彼が恋した華の名は:4

亜衣藍

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 聖は甘く囁くと、史郎の手を握って自分のところへと導く。
 脇腹と腰を大きな手の平が包み込むと、この時ばかりは本当に快感から、蕩けるような吐息が唇から洩れた。

「あぁ……」
「聖っ!?」

 この甘い声が嘘ではなく真実マジだと理解した史郎は、ますます興奮した。

 俄然やる気を出したらしく、さっさとシャワーを切り上げて、そのまま風呂場のタイルの上で挑みにかかろうとしてくる。
 だがここで、簡単に許してはならない。
 そもそもここはベッドではないので、床が硬くてやってられない。
 そこで聖は、少し意地の悪い顔になって“パシッ”と史郎の手を払った。

「若頭、こんなところじゃあ幾ら何でも背中が痛いですよ」
「うるせぇ! とにかく一発抜いてからだっ」

(テメェはいいだろうが、オレが嫌なんだよ)

 ムカッとするが、ここで喧嘩になったら元も子もない。
いつもの、力づくでねじ伏せられるお決まりのコースになってしまう。

(多生の言う通り、オレもあと少し頑張るか)

 聖は上目遣いに、鼻息の荒い男の顔を見る。
 自覚はないが、この時の聖は完全に小悪魔のような顔になっていた。
 この魅惑的な小悪魔に見詰められ、史郎の鼓動が跳ねる。

「ひじ――」
「野獣のようなあんたも素敵だけど、今夜は紳士なあんたが見てみたいし……それに、もっと優しく抱かれたいんだよ。オレのお願い・・・を叶えてくれないかい?」

 こんな事を言われては、さすがの史郎も我慢するしかない。
 しかし、まだ若いオスである史郎は、隆々と屹立した己の雄芯に困惑する。
 男の生理現象故、こればっかりは致し方ないだろう。
 重いので、とりあえずここで一回は出さないと無理っぽい。
 史郎は聖に背中を向けると、彼にしては健気に、自分でムスコの処理をする事にした。

「ちょっと待ってろ、直ぐ済むから」

 己の手で扱き上げようとするが、次に、予期せぬ事が起った。
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