キラワレモノ

亜衣藍

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「ああ、準備は万端だ。何も、本物のテロリストのように本格的に襲撃するワケではないからな。オレの部下には、発煙筒と閃光弾を何発か会場へ放り込んだら、そのまま直ぐに逃走するよう言ってある」

「ふん? 」

「会場内は大騒ぎにはなるだろうが、死傷者はまず0だろう。万が一火災が起こっても、直ぐに最新鋭の消火設備が作動するしな。――――だが、安心安全を謳っている公国としたら、とんだ醜態を世界へ晒すことになる。当然ナモ・コレは中止。明日のMHJも中止だ。主催企業は大打撃だな――さて、この責任は誰が負うことになるのか? 」

 ククッと嗤いながら、サイエンは手を伸ばし、聖の髪を撫でる。

「……実質、邪魔者はアーカムとマナだけだ。ヤツらの監督責任を徹底的に追及して、とことん追い詰めてやる。そして、この騒ぎの代償として王位継承権から後退させれば、自然と次の王位はオレに回って来る」

「――――あんたの王位継承権は…………」

「君の来る少し前に、10位まで後退した。だから今はルドー上級位ではないが、今夜返り咲く算段となっているのさ。あの二人以外の王族は、政治も何も出来ないただのボンクラ貴族だから、継承権が例え自分に回って来ても、放棄せざるを得ないだろう。そうなると、繰り上げで自動的にオレというワケだ」

「――――そういう事か……でも、あんたの親父はどうする気だ? まだ健在だろう? 」

「あいつは、とっくにボケ始めてる。継承権譲渡の誓約書を見せても顔色一つ変えないで『ウー』だの『アー』だの言うだけだ。全く、都合のいい時にボケてくれたよ」

「そうか……」

「なぁ、ミドー? 君も、大公の伴侶なら心が動くだろう? どうかこのままオレと結婚してくれないか」

 サイエンの言葉に、聖は嫣然と笑った。

「結婚、ねぇ…………オレはそもそも新婚旅行でこの国へ寄ったんだが? 」

「君が、本気であの男と? 」

 皮肉気に笑い、続ける。

「――――君は、あの男は愛していない。愛しているのは、違う男だ」

「……どうかな…………」

 聖は一瞬寂しそうな顔になる。

 しかし次に、聖は大胆にもサイエンの身体をベッドへ押し倒し、その上に跨った。

 そうして騎乗位の態勢になり、甘えるような声をもらす。

「――――なぁ、何だか、さっきから身体が火照るんだよ。あんたのコレ、入れて良いかい? 」

 そう言うと、聖はサイエンの雄芯へ、優美な手を添えて来た。

 そして、相手の返事を待たずに、そのまま片手で扱き始める。

 絶妙の力加減に、それはあっという間に天を仰いだ。

「Oh! ミドー……! 」

「ははは、朝っぱらから元気だなぁ――サディー……」

 聖は、艶やかに微笑みながら身体の角度を変えて、それを己の後孔へ当てると、一気に腰を下ろす。

「あぁ――うっ! 」

「ミドー! 」

 幾度も繰り返し抉られている所為か、そこは難なく、猛々しい雄芯を呑み込んだ。

 そして、えも言われぬような快楽がサイエンを包み込み、あっという間に彼は天国へ昇る。

(ここに閉じ込めてから食事にクスリを混ぜていたが……ようやく効果が表れたか)

 だが、それにしても。


――――これは、予想以上だ!


「Oh,Oh!! 君は――――本当にぃっ! 最高だ! 」

「あ、あ、あ…………ダメ、まだ…………」

 聖は切ない声を上げると、凄まじい締め付けでサイエンを翻弄する。

 今まで味わった事のない未知の絶頂に、サイエンは咆哮を上げる。

「ミドー! 」

 白く引き締まった尻を揉みしだき、激しく上下に揺さぶると、聖は喉を仰け反らせて緋色に全身を染め上げる。

 繋がった箇所からは互いの体液が滴り落ち、激しい動きに合わせて周囲へ飛び散る。

「う、うぅ……激しっ!――」
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