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第二章
⑩ハリー公爵家嫡子ゼオドアの結婚
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ハリー公爵家の次女ローズが姉のヘレン(当時王太子妃)を毒殺しようとしてから7年が経っていた。
19歳で事件を起こしてそれ以来ずっと地下牢生活を送っていたローズは、トムスとの仲を深め、今も変わらずトムスはローズの元へ通っている。
自由のない付き合いではあったが、幸せにしていた二人に、嬉しい知らせが飛び込んで来る。
「ローズ!ローズ!」
トムスが叫びながら地下牢に向かって走って来た。
ローズはすぐに鉄格子のところへ行ってトムスを待つ。
「トムス!」
「あぁ、ローズ、喜べ、ここから出られるぞ」
あまりにも予想外の言葉に絶句するローズだったが、すぐに言葉を絞り出す。
「本当に?本当なの?」
「ああ」
鉄格子の間から互いに顔を近づけキスをする二人。
「恩赦が発令された」
「恩赦?」
「父上と母上が隠居することになって、弟夫婦がそれぞれ国王と王妃になった」
「エドファア様とクリスティ様が?」
「ああ、そして……そして……」
涙ぐみ始めたトムスにローズが尋ねる。
「どうしたの?トムス」
「結婚を許された」
口を両手で抑えて涙を流すローズにトムスが言った。
「だけど城を出られるわけじゃないんだ」
「……」
「城内の一角に平屋の一軒家を建てて、そこで暮らすことになる。ローズ、城の外に出たかっただろう?」
「……地下牢にいることを思えば全然素晴らしいことですわ」
「それはそうだが……」
「トムス、私のやったことはそれほど重罪だったと言うこと」
「……」
「王太子妃を殺そうとしたことは王族に刃を向けたも同然なのよ」
「ローズ……すっかり大人になったな」
そして、城内の一軒家に住んで二年後、待望の男の子が生まれる。
名前はゼオドア。ローズ28歳の時の子供であった。
一方ヘレンは平民の子供を集めて学習塾を開いていた。
元王太子妃が教えてくれると評判になって、その上、勉強の教え方も上手だと言うことで、とても繁盛していた。
「ねえ、マリー」
「なんですか?ヘレン様」
「学校を作ろうと思うんだけど、どう思う?」
「学校ですか?いいと思いますよ」
「じゃあ、やってみようかしら。でも忙しくなるわよ?マリー、いいの?」
「もちろんです」
月日は流れ、ハリー公爵家嫡子ゼオドアは18歳になっていた。
ゼオドアは、お祖父様であるウイリアム・ハリー公爵に、生まれてすぐのときにトムス夫婦から引き取られた。
そのゼオドアのもとには、縁談の申し込みが絶え間なく公爵家に届いている。
ゼオドアは候補となる3人のご令嬢から、妻となる人を選ぶように、祖父であり、現当主でもあるウイリアム・ハリー公爵から、1ヶ月以内に決めて欲しいと言われた。
候補になるご令嬢3人は、姉妹なのである。
3人共、ボスウェル伯爵家の娘であった。
長女エマ20歳
次女ミア18歳
三女ルナ16歳
この3姉妹が今、ゼオドアの目の前にいる。
丸テーブルを囲んで3対1のお見合いである。
長女エマがゼオドアに尋ねる。
「ゼオドア様、いかがですか?この3人の中にお気に召す者がおりましたでしょうか?」
次女ミアはやる気のない、気だるい感じでゼオドアに話しかける。
「ゼオドア様、選びやすくしてあげる。私を候補から外して。そうすればエマお姉様か、妹のルナの二人の内どちらかを選べばいいだけなんだから、楽でしょ?選ぶの」
三女ルナは若干きつい口調で話す。
「ミアお姉様、その言い方はゼオドア様に失礼ですわよ」
「えー、どこが?そもそもなんで男一人対女三人なのよ、バカにしてると思わないの?」
「それは……」口ごもるルナ。
ゼオドアが話し始める。
「最初にはっきりと申しあげます。この結婚は政略結婚です。政略結婚に愛など関係ありません」
静かにゼオドアの話に耳を傾ける三姉妹。
「貴方がたのお父上であるボッズ・ボスウェル伯爵にすれば三姉妹の内、どなたが選ばれても構わないのです」
「こちらも同じです。ハリー公爵家にとっても三姉妹の内、誰を嫁に貰っても構いません」
「悲しいかな、私たちはお互いに家と家をつなぐための、ただの駒なんです」
「貴族同士の結婚なんてそんなものですよ」
「先ほど男一人対女三人は女をバカにしていると言っていませんでしたか?ミア様」
「私も可笑しいと思います。こちらは男一人なのに」
「ですから今から三人で一人に決めて下さい」
「私はその方と結婚します」
三女ルナが次女ミアを睨む。
「ミアお姉様が余計なことを言うから、ゼオドア様がへそを曲げられたじゃないですか」
謝るミア。「ごめん」
その言葉を聞いていたゼオドアが少しムッとして
「じゃあ私が指名します」
びっくりする三姉妹。
「その前に約束して下さい。私が指名をしたら必ず受けると。もし断ったらハリー公爵家とボスウェル伯爵家との縁組はなかったことにします。いいですね?」
頷く三姉妹。
ゼオドアが立ち上がって発表する。
「私は長女エマさんと結婚します」
「えええーーーーーっ」と声をあげる次女ミアと三女ルナ。
ゼオドアは心の中で苦笑していた。
三女ルナが驚くのはわかるが、次女ミアが驚くのがわからない。
次女ミアは自分を外してくれと言っていたのに……。
ゼオドアは長女エマに手を差し出した。
「宜しくお願いします。エマ」
「はい、こちらこそ宜しくお願いします」
ゼオドア18歳、エマ20歳の二人は1ヶ月後正式に結婚して、そのまま新婚旅行へと出発することになった。
ゼオドアがエマに決めたのは、エマが三人の中で一番真面目で、まともそうに見えたからである。
19歳で事件を起こしてそれ以来ずっと地下牢生活を送っていたローズは、トムスとの仲を深め、今も変わらずトムスはローズの元へ通っている。
自由のない付き合いではあったが、幸せにしていた二人に、嬉しい知らせが飛び込んで来る。
「ローズ!ローズ!」
トムスが叫びながら地下牢に向かって走って来た。
ローズはすぐに鉄格子のところへ行ってトムスを待つ。
「トムス!」
「あぁ、ローズ、喜べ、ここから出られるぞ」
あまりにも予想外の言葉に絶句するローズだったが、すぐに言葉を絞り出す。
「本当に?本当なの?」
「ああ」
鉄格子の間から互いに顔を近づけキスをする二人。
「恩赦が発令された」
「恩赦?」
「父上と母上が隠居することになって、弟夫婦がそれぞれ国王と王妃になった」
「エドファア様とクリスティ様が?」
「ああ、そして……そして……」
涙ぐみ始めたトムスにローズが尋ねる。
「どうしたの?トムス」
「結婚を許された」
口を両手で抑えて涙を流すローズにトムスが言った。
「だけど城を出られるわけじゃないんだ」
「……」
「城内の一角に平屋の一軒家を建てて、そこで暮らすことになる。ローズ、城の外に出たかっただろう?」
「……地下牢にいることを思えば全然素晴らしいことですわ」
「それはそうだが……」
「トムス、私のやったことはそれほど重罪だったと言うこと」
「……」
「王太子妃を殺そうとしたことは王族に刃を向けたも同然なのよ」
「ローズ……すっかり大人になったな」
そして、城内の一軒家に住んで二年後、待望の男の子が生まれる。
名前はゼオドア。ローズ28歳の時の子供であった。
一方ヘレンは平民の子供を集めて学習塾を開いていた。
元王太子妃が教えてくれると評判になって、その上、勉強の教え方も上手だと言うことで、とても繁盛していた。
「ねえ、マリー」
「なんですか?ヘレン様」
「学校を作ろうと思うんだけど、どう思う?」
「学校ですか?いいと思いますよ」
「じゃあ、やってみようかしら。でも忙しくなるわよ?マリー、いいの?」
「もちろんです」
月日は流れ、ハリー公爵家嫡子ゼオドアは18歳になっていた。
ゼオドアは、お祖父様であるウイリアム・ハリー公爵に、生まれてすぐのときにトムス夫婦から引き取られた。
そのゼオドアのもとには、縁談の申し込みが絶え間なく公爵家に届いている。
ゼオドアは候補となる3人のご令嬢から、妻となる人を選ぶように、祖父であり、現当主でもあるウイリアム・ハリー公爵から、1ヶ月以内に決めて欲しいと言われた。
候補になるご令嬢3人は、姉妹なのである。
3人共、ボスウェル伯爵家の娘であった。
長女エマ20歳
次女ミア18歳
三女ルナ16歳
この3姉妹が今、ゼオドアの目の前にいる。
丸テーブルを囲んで3対1のお見合いである。
長女エマがゼオドアに尋ねる。
「ゼオドア様、いかがですか?この3人の中にお気に召す者がおりましたでしょうか?」
次女ミアはやる気のない、気だるい感じでゼオドアに話しかける。
「ゼオドア様、選びやすくしてあげる。私を候補から外して。そうすればエマお姉様か、妹のルナの二人の内どちらかを選べばいいだけなんだから、楽でしょ?選ぶの」
三女ルナは若干きつい口調で話す。
「ミアお姉様、その言い方はゼオドア様に失礼ですわよ」
「えー、どこが?そもそもなんで男一人対女三人なのよ、バカにしてると思わないの?」
「それは……」口ごもるルナ。
ゼオドアが話し始める。
「最初にはっきりと申しあげます。この結婚は政略結婚です。政略結婚に愛など関係ありません」
静かにゼオドアの話に耳を傾ける三姉妹。
「貴方がたのお父上であるボッズ・ボスウェル伯爵にすれば三姉妹の内、どなたが選ばれても構わないのです」
「こちらも同じです。ハリー公爵家にとっても三姉妹の内、誰を嫁に貰っても構いません」
「悲しいかな、私たちはお互いに家と家をつなぐための、ただの駒なんです」
「貴族同士の結婚なんてそんなものですよ」
「先ほど男一人対女三人は女をバカにしていると言っていませんでしたか?ミア様」
「私も可笑しいと思います。こちらは男一人なのに」
「ですから今から三人で一人に決めて下さい」
「私はその方と結婚します」
三女ルナが次女ミアを睨む。
「ミアお姉様が余計なことを言うから、ゼオドア様がへそを曲げられたじゃないですか」
謝るミア。「ごめん」
その言葉を聞いていたゼオドアが少しムッとして
「じゃあ私が指名します」
びっくりする三姉妹。
「その前に約束して下さい。私が指名をしたら必ず受けると。もし断ったらハリー公爵家とボスウェル伯爵家との縁組はなかったことにします。いいですね?」
頷く三姉妹。
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「私は長女エマさんと結婚します」
「えええーーーーーっ」と声をあげる次女ミアと三女ルナ。
ゼオドアは心の中で苦笑していた。
三女ルナが驚くのはわかるが、次女ミアが驚くのがわからない。
次女ミアは自分を外してくれと言っていたのに……。
ゼオドアは長女エマに手を差し出した。
「宜しくお願いします。エマ」
「はい、こちらこそ宜しくお願いします」
ゼオドア18歳、エマ20歳の二人は1ヶ月後正式に結婚して、そのまま新婚旅行へと出発することになった。
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