《完結》伯爵令嬢は怨霊になり、復讐を果たす。ーーしかし彼女を裏切った男は、怨霊よりも恐ろしい妻に出会う。

ぜらちん黒糖

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第二章

⑫デビンの窮状

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応接室にコールが現れた。
「やぁ、いらっしゃい」

ほっとした顔を見せるデビン。
「会いたかったコール」
コールはデビンのその言葉に言い知れぬ不安を感じた。

「どうしたんだデビン、何かあったのか?」

コールとデビンはキャサリンの視線を感じて普通の会話に戻す。

「何もないさ、ただ懐かしくなって……お前の顔を見たら思わず熱いものが胸からこみ上げてきただけさ」

「デビン、気持ち悪いこと言うなよ」

「あははは」デビンが泣き笑いのような恥ずかしそうな声で笑う。
「気持ち悪いだなんてひどい言い方するなよぉ」

コールがすぐにデビンの後ろに立つキャサリンに挨拶をした。

「お久しぶりです、キャサリン様」

「こちらこそ、コールさん」

「まあ座ってください」

パトリシアがコールの分のコーヒーを持ってきた。「ありがとうパトリシア」

「それで今日は何の用かなデビン」

「実はお前に占いをやってもらおうと思って」
「占い?」
デビンはパトリシアとキャサリンに背を向けて必死でコールにウインクする。

「あ、あー、占いってあれのことか?」
「そう、それ!早速で悪いんだがすぐにでも占ってほしいんだ」
「じゃあ私の部屋に行こう」
「分かった」

その時、キャサリンが口を挟む。
「ねえあなた、何を占ってもらうの?」
デビンがほんの少し頬を引きつらせながら話を繕う。

「私たち夫婦が、末永く、幸せに、暮らせるかどうか、を占って欲しいんだよ」
キャサリンの顔がほころぶ。
「まぁ、それなら私も一緒に占ってほしいわ」

また必死でデビンがコールにウインクする。
「キャサリン様、この占いは1対1でないと占えないのです。それに占わなくても結果は見えていますけどもね」
「え?」

「だってデビンにはこんなにお美しい奥様がいらっしゃるんですから」
「ま!コールさんはお口がお上手……」

「それでは奥様方二人は、夫には内緒の話でもして、花を咲かせていてください」

そう言ってコールはデビンを連れて部屋に入って行った。

部屋に入るとすぐにデビンは、コールの肩を掴んで助けを乞うた。

堰を切ったかのように話し始めるデビン。

新婚旅行から現在までの、妻キャサリンの状況を事細かに説明した。

黙って聞いていたコールはデビンに、もう一つ都合の悪い真実を伝えることにした。

「デビン、よく聞け。私の妻パトリシアにはグレイスが取り憑いているんだ」

「……」

言葉も出ないデビン。

「どっちにしろ、お前は早くこの家を出た方がいい。お前の女房殿がナイフを右手で握っているとすれば、私の妻パトリシアは左手にナイフを握ってお前の首を狙っているぞ」

膝から崩れ落ちるデビン。

「俺はどうすればいいんだ。自業自得なのは分かっている。だけどこの状況はあんまりだ」

「命があるだけでもありがたく思え、デビン」





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