泥の上のプリーツスカート

yoshieeesan

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1章

3章

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ドドーン。海とは反対側の洞窟の向こう側から轟音が響く。轟音の大きさに二人は身震いをする。洞窟が崩落したとなるとうかつには動けない。彼は携帯から連絡をしようとしたが電波がつながらなかった。「とりあえず、動かないでここにいよう。」彼は、洞窟が崩落してる可能性を考えじっとしていた。彼女は投げ出した足を組んで、両手で小刻みに太ももの内側から下腹部をさすった。泥で染みたスカートと、下着が彼女の下腹部を冷やしていった。「お手洗いに行きたい。」彼女はうつむいた。「えっ。大丈夫?」彼は彼女に目をやる。その時彼女は股を抑えていた手を放す。「大丈夫」。そんな彼女の額には夏の暑さでかいた汗とは違い、冷汗が流れる。彼は彼女の表情から限界に近いのではないかと感じた。「ちょっと、洞窟大丈夫か見てくる。」彼はそう言い残すと、スマホのライトを当てながら洞窟の中の安全を確認した。洞窟内部が安全であることを確認し、彼女を洞窟内部から呼んだ。彼女は緑茶を摂取しすぎたことを後悔した。この一時間でペットボトル500mlを1.5本分は飲んでいた。洞窟内部をしゃがみながら進むが、彼女にとって腹圧が上がり、より尿意が切迫していった。左手でスカートが汚れないようにスカートを太ももに抑えて、右手は股の辺りを強く握る。彼女は最初、転んだ水たまりを見つめて立ち止まった。「ここで転んだふりをして出してしまってもいいんじゃないか」そんな考えがわいた。彼女はふと我に返った。そのまま水たまりの横を通り、洞窟を抜けた。洞窟の外側では彼が待っていた。彼女に手を差し伸べた。彼女はその手を握り立ち上がる。一体どこが崩れたのか。二人にはまだわからなかった。
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