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(ボク一人の力では、何かを変える事なんて無理だ。だが、このトラブルの根本を解決する事なら出来る)
つまり、件の『東洋人の秘書』を捕まえる事だ。
レオンを幾ら問い詰めても無駄なら、直接犯人捕獲を優先した方が余程有意義だろう。
犯人は、必ずこの船にいるのだから。
――しかしそれは、レオン・マフタンの不興を買う事になりそうだ。
そのリスクがあるから、聖の危機を前にしておきながら、晁生はどうしても踏み切れなかったが。
(……例えそれで、城嶋エンタープライズが再建不能になったとしても。今こそ、意を決して行動に出るべきか)
そうでなければ、御堂聖の心を手に入れる事など、未来永劫叶う事は無い。
(君は、どうせ他愛もないホラ話だと思っているだろうが……ボクは真剣に、君の事を愛してるんだよ)
自由気ままに、華麗に舞う蝶のような聖に。
(本気だと真剣に伝えれば、君は信じてくれるか?)
丁度その時、コンコンとドアがノックされる音が室内に響いた。
晁生は「はい」といって、特に警戒心もなく扉を開ける。
すると、今まさに思い描いていた人物が、そこに立っていた。
「聖……え、なんで?」
驚く晁生に、聖は皮肉気に言い返す。
「何でもなにも。あのままジッと部屋に閉じ籠っていても何一つ好転しそうにないから、自分で動く事にしたまでだ」
「あ――その、ボクもこれから――」
「黙れ」
聖の凍り付くような一言に、晁生は、自分がもう挽回するチャンスを逃してしまった事に気付いた。
(行動に移すのが遅かった! ボクが今更何を言ったところで、ただの往生際の悪い弁解にしかならない。聖の信頼を得るチャンスを失ってしまった)
実際聖も、晁生のことは『信用』は出来るが『信頼』は出来ないと判断していたので、とうとうそれが確定した形になる。
つまり、件の『東洋人の秘書』を捕まえる事だ。
レオンを幾ら問い詰めても無駄なら、直接犯人捕獲を優先した方が余程有意義だろう。
犯人は、必ずこの船にいるのだから。
――しかしそれは、レオン・マフタンの不興を買う事になりそうだ。
そのリスクがあるから、聖の危機を前にしておきながら、晁生はどうしても踏み切れなかったが。
(……例えそれで、城嶋エンタープライズが再建不能になったとしても。今こそ、意を決して行動に出るべきか)
そうでなければ、御堂聖の心を手に入れる事など、未来永劫叶う事は無い。
(君は、どうせ他愛もないホラ話だと思っているだろうが……ボクは真剣に、君の事を愛してるんだよ)
自由気ままに、華麗に舞う蝶のような聖に。
(本気だと真剣に伝えれば、君は信じてくれるか?)
丁度その時、コンコンとドアがノックされる音が室内に響いた。
晁生は「はい」といって、特に警戒心もなく扉を開ける。
すると、今まさに思い描いていた人物が、そこに立っていた。
「聖……え、なんで?」
驚く晁生に、聖は皮肉気に言い返す。
「何でもなにも。あのままジッと部屋に閉じ籠っていても何一つ好転しそうにないから、自分で動く事にしたまでだ」
「あ――その、ボクもこれから――」
「黙れ」
聖の凍り付くような一言に、晁生は、自分がもう挽回するチャンスを逃してしまった事に気付いた。
(行動に移すのが遅かった! ボクが今更何を言ったところで、ただの往生際の悪い弁解にしかならない。聖の信頼を得るチャンスを失ってしまった)
実際聖も、晁生のことは『信用』は出来るが『信頼』は出来ないと判断していたので、とうとうそれが確定した形になる。
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