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第二章
⑭仮面夫
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占いをすると言って部屋にこもったコールとデビン。
「なあ、コール。なんだか冷え込んできたんじゃないのか?」
「そうかもしれないな、この辺りはもともと気温は低いんだが、今日はいつもに比べるとさらに低く感じるな」
「恐ろしい女房たちが2人揃っているからな」
「こんな時によく冗談が言えたもんだ……待てよ、これは本当に妻たちのせいかもしれないぞ?」
「え?もう戻るのか?なんかもう少しここにいたいんだが…」
コールは苦笑いしながら部屋を出て行った。仕方なくデビンも後に続く。
応接室のドアを開けた瞬間、ひんやりとする空気が廊下に流れてきた。
そして床に伏せるようにパトリシアとキャサリンがに倒れていた。
コールの後ろから覗くデビン。
「あ、キャサリン!」
慌てて妻の元へ駆け寄ろうとしたがコールが止めた。
「待て、デビン!何かおかしい!」
まだ外は昼前なのに部屋の中は薄暗くなっていた。
床にうつ伏せに倒れていたパトリシアの背中から何かが浮き上がってきた。髪の毛が、頭が、肩がせり上がってくる。そしてついに全身が浮き上がりパトリシアの体からグレイスが飛び出してきた。
「ひぃ~~!」悲鳴を上げてコールの背中にしがみつくデビン。
だが恐ろしい現象はまだ終わっていなかった。倒れたキャサリンの背中から同じように何者かが浮かび上がってきた。
「どういうことだこれは」
コールが思わずそう呟いた時背中にしがみついていたデビンが声を上げる。
「あ、あれは……セレナ、セレナじゃないか!」
「知っているのかデビン!」
「わ、私の元カノだ。グレイスの前に付き合っていた女性だ」
睨み合うグレイスとセレナ。
グレイスが幽体セレナに話しかける。
「お前が私とデビン様を引き離したした張本人か!」
「そうよ。私はデビン様と結婚することになっていたのよ。それなのに流行り病で私は死んでしまうことになった。だけど私はデビン様を愛している。誰にも渡さない。お前なんかに渡してなるものか!」
セレナとグレイスが、互いの首を絞め始めた。
苦悶の表情を浮かべてセレナがぐったりとして床に倒れた。そしてその姿は徐々に薄くなり消えていった。
勝ち残ったグレイスはゆっくりとコールの方を振り向き、「コール、今までありがとう。私の恋愛成就を邪魔したこの女を始末したので私の心はやっと晴れた」
「グレイス、行ってしまうのか」
「ええ、復讐を果たした今、私がここに留まる理由はない」
グレイスの体も徐々に薄くなり、今まさに消え去ろうとしていた。
コールがグレイスに呼びかける。
「来世では絶対に私と思う存分、大恋愛をしような、グレイス」
「ええ、その時を待っているわ、コール……」
そしてグレイスも消え去った……。
慌てて各々の妻を介抱する二人。
「パトリシア、おい 、パトリシア」
パトリシアがゆっくりと目を開けた。
「あ、あなた、私どうしたのかな、急に気分が悪くなって倒れちゃった」
「そうみたいだな、今日はもういいからゆっくり休みなさい」
パトリシアの憑き物が取れたようなあの穏やかな表情、そして可愛らしい表情を見てデビンの心が期待で胸が膨らむ。
「おいキャサリン、キャサリンしっかりしろ!」
キャサリンがゆっくりと目を開ける。
「あ、あなた……なんだか私、急にめまいがして……」
「そうか、もう帰ろう。そして今日はゆっくり休もう、な、キャサリン」
そして キャサリンの眼差しにデビンが気がついた。妻は全然変わっていないことに……。
帰る寸前にコールに話しかけるデビン。
「なぁ、キャサリンにはまだセレナの霊が取り憑いているんじゃないのか?」
「いや、邪気は何も感じられない。多分あれが素のキャサリンだ」
「え……えーーーーーっ!」
その大きな声にキャサリンが振り向いて尋ねる、
「あなた何をそんなに大きな声で騒いでいるんですか?」
「なんでもないよ……キャサリン」
元気になったパトリシアとコールが馬車乗り場まで見送ってくれた。
パトリシアの最初に見た時とは全然違う変わりように、正直羨ましくて仕方のないデビンだった。
そんなキャサリンがデビンに釘を刺す。
「あなた、人妻に手を出すつもりじゃないでしょうね」
「あははは、そんなわけないだろう?」
デビンの目に、キャサリンの右手に折りたたみナイフが握られているのが映った。
デビンはまだ、他の霊体がキャサリンの体に入っているのではないかと、疑いたくなっていた。
「あなた、浮気をしないって信じてもいいのですね?」
「当たり前だ。(怖くてそんなことは)できるわけないだろ?素敵な妻がいるのに」
仮面夫婦ならぬ、仮面夫のデビンだった。
「なあ、コール。なんだか冷え込んできたんじゃないのか?」
「そうかもしれないな、この辺りはもともと気温は低いんだが、今日はいつもに比べるとさらに低く感じるな」
「恐ろしい女房たちが2人揃っているからな」
「こんな時によく冗談が言えたもんだ……待てよ、これは本当に妻たちのせいかもしれないぞ?」
「え?もう戻るのか?なんかもう少しここにいたいんだが…」
コールは苦笑いしながら部屋を出て行った。仕方なくデビンも後に続く。
応接室のドアを開けた瞬間、ひんやりとする空気が廊下に流れてきた。
そして床に伏せるようにパトリシアとキャサリンがに倒れていた。
コールの後ろから覗くデビン。
「あ、キャサリン!」
慌てて妻の元へ駆け寄ろうとしたがコールが止めた。
「待て、デビン!何かおかしい!」
まだ外は昼前なのに部屋の中は薄暗くなっていた。
床にうつ伏せに倒れていたパトリシアの背中から何かが浮き上がってきた。髪の毛が、頭が、肩がせり上がってくる。そしてついに全身が浮き上がりパトリシアの体からグレイスが飛び出してきた。
「ひぃ~~!」悲鳴を上げてコールの背中にしがみつくデビン。
だが恐ろしい現象はまだ終わっていなかった。倒れたキャサリンの背中から同じように何者かが浮かび上がってきた。
「どういうことだこれは」
コールが思わずそう呟いた時背中にしがみついていたデビンが声を上げる。
「あ、あれは……セレナ、セレナじゃないか!」
「知っているのかデビン!」
「わ、私の元カノだ。グレイスの前に付き合っていた女性だ」
睨み合うグレイスとセレナ。
グレイスが幽体セレナに話しかける。
「お前が私とデビン様を引き離したした張本人か!」
「そうよ。私はデビン様と結婚することになっていたのよ。それなのに流行り病で私は死んでしまうことになった。だけど私はデビン様を愛している。誰にも渡さない。お前なんかに渡してなるものか!」
セレナとグレイスが、互いの首を絞め始めた。
苦悶の表情を浮かべてセレナがぐったりとして床に倒れた。そしてその姿は徐々に薄くなり消えていった。
勝ち残ったグレイスはゆっくりとコールの方を振り向き、「コール、今までありがとう。私の恋愛成就を邪魔したこの女を始末したので私の心はやっと晴れた」
「グレイス、行ってしまうのか」
「ええ、復讐を果たした今、私がここに留まる理由はない」
グレイスの体も徐々に薄くなり、今まさに消え去ろうとしていた。
コールがグレイスに呼びかける。
「来世では絶対に私と思う存分、大恋愛をしような、グレイス」
「ええ、その時を待っているわ、コール……」
そしてグレイスも消え去った……。
慌てて各々の妻を介抱する二人。
「パトリシア、おい 、パトリシア」
パトリシアがゆっくりと目を開けた。
「あ、あなた、私どうしたのかな、急に気分が悪くなって倒れちゃった」
「そうみたいだな、今日はもういいからゆっくり休みなさい」
パトリシアの憑き物が取れたようなあの穏やかな表情、そして可愛らしい表情を見てデビンの心が期待で胸が膨らむ。
「おいキャサリン、キャサリンしっかりしろ!」
キャサリンがゆっくりと目を開ける。
「あ、あなた……なんだか私、急にめまいがして……」
「そうか、もう帰ろう。そして今日はゆっくり休もう、な、キャサリン」
そして キャサリンの眼差しにデビンが気がついた。妻は全然変わっていないことに……。
帰る寸前にコールに話しかけるデビン。
「なぁ、キャサリンにはまだセレナの霊が取り憑いているんじゃないのか?」
「いや、邪気は何も感じられない。多分あれが素のキャサリンだ」
「え……えーーーーーっ!」
その大きな声にキャサリンが振り向いて尋ねる、
「あなた何をそんなに大きな声で騒いでいるんですか?」
「なんでもないよ……キャサリン」
元気になったパトリシアとコールが馬車乗り場まで見送ってくれた。
パトリシアの最初に見た時とは全然違う変わりように、正直羨ましくて仕方のないデビンだった。
そんなキャサリンがデビンに釘を刺す。
「あなた、人妻に手を出すつもりじゃないでしょうね」
「あははは、そんなわけないだろう?」
デビンの目に、キャサリンの右手に折りたたみナイフが握られているのが映った。
デビンはまだ、他の霊体がキャサリンの体に入っているのではないかと、疑いたくなっていた。
「あなた、浮気をしないって信じてもいいのですね?」
「当たり前だ。(怖くてそんなことは)できるわけないだろ?素敵な妻がいるのに」
仮面夫婦ならぬ、仮面夫のデビンだった。
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