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「それで、クウガに蹴られてケガをしたそうですね!? あいつはそんな大怪我はさせていないって言ってましたが……大丈夫ですか、ユウさん? 」
心配そうな様子で訊ねる零に、ユウは出来るだけ平然とした顔で答える。
「ああ、それなら問題ない。蹴られて、ちょっとだけ肋骨を痛めただけだ。ちゃんと医者にも診てもらったよ。コルセットを着用していれば治るようなケガだから、大したことはないさ」
それよりお前、その言い方じゃあ、加害者のクウガに会ったような口ぶりだけど――と言い掛けたところで、零が泣きそうな顔で口を開いた。
「本当に? 本当に、大丈夫なんですか? 」
零は心配そうに、ユウを爪先から頭の天辺までジーっと目線を送って確認する。
すると、綺麗なユウの顔に傷跡は無いが、その両手首に擦過傷があるのを、零は目ざとく見つけた。
「ああ! ほら、やっぱりケガしているじゃないですか! 肋骨を痛めたっていうのも、実は深刻な状態なんでしょう!? 」
「大袈裟だな……平気って――あ、痛たた……」
胸に走った痛みについ呻くと、零が悲壮な顔になってガバッと抱き付いてきた。
「ユウさん! 怖かったでしょう!? オレが傍に居れば……! 」
「お、おい、そんな抱き付くなって」
「御堂社長があんなに怒るのも無理はない!! 」
「え? 零……お前、聖さんに会ったのか? 」
するとそのタイミングで、抱き合う恋人たちに向かって「ゴホン」と遠慮がちな咳払いが間に入ってきた。
それは、それまでオロオロと様子を伺っていた慎一マネージャーであった。
「あー、その。邪魔するのも悪いけど……そろそろ行動を起こさないと、本当にクウガくんの身も危ないんじゃないかな? 」
「ユウさんに、こんなケガをさせるなんて! あいつ、もっと殴っておけばよかった!! 」
零がそう憎々し気に吐き捨てたところ、今度はミヤビが困窮したように口を開いた。
「その件は、本当に悪かった。落ち着いたら、あいつにはきちんと謝罪させるよ。何なら、気の済むまでもっとヤキを入れたっていい。なんにせよ、死ぬよりはマシだ。ただ――――本当に、あいつは零のファンだったからさ――」
心配そうな様子で訊ねる零に、ユウは出来るだけ平然とした顔で答える。
「ああ、それなら問題ない。蹴られて、ちょっとだけ肋骨を痛めただけだ。ちゃんと医者にも診てもらったよ。コルセットを着用していれば治るようなケガだから、大したことはないさ」
それよりお前、その言い方じゃあ、加害者のクウガに会ったような口ぶりだけど――と言い掛けたところで、零が泣きそうな顔で口を開いた。
「本当に? 本当に、大丈夫なんですか? 」
零は心配そうに、ユウを爪先から頭の天辺までジーっと目線を送って確認する。
すると、綺麗なユウの顔に傷跡は無いが、その両手首に擦過傷があるのを、零は目ざとく見つけた。
「ああ! ほら、やっぱりケガしているじゃないですか! 肋骨を痛めたっていうのも、実は深刻な状態なんでしょう!? 」
「大袈裟だな……平気って――あ、痛たた……」
胸に走った痛みについ呻くと、零が悲壮な顔になってガバッと抱き付いてきた。
「ユウさん! 怖かったでしょう!? オレが傍に居れば……! 」
「お、おい、そんな抱き付くなって」
「御堂社長があんなに怒るのも無理はない!! 」
「え? 零……お前、聖さんに会ったのか? 」
するとそのタイミングで、抱き合う恋人たちに向かって「ゴホン」と遠慮がちな咳払いが間に入ってきた。
それは、それまでオロオロと様子を伺っていた慎一マネージャーであった。
「あー、その。邪魔するのも悪いけど……そろそろ行動を起こさないと、本当にクウガくんの身も危ないんじゃないかな? 」
「ユウさんに、こんなケガをさせるなんて! あいつ、もっと殴っておけばよかった!! 」
零がそう憎々し気に吐き捨てたところ、今度はミヤビが困窮したように口を開いた。
「その件は、本当に悪かった。落ち着いたら、あいつにはきちんと謝罪させるよ。何なら、気の済むまでもっとヤキを入れたっていい。なんにせよ、死ぬよりはマシだ。ただ――――本当に、あいつは零のファンだったからさ――」
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