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第三十二話 希望

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二人は話し合っていた。

「さて、どうする?、ハンター?」
「どういうことだ、おっさん」
「簡単なことだ、君は今、岐路に立っている、己の滅びを感じて、なお、立ち向かう誇りがあるなら、君と共に私も滅ぶかもしれない道を歩もう」
「そんなこと考えなくていいんだ、おっさん、俺は次は必ず勝つからさ、大丈夫だ、おっさん」

ハンターは諦める気はなかった、もう一度、仲間を誘えばいい、あてはある、そう、次の狙う層は犯罪者予備軍ではなく、普通の一般人を狙えばいいのだ、簡単なことだ、こいつらは事前知識を持たないし、簡単だ、仲間を作るには色々なやり方がある、今度は詐欺師みたいなやり方になるが、ただの健康法とかにしておくかな、まあ、世の中、生きるってのはそういうもんだ。

一方のフォートたちは、基本的には、間違いなく負けていないけれど、真犯人を確保できてないので、残念がっていた。

「どうするの、お父さん、まだ、犯人捕まってないでしょ、ここで死んじゃダメだよ、諦めないで、私がついているでしょ」

だが、アルマは既に頭をやられて、だいぶ傷ついていた、かなりの怪我だったのだ。

「フォートはどこにいる?話したいことがある」
「フォート様?わかった、見つけてくるよ、お父さん」
「こんな時に、おべんちゃらを言わなくてもいい、家ではフォートと呼んでいるんだろ、分かっているさ、結婚したいなら、すればいい、俺は止めない」
「お父さん、早すぎー!」

かくして、フォートとローゼの未来を想って穏やかな心境になるアルマがいた。

*****

マーシャル役人劇場

あるところに二人の役人がいた、この働き者は間抜けではなかったが、どちらも女好きだった。

間抜けはオースだ!俺たちではない!

そんなキャッチフレーズと共に、二人は仲良く働いてスクスク育った。

ちなみに、彼らはアルマの部下ではないが、有名な二人だった。

オースのためにせっせ、せっせと働いて、いつかは美人な嫁を手に入れてやると仕事を喜んでいた。

だが、ある時、大問題が起こった、役所内で、美人な女と仲良くなった小役人が同じ同僚のミディアムの機嫌を損ねて、役所から追い出されたのだ!

大泣きしたのはこの二人だ、やっちまった、あいつが追い出されるということは、もしも、俺たちが美人な女と仲良くしたら、ミディアムが嫉妬してこの役所から追い出すってことなんだ、くそ、あのミディアムめ、許し難い。

「おい、やるぞ、パディ」
「任せとけ、ぶっ飛ばしてやる、誇りを持って仕事をしてやるぜ」

二人で仲良くミディアムをぶっ飛ばすために、仕事中に、ミディアムの仕事の量をこっそりと増やしたり、こっそりと書類を一枚か二枚ほど入れ替えたり、あと、何したっけな、そうだ、女に噂を広めてやったんだ、ミディアムは仕事中に疲れて、思わず漏らしたことがある、そう汚いものをと!まあ、ここでは書けないけどな!トイレで出すものだぜ!

女は全員信じた、俺たちは大喜びした、大歓喜だ、消えたあいつも浮かばれらー。

その後、復讐はされなかったが、ミディアムは深く傷ついて職場を変えて、しぶとく生き残った。

なお、俺たちは今では役所内で大嘘つきとしてではなく、大悪人として名前を残しちまった、やりすぎちまったのが、玉に瑕だ。ミディアムを倒すためにやりすぎちまった、テヘッ👅。
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