『赤毛猫海賊団 カタリナの野望』 ~カタリナ様はワガママ貫き通すってよ~

ひろの

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第1章 カタリナ、ついでに弩級戦艦もらっとく  ~ 弩級戦艦 2号 強奪編 ~

第36話 作戦開始していい?

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作戦会議を終えて、各々が準備に取り掛かった。

ホッとして椅子に座り込んだミネに対して、カタリナとサクラモカがゆっくりと寄り添いねぎらった。

「コタ顔負けの作戦会議だったね。」

ニッコリと微笑んで返した。

「ありがとうございます。その一言がどれほど嬉しいことか。
 ……あ、忘れていました。
 一人、重要なキャストに連絡を取るのを忘れていました。」

ミネはそういうとどこかに電話をかけた。

「どうしたの?誰に電話?」

「あーはい、レティさんです。
 前に捕まえた時にスキャンして番号は知っています。
 出ますでしょうか?知らない番号には出なさそうですよね、彼女。」

「……何で彼女の電話番号知っているのかもそうだけど、普通に対賊の将官に電話しているあんたもどうよ?!」

サクラモカが呆れていたところ……、呼び出し音が止まって接続された。

「もしもし、こんにちは。ミネです。」

「………。」

「あぁ、切らないでください。
 知らない人からの電話ではないです。カタリナ様の所に居たミネです。」

「?! ……あぁぁぁぁぁあ!!!なんであんたが私の電話にかけてくるのよ!!」

「あぁ、良かった、覚えていてくれましたか。ちょっとお伝えしたいことがありまして。」

「なに、友達みたいな感じで普通に話しかけてくるのさ!!」

「友達じゃないですか。違ったんですか?」

「ちがうわ!!」

「仕方ないですね、ではカタリナ様と代わります。カタリナ様は友達ですよね?」

「余計に違うわ!あ……待て話を聞」

レティが何か言いかけていて、ギャーギャー言っている。

「カタリナ様、レティさんに犯行予告をしてください、あの人もこの作戦に居てもらった方がやりやすいです。」

不思議な顔をしながらカタリナは電話を受け取った。

「あー、レティ?元気してたー?私だよ、私。カタリナ―!」

「お前、私に何したか覚えてな……」

ギャーギャーうるさいので耳から電話を離す。そして時折相槌を打った。

「うん、そうだね、ごめんね。」

「え?そんなことないよ。」

「うんうん。」

レティの話を全く聞かずに適当に相槌を打つカタリナだったが、なんとなく話が通じてちゃんと成立しているっぽい。

「そりゃそうだね!ところでレティ、私さぁ、3日後にヴァルモン・デ・グレイ侯爵の私設艦隊、ディラマを襲うから。財宝沢山積んでおくように言っといてー。」

「まっ待て!どういうつもりだ!?」

「だから、そのまんまだよ!
 モカがさぁ、私も弩級戦艦欲しいってワガママ言うから、あいつの貰うことにしたから。
 じゃーね!」

「な!?そんな戯言に騙されないからな!!
 ……、おい!マジ?おーい。お前馬鹿だからマジで言ってるだろ?!
 待て!絶対阻止してやるからなあ!おーい!聞いてるかー!?」

ぶち。一方的に電話を切って、着信拒否に設定した。

「なんか通じたっぽい。あの様子だと、レティ来てくれるんじゃない?」

サクラモカが呆れたような顔をしている。

「話を全く聞いてないのに、よく会話成立させるよね、おねーちゃんって。」

ミネが満足そうにしている。

「カタリナ様、ありがとうございます。彼女が居ると、あの作戦がより実現しやすくなります。」

「まぁ、ちょっと気に入らないんだけどね、あの作戦。まぁいいわ。」


3日後、ついに『ポンコツ見掛け倒しネコパンチ号』は出航し、予定の場所でディラマを待ち受けていた。
ディラマ側はまさか、あの雑な犯行予告で本当に襲ってくるとは半信半疑だったみたいで、『ポンコツ見掛け倒しネコパンチ号』の出現は必要以上に恐怖を煽った。
ディラマにはあの犯行予告を受けてレティシア准将が対賊陸戦部隊を引き連れて、護衛を兼ねて乗り込んでいた。

ディラマは『ポンコツ見掛け倒しネコパンチ号』と対峙して、全艦停止した。

そこへカタリナが通信を強制接続させる。

「ごきげんよう、ディラマ艦隊の皆さん、それと対賊部隊の皆さん。
 私が赤毛猫海賊団団長のカタリナ様だ!
 私の懸賞金だが桁が一桁少なくないか?三流扱いするな!
 いや、そんなことを言いたいんじゃない。
 お前達の弩級戦艦をイリブラの時と同様に頂くことにした。
 前もって礼を言っておこう。」

通信モニタに映るディラマ艦隊の提督と思しき者は警戒した顔でカタリナの動向を見定めようとしている。

「時間ももったいないな。いきなりで悪いが本気で行かせてもらうよ。
 総員戦闘準備!重力井戸投射機(グラヴィ・スパイク)をぶち込んでやれ!!
 射出準備開始っ!」

カタリナが叫んだのを見て敵提督が慌てて全艦に指示を出した。

「グラヴィ・スパイクを警戒せよ!全艦、10km間隔で散開!重力に飲まれるな!!」

その指示と同時に一目散に彼らの艦隊の60隻が散会した。『ポンコツ見かけ倒しネコパンチ号』と敵弩級戦艦の間に遮るものがいなくなった。

「甘いぞ、提督!私達にはAI干渉弾(オルゴール・コード)があることも忘れているようだな!」

カタリナがいやらしい顔でモニタにドアップで迫り、わざとらしく叫んだ。
提督もそれにつられて勢いよく指示を飛ばす。

「旗艦ニァラティールは人工知能制御を一旦停止して手動モードに切り替えろ!
 スタンさせるな!」

ミネの思惑通り進む。

サクラモカはそれを見届けると全速力で敵の弩級戦艦ニァラティールへ突進した。

「はっはっは!
 我がネコパンチ号はアーティファクトだけじゃないぞ!
 こちらも弩級戦艦だ!メガキャノンとアーク放射を受けるがいい!!」

カタリナの挑発に提督がさらに指示を飛ばす。
シールドを前面に集中展開、追加装甲も前面に移動させた。
手動モードでの操作のため、動きが鈍い。
並列動作が難しく、防御に徹するしかなく『ポンコツ見掛け倒しネコパンチ号』の進行を止められなかった。

そのまま、躊躇なく『ポンコツ見掛け倒しネコパンチ号』を敵の弩級戦艦ニァラティールに叩きつけた。
激しい衝撃と振動を起こしつつ、2隻の弩級戦艦が装甲をこすり合わせながら横並びになった。
ネコパンチ側が強制接続を行い、ハッチをこじ開けた。
カタリナを含む全赤毛猫海賊団団員が武器を振り回しながら、叫び声と共に突入した。

周りの艦隊は急ぎ旗艦の元に集結したが、『ポンコツ見掛け倒しネコパンチ号』とニァラティールは接触しているため、巻き込むことを恐れて、迂闊に攻撃が出来ない状況だった。

少し距離をおいて『ポンコツ見掛け倒しネコパンチ号』を60隻が取り囲んだ。
仮に強奪したとしてもこの包囲網は突破できそうになかった。

カタリナを先頭に突入する赤毛猫海賊団。迎え撃つはニァラティールクルーとレティ率いる対賊陸戦隊。

総勢700人近くがニァラティール内の艦内で乱戦となる。次々と団員がデイラマクルーを打ち倒していくが、レティシアが連れ込んだ対賊陸戦隊は一人一人の戦闘力が高く、赤毛猫海賊団がやや押され気味になる。それでも善戦している方だ。だが、前回ほど簡単に制圧が行えるように到底見えなかった。

遂にレティとカタリナは直接対峙した。
レティが呟く。

「お前ら本当に馬鹿だな。
 あんな犯行予告したら警戒するに決まってるだろう。
 お前達に騙されている気にもなったが、カタリナ、お前はバカだから本当に来そうな気もした。
 私の読みは正しかった。やはりお前はバカ界の王者だな!今日こそ捕まえてやる。」

「ふっふ。人のことをバカバカと連呼しやがって。
 お前だってバカじゃないか!
 私達がお前を敢えて呼んだ理由を分かっていないようだな。
 お前がいるおかげで私達はこの状況から無事に脱出できることになるのさ!
 お前は私たちにとって大事な秘密道具さ!」

レティシアはカタリナのその一言を聞いて少し嫌な予感がした。だが、すぐに気を取り直して武器を両手にカタリナに切りかかった。

カタリナとレティシア、その斬撃は極めて速く、周囲の者は目で追うことすらできなかった。

斬り合いながら、縦横無尽にニァラティール内を駆けまわる。

「やっぱ、強いな!」

2人がハモってお互い不愉快な顔をする。

二人の戦いは永遠に続くかと思われたが、その時、一方のブレードが弾き飛ばされて、体勢を崩された。
そして双剣が首筋に添えられる。

ついに勝敗が見えた。

団員や陸戦隊はその勝者がどちらかを見定めようと目を凝らした。


【あとがき】
…ひゃっほーい!カタリナだよ!

私の一言一言で敵大艦隊が右往左往するの、見てて爽快だよね!!

いやー、でも、ネコパンチをぶつけた時はもう死ぬかと思った!すっごい音がして、お腹がヒュッてなったよ!
でも、そっからが最高!みんなで突入して、ドッカンドッカン大暴れ!
途中、ちょっと押され気味だったけど、私が全部ぶっ飛ばしてやったんだから!ギャハハハ!
んで、レティだよ!レティ!
あいつ、なんか私のことをバカって言ってたけどさー、実はミネが呼んだって知ったら、あいつの顔、ちょっと面白かったよ!
あいつ、めっちゃ強いよね!でも私にはミネから教えられた秘策があるからね!

最後、どっちが勝ったかって?
それは次の話のお楽しみ!

私、赤毛猫海賊団の団長だもん!
不可能はないってことだけは強く言っておくよ!

みんな、次の話も楽しみにしててね!
じゃあね!
バイバイ!
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