀の犬であったとはのお。儂も迂闊であったわい。さらに文には、秋山文六は柳生新陰流の使い手、それもかなりの腕と付け加えられておった。しかるに、浅野家中に於いて彼奴と互角に渉り合える者は、その方を於いて他におらぬ……」
三枝は愚痴るように語った。
「源乃丞殿も斬らねばならぬのでごさりましょうか……」
「おおう、そう云えば確か彼奴の倅は、その方の門下であったな……。まあ、致し方あるまい。ご定法に従い、六親眷属悉く始末せねばならぬ」
家禄二百五十石の中士、勝手方吟味役足軽頭秋山文六郎右衛門尉の子息源乃丞は、この年数えにして十二歳、数馬にとって弟のような存在だった。
――せめて源乃丞殿だけでも救ってやりたい。
そんな数馬の胸中を察した三枝は、徐に立ち上がり、庭へ向かって歩き出した。
0
あなたにおすすめの小説
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
輿乗(よじょう)の敵 ~ 新史 桶狭間 ~
四谷軒
歴史・時代
【あらすじ】
美濃の戦国大名、斎藤道三の娘・帰蝶(きちょう)は、隣国尾張の織田信長に嫁ぐことになった。信長の父・信秀、信長の傅役(もりやく)・平手政秀など、さまざまな人々と出会い、別れ……やがて信長と帰蝶は尾張の国盗りに成功する。しかし、道三は嫡男の義龍に殺され、義龍は「一色」と称して、織田の敵に回る。一方、三河の方からは、駿河の国主・今川義元が、大軍を率いて尾張へと向かって来ていた……。
【登場人物】
帰蝶(きちょう):美濃の戦国大名、斎藤道三の娘。通称、濃姫(のうひめ)。
織田信長:尾張の戦国大名。父・信秀の跡を継いで、尾張を制した。通称、三郎(さぶろう)。
斎藤道三:下剋上(げこくじょう)により美濃の国主にのし上がった男。俗名、利政。
一色義龍:道三の息子。帰蝶の兄。道三を倒して、美濃の国主になる。幕府から、名門「一色家」を名乗る許しを得る。
今川義元:駿河の戦国大名。名門「今川家」の当主であるが、国盗りによって駿河の国主となり、「海道一の弓取り」の異名を持つ。
斯波義銀(しばよしかね):尾張の国主の家系、名門「斯波家」の当主。ただし、実力はなく、形だけの国主として、信長が「臣従」している。
【参考資料】
「国盗り物語」 司馬遼太郎 新潮社
「地図と読む 現代語訳 信長公記」 太田 牛一 (著) 中川太古 (翻訳) KADOKAWA
東浦町観光協会ホームページ
Wikipedia
【表紙画像】
歌川豊宣, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由で
無用庵隠居清左衛門
蔵屋
歴史・時代
前老中田沼意次から引き継いで老中となった松平定信は、厳しい倹約令として|寛政の改革《かんせいのかいかく》を実施した。
第8代将軍徳川吉宗によって実施された|享保の改革《きょうほうのかいかく》、|天保の改革《てんぽうのかいかく》と合わせて幕政改革の三大改革という。
松平定信は厳しい倹約令を実施したのだった。江戸幕府は町人たちを中心とした貨幣経済の発達に伴い|逼迫《ひっぱく》した幕府の財政で苦しんでいた。
幕府の財政再建を目的とした改革を実施する事は江戸幕府にとって緊急の課題であった。
この時期、各地方の諸藩に於いても藩政改革が行われていたのであった。
そんな中、徳川家直参旗本であった緒方清左衛門は、己の出世の事しか考えない同僚に嫌気がさしていた。
清左衛門は無欲の徳川家直参旗本であった。
俸禄も入らず、出世欲もなく、ただひたすら、女房の千歳と娘の弥生と、三人仲睦まじく暮らす平穏な日々であればよかったのである。
清左衛門は『あらゆる欲を捨て去り、何もこだわらぬ無の境地になって千歳と弥生の幸せだけを願い、最後は無欲で死にたい』と思っていたのだ。
ある日、清左衛門に理不尽な言いがかりが同僚立花右近からあったのだ。
清左衛門は右近の言いがかりを相手にせず、
無視したのであった。
そして、松平定信に対して、隠居願いを提出したのであった。
「おぬし、本当にそれで良いのだな」
「拙者、一向に構いません」
「分かった。好きにするがよい」
こうして、清左衛門は隠居生活に入ったのである。
石榴(ざくろ)の月~愛され求められ奪われて~
めぐみ
歴史・時代
お民は江戸は町外れ徳平店(とくべいだな)に夫源治と二人暮らし。
源治はお民より年下で、お民は再婚である。前の亭主との間には一人息子がいたが、川に落ちて夭折してしまった。その後、どれだけ望んでも、子どもは授からなかった。
長屋暮らしは慎ましいものだが、お民は夫に愛されて、女としても満ち足りた日々を過ごしている。
そんなある日、徳平店が近々、取り壊されるという話が持ちあがる。徳平店の土地をもっているのは大身旗本の石澤嘉門(いしざわかもん)だ。その嘉門、実はお民をふとしたことから見初め、お民を期間限定の側室として差し出すなら、長屋取り壊しの話も考え直しても良いという。
明らかにお民を手に入れんがための策略、しかし、お民は長屋に住む皆のことを考えて、殿様の取引に応じるのだった。
〝行くな!〟と懸命に止める夫に哀しく微笑み、〝約束の1年が過ぎたから、きっとお前さんの元に帰ってくるよ〟と残して―。
【完結】ふたつ星、輝いて 〜あやし兄弟と町娘の江戸捕物抄〜
上杉
歴史・時代
■歴史小説大賞奨励賞受賞しました!■
おりんは江戸のとある武家屋敷で下女として働く14歳の少女。ある日、突然屋敷で母の急死を告げられ、自分が花街へ売られることを知った彼女はその場から逃げだした。
母は殺されたのかもしれない――そんな絶望のどん底にいたおりんに声をかけたのは、奉行所で同心として働く有島惣次郎だった。
今も刺客の手が迫る彼女を守るため、彼の屋敷で住み込みで働くことが決まる。そこで彼の兄――有島清之進とともに生活を始めるのだが、病弱という噂とはかけ離れた腕っぷしのよさに、おりんは驚きを隠せない。
そうしてともに生活しながら少しづつ心を開いていった――その矢先のことだった。
母の命を奪った犯人が発覚すると同時に、何故か兄清之進に凶刃が迫り――。
とある秘密を抱えた兄弟と町娘おりんの紡ぐ江戸捕物抄です!お楽しみください!
※フィクションです。
※周辺の歴史事件などは、史実を踏んでいます。
皆さまご評価頂きありがとうございました。大変嬉しいです!
今後も精進してまいります!
焔と華 ―信長と帰蝶の恋―
幸
歴史・時代
うつけと呼ばれた男――織田信長。
政略の華とされた女――帰蝶(濃姫)。
冷えた政略結婚から始まったふたりの関係は、やがて本物の愛へと変わっていく。
戦乱の世を駆け抜けた「焔」と「華」の、儚くも燃え上がる恋の物語。
※全編チャットGPTにて生成しています
加筆修正しています
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる