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しおりを挟む零はアイドルグループTriangleを解散した後、モデルへと転身した。
元々、彼は子役モデルとして五歳から業界入りした身であるから、これは転身というよりも古巣へ戻ったという方が正しいかもしれない。
モデルの仕事は、いかに『服』を世間に魅せるかだ。
モデル自身は主役ではないし、決して主役になってはいけない。
その意識の違いが、二流と一流を分けている。
零は、後者の成功者だ。
アイドル時代は、北欧の血の入った派手な外見とは裏腹に、他のメンバーのフォロー役に回り、結果、Triangleはトップアイドルとして輝くことができた。
零のそのスタンスが、『服』の方を主役に立たせなければならないモデルの資質にピッタリだった。
それに、そもそも北欧と日本のいい面だけを取り入れたような容姿をしていた零だ。ゲルマンとオリエンタルが見事に調和したその奇跡の姿に、モデル業界も放ってはおかない。
アイドル卒業と同時期に彼は即スカウトされ、アジアで唯一のA+ブランド専属モデルとして成功している。
プロ根性もあり、性格は穏やかでしっかりとしている彼だ。
業界の黒い誘惑にもまったく靡かず、驕り高ぶる事もなく、事務所からの信頼は厚い。
しかし、そんな彼の唯一の欠点は――――苦難の末にようやく結ばれる事が出来た年上の恋人、畠山ユウであった。
◇
零のマネージャーとして新しく抜擢された秋川慎一は、頭を抱えて唸っていた。
彼は、零と同じく、元々はアジア系モデルとして日本のモデル事務所から推薦されてA+へ登録された身ではあるが、如何せん零とは元の出来が違い過ぎる。
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