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その為、発情期の度に高額な抑制剤を使うよりも、行きずりの適当な相手とセックスをして、子供でも産んだ方がよっぽど稼げると割り切ったオメガもいる。
奏達の研究室では、そう割り切って発情期が過ぎるまでセックスに耽る事を『便所コース』と言っているが…………。
相も変わらず、オメガの男体は最下層に位置付けられているワケであるが、実際のところ、オメガの女体よりも彼らの方が手に入りやすいという実情も相まって、密かに人気を集めている。
「――――で、結局、何が言いたいんです? 」
5年も性交を重ねたのに、子に恵まれなかった責任を取れとでもいうつもりか?
それなら、とんだお門違いだ。
何を言う気だと警戒する奏に、まどかは小さな声で言った。
「あなたは…………いつも、栄太さんに抱かれる度に、正嘉さま正嘉さまとうわ言を繰り返すと――」
「っ! 」
「だから、栄太さんは――あなたに優しくしてやりたいのに、どうしても我慢できなくて酷い事をしてしまうと、嘆いていました――――本当に、辛そうに」
――――僕が、正嘉さまの名を繰り返して口にしていたなんて……!
それを聞き、奏は、言いようのない感情に囚われた。
もう、とっくの昔に忘れた筈なのに、まだ自分は、正嘉の名前を無意識に呼んでいたのかという驚き。
そして、自分はまだ正嘉に未練があるのかという、怒り。
拳をギュッと握り締め、奏は歯を食いしばる。
(自分で自分が嫌になる……! どうして僕は、あんな酷い事を言われて徹底的に拒絶されたっていうのに、まだ正嘉さまの名を口にしているんだ!? しかもそれを、馬淵とヤルたびに言ってたって!? 何だよ、それ! )
全くもって、最低の話だ。
そしてそれを、こんな他人の口から聞くなんて。
これ以上の、屈辱は無い。
「――――まどかさんは、随分と馬淵……栄太さんと親しいんですね。そんなプライベートの恥部を晒すような相談事なんて、よっぽどの相手でないと言えないですよ」
キッと、今度は奏の方が、まどかを見る。
「あなた方は、ただの幼馴染ではないでしょう? このまま引き返して、栄太さんを慰めてやればいいんじゃないですか? 彼も、その方が絶対喜ぶでしょう」
皮肉半分、本気半分で、そう促す。
すると、まどかは首を振って答えた。
「いいえ…………それは、あなたでないと意味がありません」
つまり、まだ栄太は子供を諦めてないから付き合えと言いたいのか?
5年も嫌々付き合ったのに、まだセックスをやれというのか?
「――――だから、それならあなたが相手をしてやればいいじゃないですか。お好きなんでしょう?彼が」
「……」
微かに、まどかの頬が赤くなっている。
奏の指摘は、間違っていないのだろう。
それを見て、奏はそろそろ話を切り上げようと、断定するように口を開いた。
「大分確率は低いけれど、ベータ同士でも子を得た例も有ります。お似合いですよ、あなた達は。きっと、素敵な夫婦になれるでしょうね…………それでは――」
そう言って、奏が席を立とうとした所で、まどかが衝撃の一言を投じた。
「――――私では、ダメなんです」
「? 」
「私では…………ダメ、なんです…………」
すうっと息を吸い、まどかは強い声で言った。
「栄太さんは……私ではなく、あなたを――――愛しているんですから」
奏達の研究室では、そう割り切って発情期が過ぎるまでセックスに耽る事を『便所コース』と言っているが…………。
相も変わらず、オメガの男体は最下層に位置付けられているワケであるが、実際のところ、オメガの女体よりも彼らの方が手に入りやすいという実情も相まって、密かに人気を集めている。
「――――で、結局、何が言いたいんです? 」
5年も性交を重ねたのに、子に恵まれなかった責任を取れとでもいうつもりか?
それなら、とんだお門違いだ。
何を言う気だと警戒する奏に、まどかは小さな声で言った。
「あなたは…………いつも、栄太さんに抱かれる度に、正嘉さま正嘉さまとうわ言を繰り返すと――」
「っ! 」
「だから、栄太さんは――あなたに優しくしてやりたいのに、どうしても我慢できなくて酷い事をしてしまうと、嘆いていました――――本当に、辛そうに」
――――僕が、正嘉さまの名を繰り返して口にしていたなんて……!
それを聞き、奏は、言いようのない感情に囚われた。
もう、とっくの昔に忘れた筈なのに、まだ自分は、正嘉の名前を無意識に呼んでいたのかという驚き。
そして、自分はまだ正嘉に未練があるのかという、怒り。
拳をギュッと握り締め、奏は歯を食いしばる。
(自分で自分が嫌になる……! どうして僕は、あんな酷い事を言われて徹底的に拒絶されたっていうのに、まだ正嘉さまの名を口にしているんだ!? しかもそれを、馬淵とヤルたびに言ってたって!? 何だよ、それ! )
全くもって、最低の話だ。
そしてそれを、こんな他人の口から聞くなんて。
これ以上の、屈辱は無い。
「――――まどかさんは、随分と馬淵……栄太さんと親しいんですね。そんなプライベートの恥部を晒すような相談事なんて、よっぽどの相手でないと言えないですよ」
キッと、今度は奏の方が、まどかを見る。
「あなた方は、ただの幼馴染ではないでしょう? このまま引き返して、栄太さんを慰めてやればいいんじゃないですか? 彼も、その方が絶対喜ぶでしょう」
皮肉半分、本気半分で、そう促す。
すると、まどかは首を振って答えた。
「いいえ…………それは、あなたでないと意味がありません」
つまり、まだ栄太は子供を諦めてないから付き合えと言いたいのか?
5年も嫌々付き合ったのに、まだセックスをやれというのか?
「――――だから、それならあなたが相手をしてやればいいじゃないですか。お好きなんでしょう?彼が」
「……」
微かに、まどかの頬が赤くなっている。
奏の指摘は、間違っていないのだろう。
それを見て、奏はそろそろ話を切り上げようと、断定するように口を開いた。
「大分確率は低いけれど、ベータ同士でも子を得た例も有ります。お似合いですよ、あなた達は。きっと、素敵な夫婦になれるでしょうね…………それでは――」
そう言って、奏が席を立とうとした所で、まどかが衝撃の一言を投じた。
「――――私では、ダメなんです」
「? 」
「私では…………ダメ、なんです…………」
すうっと息を吸い、まどかは強い声で言った。
「栄太さんは……私ではなく、あなたを――――愛しているんですから」
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