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悲劇の始まり(一条 飛春視点)
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花子が脱走して数十分後。
あちこちで聞こえる爆発音に悲鳴や誘導の声。
数時間程前に同時多発してから対処はしているものの、範囲が広くて全てを解決するには人手が足りない。
「状況はどうなってる」
「はい。周辺の火事は消防隊と協力し消化活動を続けていますが、まだまだ追いついていない状況です。怪我人も多く、付近の病院はもう手の空いているスタッフがいません。なのでこちらで症状を見て軽傷者と重傷者を分け、病院に送る患者を限定し、その他の患者はこちらで対処しています。強盗が立て籠っている銀行や飲食店は要求が多過ぎて対処が追いつきません。人質の人数把握にも時間がかかっています」
「そうか。東や西の消防隊や警察にも声をかけろ。負担が大き過ぎると桜組の戦力が削られる。家族を失う訳にはいかねぇ」
「かしこまりました」
「叶真達はどうだ?」
「はい。それぞれ消防隊の指示に従い、救助活動を行っています」
「そうか」
「本当に宜しかったのですか?」
「ああ。これは社会勉強だ。桜組の件には巻き込まねぇよ」
「はい」
「あいつらには選択出来る未来があるからな」
「はい」
「翠はこのまま続けて周りの状況を把握し、指示を出しながら桜組の奴らに伝えろ」
「かしこまりました」
辺りの状況を見て何故か少し寒気がした。
嫌な予感がしやがる。黒薔薇組にしちゃいつもとやり方が違う。考え過ぎで終わってくれりゃいいが。
とりあえず近くの強盗の動きを確認する。
どこも3人~4人で銃を所持している。人質はコンビニが従業員2人~3人と客が数人。銀行や飲食店もだいたいそんな感じだが、客が多い所は人質もそれなりにいるな。
しかしこれだけ色んな所で強盗にあってる割には警察の到着が早い。誰かに警察を呼ぶよう指示でもされたか。
強盗もまだ人質に手をかける様子がない。要求の為か?それとも警察の意識を集中させる為?だが、1人くらい殺ったところで他にも人質はいるし、むしろ脅迫にはそちらの方が効果的だろう。もしも警察の意識を強盗に集中させる為に時間稼ぎをするよう支持されていたとしたら……
だとすれば黒薔薇組の狙いは桜組じゃなく、"桜組の意識を火事や強盗に向け、そちらに人員を割かせる事"か。
既に桜組は消防、救急、警察に手を貸して他に回す余裕がねぇ。翠は情報役としてあちこち動き回っているし、蓮は建物に取り残された者の救助で他に回せねぇ。遥人と彰人には屋敷を守って貰わなきゃいけねぇ。
だが屋敷が攻撃される気配は無い。翠の情報では屋敷を囲むように広い範囲で敵が動いているが、南桜区や北桜区まで被害は広がっていない。黒薔薇組の目的は確実に桜組だ。だが、そいつらを"操ってる奴"がいるとして、そいつの目的は桜組じゃねぇ。一体何が目的だ?
すると、
バンバンバンバン!
あちこちで銃声が鳴る。
「!?」
動きのなかった強盗がほぼ同時に発砲したのだ。
急いで銀行の中に目をやると、そこには、想像もしていなかった光景が広がり、同時に殺伐とした気持ちの悪さを感じた。
"お前"はいつもそうだ。
芯から湧き上がってくる怒りが俺の手を強く握らせる。
あちこちで聞こえる爆発音に悲鳴や誘導の声。
数時間程前に同時多発してから対処はしているものの、範囲が広くて全てを解決するには人手が足りない。
「状況はどうなってる」
「はい。周辺の火事は消防隊と協力し消化活動を続けていますが、まだまだ追いついていない状況です。怪我人も多く、付近の病院はもう手の空いているスタッフがいません。なのでこちらで症状を見て軽傷者と重傷者を分け、病院に送る患者を限定し、その他の患者はこちらで対処しています。強盗が立て籠っている銀行や飲食店は要求が多過ぎて対処が追いつきません。人質の人数把握にも時間がかかっています」
「そうか。東や西の消防隊や警察にも声をかけろ。負担が大き過ぎると桜組の戦力が削られる。家族を失う訳にはいかねぇ」
「かしこまりました」
「叶真達はどうだ?」
「はい。それぞれ消防隊の指示に従い、救助活動を行っています」
「そうか」
「本当に宜しかったのですか?」
「ああ。これは社会勉強だ。桜組の件には巻き込まねぇよ」
「はい」
「あいつらには選択出来る未来があるからな」
「はい」
「翠はこのまま続けて周りの状況を把握し、指示を出しながら桜組の奴らに伝えろ」
「かしこまりました」
辺りの状況を見て何故か少し寒気がした。
嫌な予感がしやがる。黒薔薇組にしちゃいつもとやり方が違う。考え過ぎで終わってくれりゃいいが。
とりあえず近くの強盗の動きを確認する。
どこも3人~4人で銃を所持している。人質はコンビニが従業員2人~3人と客が数人。銀行や飲食店もだいたいそんな感じだが、客が多い所は人質もそれなりにいるな。
しかしこれだけ色んな所で強盗にあってる割には警察の到着が早い。誰かに警察を呼ぶよう指示でもされたか。
強盗もまだ人質に手をかける様子がない。要求の為か?それとも警察の意識を集中させる為?だが、1人くらい殺ったところで他にも人質はいるし、むしろ脅迫にはそちらの方が効果的だろう。もしも警察の意識を強盗に集中させる為に時間稼ぎをするよう支持されていたとしたら……
だとすれば黒薔薇組の狙いは桜組じゃなく、"桜組の意識を火事や強盗に向け、そちらに人員を割かせる事"か。
既に桜組は消防、救急、警察に手を貸して他に回す余裕がねぇ。翠は情報役としてあちこち動き回っているし、蓮は建物に取り残された者の救助で他に回せねぇ。遥人と彰人には屋敷を守って貰わなきゃいけねぇ。
だが屋敷が攻撃される気配は無い。翠の情報では屋敷を囲むように広い範囲で敵が動いているが、南桜区や北桜区まで被害は広がっていない。黒薔薇組の目的は確実に桜組だ。だが、そいつらを"操ってる奴"がいるとして、そいつの目的は桜組じゃねぇ。一体何が目的だ?
すると、
バンバンバンバン!
あちこちで銃声が鳴る。
「!?」
動きのなかった強盗がほぼ同時に発砲したのだ。
急いで銀行の中に目をやると、そこには、想像もしていなかった光景が広がり、同時に殺伐とした気持ちの悪さを感じた。
"お前"はいつもそうだ。
芯から湧き上がってくる怒りが俺の手を強く握らせる。
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