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転入生
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「山田花子です!みんな仲良くしてねー!」
私立中桜高等学校に嵐がやって来た。
山田花子(やまだはなこ)、16歳。好きな食べ物は肉。嫌いな食べ物は野菜。特にピーマン。スポーツ万能。勉強は無理!
「花子ちゃん、私小日向 光(こひなた あかり)。宜しくね」
隣の席の女の子が手を差し出してきた。
「おう、宜しく!」
「花子ちゃんって、男らしいっていうか、何かたくましいね。髪もショートだし」
「よく言われるー」
「中学はどこの高校だったの?」
「東桜(とうおう)中学だよ」
「そうなんだ」
「そうそう!名前さ、あかりって呼んでいい?」
「もちろん」
「あかり、これからどんどん出しゃばってくから宜しく!」
「出しゃばる?ふふっ、花子ちゃん面白い」
あかりは口に手を当てて可愛らしく笑った。
「へへっ、面白いって言われるとやっぱ嬉しいわー」
「そうなの?」
「おう!一番の褒め言葉だよ!ウチ、人の笑った顔が一番好きだからさ!」
「それは素敵だね」
「だよね!」
「あ、でも、ちょっとここ特殊っていうか、校則以外にもルールがあるみたいだから気をつけた方がいいよ」
「ルール?」
「うん。『クインテット』って言ってね、中桜区の中でも最強と呼ばれてる5人組がいるの。その『クインテット』が決めたルールを破ると即刻退学処分になっちゃうんだって」
「え!?何それ!?どんなルール!?」
「一つ、喧嘩をしない
二つ、問題を起こさない
三つ、事件、事故に巻き込まれたらす
ぐに報告する
四つ、武器になるものを持たない
五つ、クインテットを詮索しない
六つ、クインテットに関わらない」
「何それー。最後の二つはよくわかんないけど、最初の方は普通じゃん」
「あれ、花子ちゃん知らなかった?中桜区じゃ喧嘩や事件は日常茶飯事だし、武器は持ってない人の方が少ないんだよ。身を守る為にも必要だしね」
「え!?マジで!?どうしよう!何にも持ってないよ!」
「いや、持ってたら退学になっちゃうよ」
「そっか!でもじゃあ帰り道とかどうしてんの!?武器持ってないと危ないんだよね!?」
「大丈夫だよ。クインテットの人達がそれぞれ通学路で朝と帰りに見回りしてくれてるみたいだから」
「そんなんで大丈夫なの!?」
「中桜区じゃちょっとした有名人だからね」
「有名人?」
「うん。喧嘩売ってきたヤンキー100人を半殺しにしたとか、ヤクザを血祭りにあげたとか」
「えげつないな」
「そのせいか怖がって誰も近づかないんだよね」
「へぇ」
「だから目立ちすぎると目つけられちゃうかもしれないし、気をつけた方がいいかも」
「それは確かに…教えてくれてありがとう!いやぁ、危うく目つけられるとこだったよ!」
「何する気だったの?」
「何もしないよー!あはは」
内心ドキッとしながら笑って誤魔化す。
私立中桜高等学校に嵐がやって来た。
山田花子(やまだはなこ)、16歳。好きな食べ物は肉。嫌いな食べ物は野菜。特にピーマン。スポーツ万能。勉強は無理!
「花子ちゃん、私小日向 光(こひなた あかり)。宜しくね」
隣の席の女の子が手を差し出してきた。
「おう、宜しく!」
「花子ちゃんって、男らしいっていうか、何かたくましいね。髪もショートだし」
「よく言われるー」
「中学はどこの高校だったの?」
「東桜(とうおう)中学だよ」
「そうなんだ」
「そうそう!名前さ、あかりって呼んでいい?」
「もちろん」
「あかり、これからどんどん出しゃばってくから宜しく!」
「出しゃばる?ふふっ、花子ちゃん面白い」
あかりは口に手を当てて可愛らしく笑った。
「へへっ、面白いって言われるとやっぱ嬉しいわー」
「そうなの?」
「おう!一番の褒め言葉だよ!ウチ、人の笑った顔が一番好きだからさ!」
「それは素敵だね」
「だよね!」
「あ、でも、ちょっとここ特殊っていうか、校則以外にもルールがあるみたいだから気をつけた方がいいよ」
「ルール?」
「うん。『クインテット』って言ってね、中桜区の中でも最強と呼ばれてる5人組がいるの。その『クインテット』が決めたルールを破ると即刻退学処分になっちゃうんだって」
「え!?何それ!?どんなルール!?」
「一つ、喧嘩をしない
二つ、問題を起こさない
三つ、事件、事故に巻き込まれたらす
ぐに報告する
四つ、武器になるものを持たない
五つ、クインテットを詮索しない
六つ、クインテットに関わらない」
「何それー。最後の二つはよくわかんないけど、最初の方は普通じゃん」
「あれ、花子ちゃん知らなかった?中桜区じゃ喧嘩や事件は日常茶飯事だし、武器は持ってない人の方が少ないんだよ。身を守る為にも必要だしね」
「え!?マジで!?どうしよう!何にも持ってないよ!」
「いや、持ってたら退学になっちゃうよ」
「そっか!でもじゃあ帰り道とかどうしてんの!?武器持ってないと危ないんだよね!?」
「大丈夫だよ。クインテットの人達がそれぞれ通学路で朝と帰りに見回りしてくれてるみたいだから」
「そんなんで大丈夫なの!?」
「中桜区じゃちょっとした有名人だからね」
「有名人?」
「うん。喧嘩売ってきたヤンキー100人を半殺しにしたとか、ヤクザを血祭りにあげたとか」
「えげつないな」
「そのせいか怖がって誰も近づかないんだよね」
「へぇ」
「だから目立ちすぎると目つけられちゃうかもしれないし、気をつけた方がいいかも」
「それは確かに…教えてくれてありがとう!いやぁ、危うく目つけられるとこだったよ!」
「何する気だったの?」
「何もしないよー!あはは」
内心ドキッとしながら笑って誤魔化す。
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