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第四話 とばっちり

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アルマが考え込んでいた、いったいなぜ、こんなチラシが配られるのだろうか、全部オースをぶっ殺してしまえぐらいの内容だ、フォートが関係ないなら、自業自得のオースがいるだけだな、鼻息を荒くしながら、オースの女事情が記されたチラシを捨てるのだった。

これ以上されると役所の威信に関わる、変態オースの配下たちではやる気にも関わる、兜を被らずパンツを被るおっさんか、フォートに相談に行こう、さすがに市民にとばっちりで殺される気がする内容だ。

「フォート、助けてくれー!さすがに犯人を探さず女を探すでは、我々が勘違いされてしまう」
「ああ、あのチラシか、興味深いけど、嘘だろう?」
「そうか?あり得るけどな」
「その反応なら、オース様は何もしてないのだろう」

その後、二人は別れて、アルマは役所に呼ばれた、いたのはオースではなくオースの弟であるニック殿だ、いったい、何の用だろうか?

「これはこれはニック殿、どうされましたか?」
「アルマ殿、呑気にしている場合ではない、あのチラシのことは事実無根だ、むしろ、なぜ何もしない?」
「なぜと言われましても、不明だからです」
「よく分かった、なら、私が持っている独自の中央ルートによる話をしよう、地方に反乱を起こした者たちが飛んだらしい、各地で混乱が起きている、その流れを考えれば、今回はその謀略の一端かもしれん、私はそう考えた、だから、何としてでも止めないとこの国が滅ぶかもしれん、伝えるべきことは今のところ以上だ」
「(中央ルートだと、そんなものあったのか)よく分かりました、さっさと止めましょう」

アルマはフォートに伝え、事態のヤバさに気が付いた二人は配下を連れて、昼夜兼行で犯人を探すことにするのだった。


*****

ローゼは呑気に歩きながら、そこら辺の子供に物を売っていた、恥ずかしいことだが、ローゼは気にしてなかった、金が手に入れば別にいい、そんな考えで街中を彷徨いては物を売る、そんな日々だった。

「あーあ、世の中つまんないな、全くお父さんはお金をくれないし」

そんなことをやっていると、ローゼを捕まえようと役人がやってきた、アルマの娘だからと言って容赦はしないのだ、適当な屋敷に入って、役人を屋敷の人に通報させて逃げることに成功した。

頭はいいのだが、果たしてこれから先どうなることやら。

屋敷に入ってしまった上に通報された役人はというと、オースに呼ばれて怒られるのだった。

「さてさて、女を追いかけて屋敷に入ったじゃと…」
「けして、犯罪ではありません!怪しいやつを追いかけただけです」

とんでもない娘だな、と凹むのが役人の方だった、アルマは変態かどうかを判断するだけだから悲惨だった。

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