マガイモノ

亜衣藍

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最終章

最終章-2

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   ◇

 翌週、約束通り『荒潮』には、畠山ユウのゴシップ記事の訂正文と謝罪が載った。

 それとは別にジュピタープロダクションも独自に動き、零とユウの仲のいい様子を写したプライベート画像を敢えてSNSへ流出させ、公式のコメントも出して事態の鎮静化を図るなどした。

 これにより、一時は『畠山ユウはビッチのゲイ』と炎上した世論は潮が引くように落ち着いて行った。

 大掛かりなプロジェクトであるヨーロッパ公演へ向け、不安を完全に払拭したベストの環境で取り込む事が、これで可能となった。

 全力を尽くし一丸となって、あとは公演を成功させるだけである。

 ユウの痛めていた肋骨の箇所も無事に完治したので、もううれいは無い。

そう、ユウの憂いは無くなったのだが――――

   ◇

 聖は、愛車ボルボの後部座席へ乗り込みながら、タブレット端末を片手に雑務を処理していた。

 定期的に行っている俳優オーディションと、台本作家の最終選考も近い。

 ユウの公演も間近と迫ってきているので、今のうちに移動時間を利用して少しでも仕事を片付けておかなければと、彼はいつも忙しい。

 聖はタブレットから顔を上げずに、口を開いた。

「ユウが、金城美央の台本を見てくれと言っていた。アタマをチェックしたが及第点には届いてそうだ。ただ、女はもっと軽いキャラに変更させよう思う。美央のホンの他にも候補が十本上がっているから、お前も忖度無しでチェックしておいてくれ」

「分かりました」

「来季の30×8、夕日テレビ深夜枠をウチで押さえた。最近舞台で頭角を現している明を推そうと思っている。調整しておけ」

「分かりました」

 運転席の真壁は、素直に答える。
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