真夏のプールサイドで俺は先輩に溺れる

†漆黒のシュナイダー†

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3.お前、もしかして俺のこと好き?

 いつもは平気だったはずのプールの空気が、やけに重苦しく感じるのは気のせいだろうか。むしろ俺の心が勝手に重くなってるだけかもしれない。水泳部に顔を出すたび、どうにも落ち着かない。そこにいる田所先輩の存在が……いや、あえてはっきり言うなら俺はあの日以来、田所先輩とまともに目を合わせられないでいる。

(俺、何やってんだ……)

 あの日――溺れかけた俺を先輩が助けてくれた時から、どうも妙なんだ。考えすぎだって分かっている。助けられただけで、そんなに意識する必要なんかないのに、だけど水中で掴まれた先輩の腕の感触を思い出すとどうしても胸がざわつく。筋肉がしっかりついた腕の強さとか、引き上げられた時の安堵感とか、いまだに鮮明に思い出せるのが嫌になる。

 あれから何日か経って部の練習ではほとんど言葉を交わさずに済ませてきた。いや、正確には逃げ回っているだけだ。プールに入ってる最中はなんとか誤魔化せるが練習が終わると「田所先輩に話しかけられる前に帰らなきゃ」って気がして、シャワーもサッと済ませてさっさと帰る。幸い、他にも1年生はいるし先輩にはマネージャーや同期もいるから、俺一人がさっさと帰ったところで大きな問題にはならない……はずだった。

 けど、そんなのいつまでも通用するわけないんだよな。あの人の目は鋭い。部活メンバーに対する気遣いも妙に細やかだから、俺の行動にすぐ気付くに決まってる。案の定、部室を出た瞬間に目の前に立ちふさがられてしまった。まるで俺が出てくるのを待ち構えてたみたいに。


 それは金曜日の夕方、放課後の練習が終わった後だった。いつもなら部室にしばらく残ってダラダラしてる俺が、ここ数日はサッと着替えてとっとと帰る。その日も同じように逃げようとしたところで、まさかの鉢合わせ。

「……どこ行くんだ?」

 普段よりも低い声。その瞬間、背中を嫌な汗が流れた。部室を出たばかりの俺の前に田所先輩が仁王立ちしてる。外はもう夕焼けがだいぶ沈んで薄暗く、先輩の表情は半分影になって余計に怖い。俺は思わず言い訳を考えたけど、うまく口から出てこない。

「え? いや、帰るだけっすよ」

 そこそこ自然に言えた、と思う。けど先輩はまったく納得してない顔だった。

「最近、お前さ……俺のこと避けてるよな?」

 ど直球すぎて喉が詰まる。なんだこれ、もう逃げ場ないじゃん。ちょっとでも選択を間違えれば、すぐバレる。

「別に……そんなこと……」

 うわ、声が裏返りかけ、自分でも分かるくらい不自然な言葉が出た。先輩は俺の顔をまっすぐ見て「嘘つけ」と即断する。どこでそう確信したんだ?
 俺はとっさに視線を外したけど先輩は一歩踏み出してくる。俺からしたらちょっと見上げる距離、そのせいか、さらにプレッシャーを感じる。

(距離、近くないか……?)

 そう意識した途端、さらに胸がバクバク言い始める。こっちは普通に会話してるだけなのに変に鼓動が速まる俺が恥ずかしいっていうか悔しいっていうか。無言でいると先輩がもう一歩寄ってきて、

「何かあったなら言えよ」

 その声がやたら優しいんだ。責め立てるって感じじゃなくて、ただ心配してくれてるようにも聞こえる。だけどそんな気遣いをされたところで今の俺はどうにも答えようがない。

「別に……何も……」
「そっか……」

 そう言って先輩は少し視線を落とす。何か考えてるように唇を軽く噛んでいる――と思った次の瞬間、

「お前、もしかして俺のこと好き?」
「は……はあああああ!?」

 あまりにもストレートすぎて思わず大声を上げてしまった。普通、そんなこと言う?
 聞き方ってもんがあるでしょ!?
 俺は混乱のあまり目を丸くするしかない。

「いや何言ってんすか!? 俺、ノンケっすから!!」

 それ以外に出てくる言葉がない。男が男を好きって、普通ありえないだろ……いや世の中にはあるかもしれないけど少なくとも俺はノンケを自認してきたんだ。なのに、どうして先輩はそんな真顔で「お前俺のこと好き?」なんて聞けるんだよ!

「へぇ、じゃあなんでそんなに焦ってんの?」

 腕を組んで、先輩はまるで興味深そうにこっちの反応を観察している。ちょっと楽しんでないか?
 俺はむかつくやら恥ずかしいやらで、もう顔が火照るのを止められない。

「……っ! 焦ってないっす!!」
「いやいや、めちゃくちゃ分かりやすいぞ?」

 さらりと言われてしまう。どうやら俺の動揺は筒抜けらしい。俺としては必死に平静を装っているつもりなんだが……心臓の音がうるさくて思考がまとまらない。

「だ、だから俺はノンケなんで! そもそも男にドキドキするわけないじゃないっすか!」
「そうか?」
「そうです!」
「なら、なんでそんなに真っ赤なんだよ?」

 ガツンと急所を突かれた気分。先輩が顔を近づけてくるもんだから、そのまま額が付きそうで俺は慌てて身をのけぞらせた。でも逃げ場がなくて半ば追い詰められた形になってしまう。どうしよう、ここで顔が赤いことを否定したってって絶対に信用されない。さっきまでは夕暮れで周囲も暗かったのに、今は廊下の蛍光灯が明々と照らしている。ごまかす術がない……。

「~~~っ!!」

 いたたまれなくなった俺は思わず先輩の胸を手で押して、そのまま振り払うように逃げ出した。背後で「おい」って声が聞こえた気がするけど振り向くわけにはいかない。どこに逃げるかも決めてなかったけど、とりあえずこの場から離れたかった。


 校門を抜け出して辺りが完全に夜の闇に包まれ始めた頃、ようやく少し落ち着いてきた。心臓はまだドキドキしてる。走ったからとか、恥ずかしかったからとか、色々理由はあるけど……その根本には「先輩にあんなことを言われた」って事実がある。

(お前、もしかして俺のこと好き?)

 あのストレートすぎる問いが頭の中をぐるぐる回って離れない。真っ先に俺が否定したのは当たり前だろう。俺はノンケだって自覚してるし、いままで男を恋愛対象として意識なんかしたことない。いや、男子校じゃないから同級生に彼女持ちもいるし、俺も中学の時にちょっと女子と付き合いかけた経験はある。少なくとも“男を好きになる”なんて考えたこともなかった。

 なのに、もし俺が本当に男なのに男を意識しちゃってるなら、ありえない話だ……でもあの日、溺れかけた時に抱きかかえられた感触を思い出すと、どうしてあんなに胸が高鳴ったのか説明がつかない。先輩を見ただけで赤面したり、心臓がバクバクするのはおかしいって自分でも思う。

(いやいや、先輩が面倒見いいからで別に恋愛感情とかじゃねぇし……!)

 自分にそう言い聞かせてはみるけれど、どこかで単なる言い訳かと思っている自分もいる。そもそも、そんなに接点が多かったわけじゃない先輩のことを、ここまで意識するようになった理由はなんだ?
 あの溺れた日の「お前が無茶するの、俺が見てないとダメだな」って言葉だって、普通にアドバイスや心配の延長だろう。なのに、それをいつまでも思い出して胸がジンとするのは明らかにおかしい。

(俺、マジで田所先輩のこと……)

 好きかもしれない、なんて言えない。
 そんな自分が認められない。男同士なんてありえないって頭では分かってるのに、身体の反応は正直だ。こうして先輩のことを考えてるだけで何か熱いものがこみ上げてくる。

「マジで俺どうすりゃいいんだ……」

 夜風にあたっていれば少しはクールダウンできるかと思ったけど、まったく効果なし。周囲は部活帰りの生徒ももうほとんどいなくて校舎のほうはすっかり静かだ。どうにかして落ち着こうと、歩きながら深呼吸をしてみる。それでも頭の中は先輩の言葉でいっぱい。あの距離感、あの声、あの熱……全部、今まで味わってこなかった感覚だ。

(これが恋とか、さすがにそれは……)

 どこかで必死に否定しようとしている。だけどもし本当にただの誤解なら、なんでこんなに心臓が締め付けられるように苦しいんだろう。なんで先輩の顔を見ると意識してしまうんだろう。

 ――結局、はっきりした答えなんて出ないまま俺は家の玄関を開けた。居間からは母親の声が聞こえてくるが俺は適当に答え、風呂入って寝ようと階段を上がる時、母親の「今日も頑張ったね」という声がなぜか妙に胸に刺さった。

 先輩も、俺に「ちゃんと練習しろ」「無茶すんな」「見ててやるから」と言ってくれたことがある。母親の言葉とはまったく別物だけど自分を気にかけてくれる存在がいると感じると、どうしてこんなに心が揺れるんだろう。

 部屋に入ってから、鞄をベッドに投げ出して制服のままゴロンと転がる。天井をぼんやり眺めても、やっぱり浮かぶのは先輩の顔。考えないようにすればするほど意識してしまう。頭の中でぐるぐる巡る疑問はもう一つしかない。

(もしかして俺……先輩のこと、好きなのか?)

 いやいや、ノンケの俺がそんなわけない……!
 そう胸の内で吐き出してみるものの、もう一人の自分が否定しているような気もする、この気持ちがただの友情や憧れでないことは、なんとなく自覚してしまっているから苦しい。もし本当だったらどうなる?
 先輩に嫌悪される?
 気持ち悪がられる?
 そもそも先輩が俺にそんなこと聞いたのはなぜ?
 いろんな疑問が増殖するばかりで解決策は見つからない。

「うわああ……めんどくせぇ……」

 枕に顔を押し付けて唸る。こんな時、誰かに相談できればいいのかもしれない。だけど友達に相談してどう反応されるかなんtね分からない。下手すると噂になって大事になるかもしれない、そんなリスクを俺に払えるわけがない。恋バナに盛り上がるような女子友達が特別多いわけでもないし……。

 かといって、このまま放置しても俺の心は落ち着かない。いっそ次の部活で先輩にきっぱり「違います」って言い切って、また適当な感じに戻れないだろうか……?
 でもあの人は鋭い。適当な嘘なんか通用しないんじゃないか。顔を合わせたら、またすぐにバレる気がする。それにもはや俺自身がはっきり違うとは断定できなくなっている。

 次の日は土曜日で午前中授業。俺は一限目から頭がボーッとして、先生の話もほとんど耳に入ってこない。隣の席のやつに心配されて適当に笑ってごまかす。昼休みになる頃には部活のことを思い出して気が重くなった。田所先輩と顔を合わせたら、また昨晩のように動揺するのが目に見えてるからだ。

 しかし、ここでサボるわけにもいかない。それこそ余計に先輩を刺激して俺が先輩を避けていると確信されるだけだろう。しょうがなく部室に行き、着替えを済ませてプールに向かう。運良くか悪くか、先輩はまだ姿を見せていないらしい。今日のメニューはフォーム練習の予定だから、コースを区切って順番に泳ぐとか言ってたっけ……?
 頭の中でぼんやりとスケジュールを思い出す。

 プールサイドに立ってキックのアップを始めるがどうにも気持ちが乗らず、ちらちらと入口の方を見てしまう自分がいる。いいよ、来るなら来いよ、いや来ないでくれ……そんな自分勝手なジレンマに苛まれていると聞き慣れた声が遠くから聞こえた。

「遠野ー、今日のアップは4泳法一通りだぞー」

 同じ1年の部員が声をかけてくれた。そうだ、今は普通に練習しなきゃ。頭を振って気持ちを切り替えるようにストレッチを再開する。すると急にプールへの扉が開く音がして、そこから黒髪を短くまとめた田所先輩が姿を現した。胸がドキンと音を立てる。何やってんだ俺……気付かれないように俯くと先輩の足音が近づいてくるのが分かる。でも、どうにかスルーされて他の部員に話している気配がする。

(よかったバレてない……いや、視線は感じるけど。気のせいかもしれないし)

 そんなふうに自分を落ち着かせてアップを続けた。できるだけ先輩を直視しないようにして練習に集中する。体が動き出すと多少は雑念も消えるから助かる。だけど、その平穏もそう長くは続かないってのは分かりきっていた。

 結局、今日も練習後すぐに着替えて帰ろうと試みた俺だけど先輩に「遠野、ちょっといいか」と声をかけられた。逃げ腰になったところで静かに釘を刺される。あの低い声で言われると、もう抗えない。2年の先輩ってだけでも普通に逆らいにくいのに田所先輩となるとなんか余計に威圧感がある。逆らったら何をされるわけでもないのに身体がこわばってしまう。

「は、はい……何すか?」

 吐き捨てるように短く返事をすると先輩は周囲を見回した後「ここじゃ何だし、少し移動しようか」と言って歩き出す。俺は仕方なくついていく。部室の奥やプールサイドじゃ人目につくし、廊下だと通りがかりの生徒も多い。どこへ行くのかと思ったら、先輩は人気のない用具倉庫の脇へ向かった。周りには誰もいない。ドキッとする。さすがにここで二人きりってまずくないか?

「……それで、何なんすか?」

 なるべく平静を装いながら問いかけると先輩は腕を組んで、少し言葉を探しているようだった。やがて、思いつめたように口を開く。

「お前、あの時聞いたこと……どうなんだ?」
「は?」

 あの時聞いたこと――つまり、「お前、俺のこと好きなのか?」って話。あれをまた聞いてくるのか?
 俺は一気に鼓動が早まり、反射的に口をつぐんだ。

「別に深い意味で言ったわけじゃなくて、あの様子だとお前本当に何か隠してんのかと思ってさ。別に男を好きになるのが悪いなんて言うつもりない。けど、お前がそれで苦しんでんのなら言ってくれればいいのに……と思って」
「……何、それ」

 先輩の声にはどこか優しさが混じっている。俺は唇をかみしめて下を向くしかなかった。苦しい。先輩にこんなふうに心配されると、ますます自分の感情がおかしな方向へ行きそうで怖い。

「俺はお前がどういう性格か多少は分かってるつもりだけど……まあ、無理しなくていい。もし話したくなったら言えよ」
「……いや、話すことなんかないっすよ」

 絞り出すように答える。ここで仮に先輩のことを気になってるんですなんて言おうものなら俺の立場も先輩の立場も終わるような気がする。かといって強く否定するのも今の自分にはちょっと勇気がいる。どっちにしろ苦しい選択肢しかない。

「そうか……まあ、俺も余計な詮索はしない。けど、お前は顔に出やすいんだから自分で抑えられないなら俺に相談しろ。意外と頼りになるぞ?」
「……っ」

 冗談交じりの言葉なのに俺にはまるで告白を受け止めてくれそうな響きに聞こえて、さらにパニックになった。どういうつもりだ先輩。そんなに俺を気遣って何を期待してるんだ?
 頭がグラグラしてきて、息苦しささえ覚える。

「別に、何も困ってませんから……失礼します」

 それだけ言い捨てて俺は倉庫の脇から早足で歩き去った。先輩は何か言いたげだったけど追いかけてくることはしなかった。俺はそのまま校舎を出て、またしても一人で帰宅する。いつまでこんな状態が続くんだろう……。

 夜の街灯の下を歩きながら朝方のもやもやがさらに膨れ上がっているのを感じる。先輩は男同士の恋愛を否定するどころか、なんとなく「俺は別に構わない」みたいな言い方をしていたように思える。もし俺が本当に先輩のことを好きでも怒ったり嫌悪したりはしない……ってことなのか?
 そんな都合のいい想像をしてしまう自分が情けない。

(けど、それならどうして先輩はあんなに真っ直ぐ聞いてきたんだよ)

 可能性としては単に俺が悩んでるかどうか心配してくれただけかもしれない。先輩って誰に対しても面倒見がいいし、俺が特別だってわけじゃなく同じ水泳部の仲間だから助けたいって気持ちなんだろう。それだけの話……そう思うしかない。

「……はぁ」

 嫌になるほどため息が出る。学校での立ち位置も、家での顔も、普通の男子高校生のはずの俺がこんなに“男への恋心”を疑われる状況になるなんて思わなかった。しかも、それを否定しきれない自分が一番怖い。結局、先輩の顔を見ると赤面するし気を抜くとドキドキする。

 どうして男相手にこんな感情を抱くんだろう――いや、もうこの段階まで来ると自問しても仕方がない気がしてくる。事実として先輩を目の前にすると胸が苦しくなる。それが恋なのか動揺なのか曖昧だけど少なくとも嫌悪感じゃない。だって、もし嫌いならこんなに考え込んだりしないだろうし、そもそも溺れた時に感じたあの安心感や温かさは一体何だったんだって話だ。

(はぁ……マジでどうすりゃいいんだ)

 また同じ問いに行き着いてしまう。答えは出せない。だけど少なくとも田所先輩は俺の微妙な態度に気付いている。避けているのを悟られてるし、あまつさえ「お前、俺のこと好きなのか?」と直球で聞かれてしまった。これ以上逃げても先輩に隠し通せる気がしない。

 もしかすると近いうちにまた何かしら話をしなきゃいけない時が来るのかもしれない。その時、俺はどう答えればいい?
 ノンケを貫くなら、はっきり否定するべきだろう。男に恋なんかありえないと。けど、それが嘘だと先輩にバレてしまったら、どうしようもなくなる。それなら……正直に白状する?
 そんな度胸、俺にあるのか?

 答えを出せないまま、夜は深まっていく。街灯に照らされるアスファルトの上を重い足どりで進みながら俺は一人悶々と考え続けた――

 結論が出ないのに結論を迫られているような気がする。もし本当に俺が先輩を“好き”だと認めたらどうなるんだろう。そんなことばかりぐるぐる頭をめぐって眠れない夜が今日も続きそうだ。

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