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啓春花
第七話
第七話
「顧大哥っ…師兄は…?!」
「荘涛、落ち着くのだ。おそらく精神に干渉する攻撃だ。触れると伝染する…荘涛、守護の陣は使えるか?」
冷静な秋霖の声に、荘涛は腕を戻して力強く頷いた。
「やれます…!」
「ここで彼女達と沈奕を守ってくれ。私は元凶の鬼を探しに行く」
「わ、分かりました!」
荘涛は剣に霊力を通して陣を踏み、沈奕たちが横たわる前にあぐらをかいて座った。彼らを包むように円形の守護陣が完成する。だが、修行中の身である荘涛では、長くは持たないだろう。秋霖は意を決して鬼の名を呼んだ。
「虓屠」
「…やっと出番か」
秋霖の背後から颯爽と現れた鬼の姿に、荘涛はぽかんと口を開いた。昨夜、于家に現れたあの深鬼そのものだった。
「なっ…なっ?! 大哥! 大哥!」
「…安心してくれ、これは害をなさない。おそらくは」
「おそらく?! こいつは昨日の鬼では…?! 顧大哥! これは一体どういう?! 大丈夫なのですか?! まっまさか操られて…」
信頼していた秋霖が鬼を連れていたという事実に、荘涛は涙目で震えていた。秋霖は少し困ったように眉を下げる。元々口下手なうえ、切迫した今の状況では事情を説明する暇もなかった。
「虓屠、荘涛を守る手助けを」
「構わないが…あんたはどうするんだ」
「私は一人で構わない」
「ここは霊気が遮断されてる。主であるあんたを、一人で行かせられないだろ」
秋霖は虓屠に詰め寄り、声を潜めて低く告げた。
「…いいか、荘涛を死なせればお前も命は無いと思え。どこへ逃げようとも必ず探し出して報いを受けさせる。それと、人間の前で私を天吏と呼ぶな」
秋霖の気迫に、虓屠は一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐににたりと笑い、牙を覗かせた。
「承知した」
虓屠は荘涛に近づくと、彼の前にしゃがみ込んだ。骨の装飾品がカラカラと揺れ、不気味な音を立てている。
「…いいかガキ。この反転結界は外部から霊気を遮断し、精神に干渉する。動けなくなったところをあの屍人が襲うって寸法だ。戦いが長引けば霊力が尽きてジリ貧になる」
「お前に言われなくても分かっている!!!」
「何があってもここから動くなよ」
荘涛は不気味な獣骨面の鬼を睨みつけた。だが、虓屠は気にも留めず、荘涛の張った守護陣に手を翳した。
「――転換」
荘涛の守護陣の上に重なるように虓屠の鬼気が包んでいく。二重に貼られた守護陣の地面から髑髏兵がにょきにょきと現れ、陣の周囲を取り囲む。
虓屠が持つ百骨兵たちだ。
「わっわああああ!!」
驚きのあまり陣が崩れそうになったが、荘涛は慌てて持ち直した。百骨兵たちは、襲いくる屍人を相手に戦い、荘涛の守護陣を守っている。
「俺の反転結界をこのガキの周りにだけ展開させた。誰かの反転結界の中に転換して結界を作るなんて芸当は鬼にしかできないんだから、俺のありがたみが分かったか?」
虓屠は秋霖の方へ向き直った。
「俺自身はあんたについていく。これで構わんだろう?」
「顧大哥~~!」
「……荘涛、しばらく耐えてくれ」
子犬のように秋霖を見つめる荘涛に背を向け、秋霖は静かに先へと向かっていった。
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