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すると、聖はあっさりと肯定した。
「まさか。オレはあんなゴリラなんか趣味じゃねーよ」
「そ、そうだよな」
「連れは、オレと同業で芸能事務所を営んでいる友人だ。今回は二人揃って仲良くこんな所まで営業しに来たってワケだ」
「おお! なんてことだ。あの流行り病の所為で我が国も酷いダメージを負ったが、君たちも同じだったという事だね」
サイエンは大袈裟に肩を落とすと、次にパッと表情を変えた。
「それなら、その友人も一緒に私の部屋へ来たらいい」
「はぁ!?」
「オレは日本人は好きだから、もう一人くらい増えても大丈夫だ。歓迎するぞ」
「……」
とんでもない事を言い出すヤツだと呆れるが、そういえばこの男は享楽的な性格でもあったなと思い至り、聖は溜め息をついた。
「そんなの、オレの一存では決められない。それにここには仕事で来たんだ。あんたと遊ぶ為じゃない」
とりあえず、尤もらしい事を言って逃げようとしたが、
「有難い話じゃないか」
と、聞き覚えのある声が突如割り込んで来たので、聖は驚いた。
「……晁生?」
「ナモ公国といえば、南ヨーロッパの富豪国だよな。まさか聖が、そんな国の人物と付き合っていたなんて知らなかったよ。是非とも、紹介してほしいところだ」
晁生はニコニコ笑いながら、スッと手を差し出した。
「初めまして、ボクは城嶋晁生といいます。御堂聖の友人です」
「オレはサイエン・ルドーだ。ナモ公国王家の外縁だが、別に貴族ぶるつもりはないから一般人と同じように接してくれ」
サイエンはそう言うと、差し出された晁生の手を握ってグッと握手をした。
しかし片手では、しっかりと聖を抱え込んだままだ。
絶対に逃がさない気のようだが、それに付き合ってやる程の義理は無い。
なので聖は、無防備だったサイエンの脇腹に軽く肘鉄を入れた。
「まさか。オレはあんなゴリラなんか趣味じゃねーよ」
「そ、そうだよな」
「連れは、オレと同業で芸能事務所を営んでいる友人だ。今回は二人揃って仲良くこんな所まで営業しに来たってワケだ」
「おお! なんてことだ。あの流行り病の所為で我が国も酷いダメージを負ったが、君たちも同じだったという事だね」
サイエンは大袈裟に肩を落とすと、次にパッと表情を変えた。
「それなら、その友人も一緒に私の部屋へ来たらいい」
「はぁ!?」
「オレは日本人は好きだから、もう一人くらい増えても大丈夫だ。歓迎するぞ」
「……」
とんでもない事を言い出すヤツだと呆れるが、そういえばこの男は享楽的な性格でもあったなと思い至り、聖は溜め息をついた。
「そんなの、オレの一存では決められない。それにここには仕事で来たんだ。あんたと遊ぶ為じゃない」
とりあえず、尤もらしい事を言って逃げようとしたが、
「有難い話じゃないか」
と、聞き覚えのある声が突如割り込んで来たので、聖は驚いた。
「……晁生?」
「ナモ公国といえば、南ヨーロッパの富豪国だよな。まさか聖が、そんな国の人物と付き合っていたなんて知らなかったよ。是非とも、紹介してほしいところだ」
晁生はニコニコ笑いながら、スッと手を差し出した。
「初めまして、ボクは城嶋晁生といいます。御堂聖の友人です」
「オレはサイエン・ルドーだ。ナモ公国王家の外縁だが、別に貴族ぶるつもりはないから一般人と同じように接してくれ」
サイエンはそう言うと、差し出された晁生の手を握ってグッと握手をした。
しかし片手では、しっかりと聖を抱え込んだままだ。
絶対に逃がさない気のようだが、それに付き合ってやる程の義理は無い。
なので聖は、無防備だったサイエンの脇腹に軽く肘鉄を入れた。
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