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第37話 寒空のグラウンドと遠野のこっそりスナックタイム
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冷たい風がグラウンドを吹き抜け、体中にしみ込むような寒さを感じた。
私は体育の時間、グラウンドで黙々とランニングをしている。
先生の掛け声が響く中、冬の冷気が頬を赤く染め、吐く息は白くなって宙に溶けていく。
「あと3周! 走れー!」
体育教師の力強い声に私は無言でペースを維持する。
グラウンドの周囲にはまだ霜が残っており、足元がわずかに滑るたびにバランスを取り直す。
(なんでこの時期にこんなことをしなきゃいけないんだろう)
心の中で小さくため息をつきながら、ふと視線を校舎の方に向けた。
すると、3階の窓際の教室で誰かがこちらを見ているのが目に入った。
(あれって……遠野?)
確かに、彼女の髪型や姿勢が見覚えのあるものだった。
じっとこちらを見ていると思ったら、突然お菓子を取り出して何かを食べ始めたのが見えた。
「え……授業中じゃないの?」
私は思わず足を止めそうになったがすぐに走り直す。
遠野はこっそりお菓子を口に運びながら、こちらに小さく手を振っているようだった。
口元には何かしらのスナックが見えている。
「……あいつ、やっぱり自由すぎる」
私は呆れながらも少しだけ笑ってしまう。
こちらは寒さに震えながら走らされているのに、遠野は温かい教室でのんびりとお菓子を楽しんでいる。
ようやくランニングを終え、グラウンドの隅でストレッチをしていると、ふとさっきの光景が頭をよぎった。
遠野が私を見ながら食べていたお菓子――あれは何だったんだろう?
ポテチ?
それともじゃがりこ?
「気になる……」
授業が終わったら、すぐに遠野に聞いてみようと思いながら体育館へと向かった。
授業が終わり、私はすぐに遠野のクラスに向かった。
昼休みの賑やかな廊下を抜けて教室に入ると、案の定、遠野は自分の席でポテチの袋を片付けている最中だった。
「遠野、さっきのってやっぱりお菓子だったんだね」
「え、田所さん、見てたの?」
「ばっちりね。こっちは寒い中グラウンドを走らされてたんだから、どうせなら分けてほしかったよ」
遠野は少し恥ずかしそうに笑いながら鞄の中からチョコレートの袋を取り出した。
「じゃあ、これなら今分けられるよ!」
「そんな簡単に渡していいの?」
「だって田所さんは特別だから!」
遠野が無邪気に笑いながらチョコを差し出してくると、私は自然と手を伸ばしていた。
「まぁ、これくらいならもらってもいいか」
チョコレートが口の中で溶けていくと、ランニングの疲れが少しずつ和らいでいくのを感じた。
「やっぱりこういう時の甘いものはいいね」
「でしょ? だから授業中に食べるのも仕方ないよね!」
「それは違うでしょ」
遠野の自由すぎる言い分に小さくため息をつきながらも私はどこか心が軽くなっている自分に気づいた。
「次はちゃんと授業後に分けてね」
「分かった分かった!」
遠野の笑い声が教室に響き、いつものように賑やかな昼休みが始まった。
私は体育の時間、グラウンドで黙々とランニングをしている。
先生の掛け声が響く中、冬の冷気が頬を赤く染め、吐く息は白くなって宙に溶けていく。
「あと3周! 走れー!」
体育教師の力強い声に私は無言でペースを維持する。
グラウンドの周囲にはまだ霜が残っており、足元がわずかに滑るたびにバランスを取り直す。
(なんでこの時期にこんなことをしなきゃいけないんだろう)
心の中で小さくため息をつきながら、ふと視線を校舎の方に向けた。
すると、3階の窓際の教室で誰かがこちらを見ているのが目に入った。
(あれって……遠野?)
確かに、彼女の髪型や姿勢が見覚えのあるものだった。
じっとこちらを見ていると思ったら、突然お菓子を取り出して何かを食べ始めたのが見えた。
「え……授業中じゃないの?」
私は思わず足を止めそうになったがすぐに走り直す。
遠野はこっそりお菓子を口に運びながら、こちらに小さく手を振っているようだった。
口元には何かしらのスナックが見えている。
「……あいつ、やっぱり自由すぎる」
私は呆れながらも少しだけ笑ってしまう。
こちらは寒さに震えながら走らされているのに、遠野は温かい教室でのんびりとお菓子を楽しんでいる。
ようやくランニングを終え、グラウンドの隅でストレッチをしていると、ふとさっきの光景が頭をよぎった。
遠野が私を見ながら食べていたお菓子――あれは何だったんだろう?
ポテチ?
それともじゃがりこ?
「気になる……」
授業が終わったら、すぐに遠野に聞いてみようと思いながら体育館へと向かった。
授業が終わり、私はすぐに遠野のクラスに向かった。
昼休みの賑やかな廊下を抜けて教室に入ると、案の定、遠野は自分の席でポテチの袋を片付けている最中だった。
「遠野、さっきのってやっぱりお菓子だったんだね」
「え、田所さん、見てたの?」
「ばっちりね。こっちは寒い中グラウンドを走らされてたんだから、どうせなら分けてほしかったよ」
遠野は少し恥ずかしそうに笑いながら鞄の中からチョコレートの袋を取り出した。
「じゃあ、これなら今分けられるよ!」
「そんな簡単に渡していいの?」
「だって田所さんは特別だから!」
遠野が無邪気に笑いながらチョコを差し出してくると、私は自然と手を伸ばしていた。
「まぁ、これくらいならもらってもいいか」
チョコレートが口の中で溶けていくと、ランニングの疲れが少しずつ和らいでいくのを感じた。
「やっぱりこういう時の甘いものはいいね」
「でしょ? だから授業中に食べるのも仕方ないよね!」
「それは違うでしょ」
遠野の自由すぎる言い分に小さくため息をつきながらも私はどこか心が軽くなっている自分に気づいた。
「次はちゃんと授業後に分けてね」
「分かった分かった!」
遠野の笑い声が教室に響き、いつものように賑やかな昼休みが始まった。
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