路傍の石

亜衣藍

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 こんな状態では、ランが普通の生活を送るのにも限界がある。

 だがまずは、ランから『タカシ』を切り離すのが先だろう。
 どれだけ惚れているのか知らんが、どう考えてもタカシの行動は恋人に対するものではない。

 自分の借金をランに押し付け、のうのうと隠れて生きているなどもっての外だ。

(とにかく、もう二度とタカシとは会わないようにさせないとな。相手がグダグダ言って来たら、テメーの借金くらいテメーで払えってオレがガツンと言ってやる)

 それに、この借用書証文を見る限り、元々は30万円だけの借金だったのに、金利だけで一億まで膨らむなど……確か、違法だったはずだ。

 よくテレビでもCMが流れているではないか。
 こんな法外な金利、ありえない!

(あとは、ランの戸籍の問題か。確か、新宿のナントカ団体ってところで、代表の弁護士が無国籍児の保護活動をしていたハズだ。そこに行けば、ランの事も助けてくれるかもしれない)

 蔵はそう考えを纏めると、立ち去ろうとしていたランの腕を掴んだ。

「オレがお前を助けてやるよ」
「余計なお世話だ」
「待てって! オレにいい考えがあるんだ。新宿の――」

 蔵が口を開きかけた時、

「ラン!」

 と、鋭い声が飛んできた。

 ハッとして声のした方を見遣ると、金髪にピアスの、如何にもヤンキーという風体の男がこっちを睨んでいるのと目が合った。
 男は、一応はホストっぽいイケメンだったが、泥酔しているのか足元が定まっていない様子だ。
 ガードレールを手すり代わりにしながら、ヨタヨタと二人がいる方へと近寄って来る。

「お前がまぁた逃げたって、三宮さんが捜し回っているってチハルからオレのところへ連絡が来たぞ。頼むから逃げんなよ~」

(なんだ、この酔っ払いは?)

 嫌悪感から、眉間に皺を寄せる蔵だったが。
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