おんせんめぐり!

黒飛清兎

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10話 銀行

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  街に繰り出した僕達は早速お金を探し始めた。

  とはいえ僕は目が見えないので力にはなれない…………事もなかった。

  実はみんなの目とは違って僕は物をシルエットで捉えているため、ホコリを被っていたりしてもお金が落ちていたりしたら何となくで分かる。

  だから僕は疲れない程度に周りをちらちら見て回っていた。

  ただ、1つ問題があった。


「ねぇ、よく考えたら僕お金がどんなものか分かんないんだけど…………。」


  そう、僕はお金のシルエットがまず分からないのだ。


「あ、そっか、えっとね、お金はこう丸っこくて平べったいもので…………うーん、説明難しいなぁ……。」

「メグ、こんなのだぞ、見てみて!」


  アニに促され僕はアニの手に握られていた物を見た。

  アニの手には僕の親指よりも一回り大きな薄っぺらい円形の物が握られていた。

  ほえー、これがお金というものなのか…………。

  思ったよりも小さいんだね。

  これで本当に温泉に入れるのかな…………?


「うーん、それは一円玉だから、他のお金はもうちょっと大きいからね!」

「へー、まぁ、とりあえずそんな感じのやつを探せば良いんだね?」

「うん、そうだよ!」


  それじゃあ僕もがんばって探すしかないね。

  今まで散々迷惑をかけてきている訳だし、出来る限りのことはしたい。

  僕は頑張って周りを見渡す。

  そうすると、今までとは周りの様子が違う事に気がついた。

  ここら辺の地面は前までのでこぼこの地面とは違い妙に角張っていて、その上に何かよく分からないものがたくさん散らばっていた。

  そして、周りには今まで見てきた木とは違う大きくて角張った石のようなものが沢山あった。

  不思議に思いるかに聞いてみるが、ルカは一言、


「うーん、街だからね。」


  と、だけ僕に教えてそんな事よりもお金探しをしようと言った。

  僕も街っていうのはそういうものなんだと思う事にしてそれ以上深くは聞かなかった。


「それにしてもお金見つかんないな…………。」


  かなりの時間お金を探し続けたが一向にお金が増える様子は無かった。

  現在僕たちが持っているのはアニが最初に見つけた一円玉を合わせて224円分だ.

  これじゃあ目標金額の2200円には遠く及ばない。


「いっその事お札が手に入ればいいんだけどね…………まぁ、もうお札なんて残ってないだろうけどさ。」

「…………いや、そうでも無いかも知れないよー。」


  サナはそういうとどこかを指さした。


「あれってもしかして…………。」

「うん、だねー。」

「「銀行?」」


  どうやらアニと僕は分かっていないようだった。


「えっと銀行は、んーと、お金がいっぱいあるところだよ!」

「え!? じゃあそこ行けば全部解決じゃん!」


  僕はそんな夢のようなところがある事にびっくりしてしまった。

  そんな所があるなら最初からそこへ行けば良かったじゃないかと思ってしまうが、どうやらそう簡単な話でもないらしい。


「んー、けど、銀行によってはさっきの温泉の時みたいにおまわりさんを呼ばれちゃうんだよね。今回の街の感じから見て多分大丈夫だと思うんだけど…………。」

「危険な事には変わりないねー。」

「そっ、そうなのか!?」

「うぅ、それならダメだね…………。」


  じゃあやっぱりさっきみたいに地道にお金を探していくしかないか…………。

  今の金額を集めるだけでも結構時間掛かったのに、その役10倍程の量を集めるなんて…………。

  それならもう今回は諦めた方が早いかもしれないけれど、もしかしたら今回の温泉が病気を治す温泉なのかもしれないし調べてみなければいけない。

  面倒くさいけど集めるしかないみたいだね…………。


「んー、私思ったんだけどさ、やっぱりお金は持っていた方が良いよね、何かと使えるしここで手に入れられるなら手に入れて置いた方がいいと思うんだ。」

「けど、危険なんじゃないの?」

「ふふふ、私にいい案があるんだよ!」


  ルカは僕たちの耳元に口をちかづけコソコソとその案を教えてくれた。


「えー? それ本当に上手くいくのー?」 


  ルカの案はとても突拍子の無いものだった。

  僕ははっきり言って無理だと思ったが、ルカのその自信満々な様子を見てもしかして行けるかもと思ってしまう。


「まぁ、上手くいかなかったらまた別の案を考えればいいし、大丈夫だよ!」

「まぁ、そうだけどさ、危険になる訳じゃないからまぁ、良いけどさ…………。」


  僕は不安でならなかったが、それよりもいい案を思いつく事ができない。


「じゃあみんなもそれで大丈夫?」

「う、うん。」

「もうそれしかないんじゃないかなー?」


  アニとサナも明らかに不安そうだ。

  しかし、それ以外に案を思いついた訳でも無いようで仕方が無くと言った感じでルカの案に乗るようだ。


「よぉし、じゃあとりあえず戻ろうか!」

「…………うん。」


  みんないけないと思っているからか返事の声のトーンは少し低いが、そんなのお構い無しにルカは僕を抱えて進んでいく。

  そうして僕達はこの前逃げ出した温泉宿へとまた帰るのだった。
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