《完結》ありがとう神様!スキル【リセット】を使って異世界を生き抜きます!

ぜらちん黒糖

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㉕キュウ、戦場の悪魔と化す

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次々と戦場から戻って来たエルフの戦士たちに、魔法をかけて行くカオリン。そして戦場へ戻っていくエルフの戦士たち。全ての戦士に魔法をかけ終えたカオリンの頭には、2本の角が生えていた。

センフーが「お、おい、カオリン。角が生えているんだが……」

「ええ。サキュバスの姿に戻ってしまったわ。でも心配しないでセンフー。魔法を沢山使ったからサキュバスの本能まで蘇ってしまっただけ。そのうち元に戻るから」

「そう……それなら……いいけど」

カオリンの周りには、サキュバスの魅惑の影響で男たちが跪いていた。ゴロウとトウケイもそこにいたが、ヨリコと女将に連れ出されていた。

戦場では今ありえないことが起きていた。

ダークエルフ本陣

丘の上から戦況を見ていた族長のアスバンは信じられない思いでいた。

「なぜだ!先程まで押し込んでいたのに、押し込めないどころか、押し返されているではないか。なぜだ!」

そこへ偵察に行っていた部下が戻ってきた。

「アスバン様、大変です。奴ら全員が強くなっております。さ、さらに1匹の悪魔が大暴れしております」

「な、なんだと!そんなはずはない。エルフ族が1番嫌うのは悪魔だ。悪魔は狡猾で平気で裏切る、そんな連中だ。そんな……そんなはずは……」

キュウは戦闘をしているつもりはなかった。ただ、思いっ切り踊りたかっただけだ。なのになんだこいつらは。どうしてあたしの邪魔をするの。

邪魔をするんじゃないわよーーーっと、あたしは踊っていたいだけなのにーーーっと、心の中で叫んでいた。

「どきなさーーーーーーーい!」

激しく踊りまくるキュウ。
 
弾け飛ぶダークエルフたち。そしてキュウを取り囲み、遠巻きにして見ているダークエルフたち。

「フウーーーーーー!」

ああ、あたしを男たちが見つめている。

息を乱して……ああ、踊りたい。

もっと、もっと……

一斉にキュウに襲いかかるダークエルフたち。

「あたしをーーーーーーーー!」

バキバキッ〔ダークエルフの骨が折れる音〕

「もっとーーーーーーーー!」

バンバン〔ダーク・エルフの顔がぶたれる音〕

「見てーーーーーーーーー!」

ウワッ!〔ダークエルフが逃げ出す声〕



エルフの里  本陣

「エリデラス様、大変です!悪魔が戦場に降臨しました」

「なんだとう!ダークエルフめ、悪魔と契約するとは思わなかったぞ」

「いえ、悪魔は我らの味方をしております」

「な……なにーっ!」

慌ててフウを見るエリデラス。

「信じて下さい。私は悪魔など連れて来ておりません」
 
センフーとトウケイとバコが目を合わせ、ため息をついた。

その様子に気がついたフウが「あれ?キュウさんがいないわね?」

「「「     あ!    」」」

ゴロウたちが気がついた。

フウがセンフーに尋ねた。

「もしかして悪魔ってキュウさんのこと?」

「あ、ああ」

センフーが答えた。

「たぶん。カオリンの魔法がなんでか知らないがキュウにも掛かっていて、タガが外れたんだと思う」

「伝令!伝令!」

偵察員が戻って来た。

「悪魔が敵本陣のど真ん中に突っ込みました。ただいまアスバンと交戦中です!」

エリデラスは信じられないと言う顔でフウに尋ねた。

「そいつは本当に人間なのか?」

もう面倒臭くなってきたフウは適当に答えた。

「キュウは人間のオネエでして」

「オネエ?」

「キュウは男なのですが、男が好きなのです。アスバンはキュウの好みかと」

ヨリコが突然フウに尋ねた。「ねえ、フウさん。私たちの役目は終わったんでしょ?だったら報酬を早く支払ってくれませんか?」

「エリデラス様、この者たちに報酬を支払ってあげて下さい」

「ああ、わかった。金貨2千枚で良かったのだな?」

「いえ?全部で1万2千枚です」

「え?」

「カオリンさんに金貨2千枚」

「まずは悪魔と化したキュウさん。カオリンさんの夫のセンフーさん。バコさん。トウケイさん家族とスライムのラムちゃんの4人。ゴロウさん家族3人」

渋るエリデラス。

「スライムにまで?」

フウが詰め寄る。

「ダーク・エルフ族との闘いに負けていたら全て取られていたのですよ?エリデラス様?」

女将が席を立って部屋を出て行こうとした。フウが女将に尋ねた。

「どこへ行くのですか?」 

「キュウさんを呼んで来ますわ。タダ働きはやめて帰りましょうって」

慌てるエリデラス。

「ま、待て今用意するから」

そして、テーブルの上にズラッと並べられた金貨を見て笑うエリデラス。

「これをどうやって持って帰るつも……」

巾着袋にドンドン入れていくゴロウとトウケイ。

「……」

エリデラスはもう金貨のことは諦めた。

「人間は恐ろしい……」


キュウVSアスバン

キュウの目がアスバンを捉えた。超タイプのアスバンを見てしまったキュウは、思わず叫んでしまった。

「タァーーーーーーーイプッ!」

ニヤリと笑ったキュウ。

アスバンを抱きしめたくなったキュウは、素早くアスバンの後ろを取った。

キュウが耳元で囁く。

「あたしをみ~~て~~~」

生まれて始めての恐怖を味わったアスバン。こんなに強い悪魔をみたことがない。しかもキモい。

なんとか逃れることが出来たが、次もう一度後ろを取られたら自分は殺されるだろうと思ったアスバンは、キュウに契約を持ちかけた。

「おい、私と契約をしようじゃないか」

「契約?」

「いくらだ?」

「あたしと本気で?」

「そうだ。金額を言え!それとも、ま、まさか私の魂が欲しいのかあ!」

「魂?そんな物はいらないわ」

なぜかキュウは激しく腰を振りながらアスバンに近づいて来た。

「では何がほしいのだ!言ってみろ!」

「あたしが欲しいはあなたの体よーーーーーーー!」

「こ、この悪魔め。私に憑依するつもりかああああ!」

キュウの腰振りが激しさを増してきた。

「くそっ。ええい。退却だ!総員退却せよ!」

ダークエルフたちは、あっという間に退却して行った。
 
その後、アスバンが生きている間は、二度とエルフの里を攻める事はなかった。

 

 フウにはまた転移魔法で、お食事処『カオリン』まで送ってもらうことになって、全員巾着袋の中に入ったのだが……

 ザードも混じっていた。

「ゴキブリみたいにゆうな。」



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