警察官

takezaru

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警察官

雨降る覚悟

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雨が降りしきる夜、記者の松田とは又別の場所でも1つあることが動き出そうとしていた、とある駅前の場所で、白いプリウスの車を止めて大友はテレビのニュースを聞きながら、協力者の一人である中央警察署刑事の鈴木を待っていた、「まさかこんなに雨が強くなるなんて、困ったな」すると前のフロントガラスから急いで走ってくる鈴木の姿が見えた、「遅くなって申し訳ありません、少し書類の方が遅れまして」「いえいえ、お気になさらず、ところで鈴木さん突然呼び出したのには何か理由があるということですね」「ええ、まさに仰る通りです、こちらの資料を見てください」すると鈴木は持っていた鞄から青いファイルを取り出した、「これは?」「実は組織を探ってる最中にとある不思議な事を見つけてしまって」大友は少し不思議そうな顔を思わずあげてしまった、「この資料は以前私が捜査していた事件で、途中私はある事情で捜査を外れたんですが、この事件で逮捕された容疑者の物的証拠はこの資料を見る限りとてもじゃないくらい」「証拠を揃えて逮捕できる程の証拠は薄かった、そういうことですね」鈴木は顔を小さく揺らして応えた、「裁判が始まるのはあと三日我々も勝つための材料は集めいます、でもやはり一番大事なのは当時坂本さんに接触していたあの警察官なんです、これは何と関係があるんですか」危機感を募らせいる弁護士側からすれば、鈴木が提示した資料からは裁判での意味がなかった、大友は少し強めの口調でそう鈴木に言いかけた、「大友さん、私は私の知りたい秘密があるんです、ですが今の状況で例の警察官を見つけるのは難しいです、しかしこの事が事実であったとするのなら中央警察署に疑いを向ける人達が現れるはずです」鈴木は自分の気になることがあれば真っ直ぐにそれだけの事を考えるまさに鈴木という一人の刑事の強い思いを大友に打ち付けた、「あと三日だ、今奴等と戦うにはこの資料しかない、ただあなたの言う通り勝機がこちらに向くかもしれない」大友はじっと窓の外を見つめた、「では大友さん、この資料の事実を確かめに私は戦ってきます」そう言うと鈴木はプリウスの車を降りて去っていた、「あと三日だ。」



「ザーザーザー」急いで記者の松田と山本は神田の自宅を出ると雨を避けながら車を止めていた場所へと走っていた、「山本お前はもう今日は帰れ」「先輩はまだどちらかに行くんですか?」「俺は神田を追いかける」松田はそう言うと山本は走るの止めた、「先輩もうこの辺にしといた方がいいんじゃないですか、記事に載せる材料はもう十分あるじゃないですか、編集長の本山も納得してくれるはずです」「俺はもう戻れない所まで踏み込んでしまった、このまま終わらせるわけにはいかにい」そう応えると山本はだだ困惑した顔を浮かべた、「悪いが山本俺はこのまま神田追いかけるからな」そう松田は言い去り車に乗り込んだ、それを何とか止めようと山本は大雨の中必死にドアを叩いたが松田は走り去ったいった、「先輩!、くそあの人何するつもりだよ」松田が去ったあと山本はヤケクソになりながら雨を避けるため近くの建物へと走っていった。




次の朝警察署では例の事件について事態が急転した、午前中に鈴木や田中など捜査一課をはじめ、二課の刑事たちなども一斉に捜査員が会議室へと集められた、「いきなり集められたが田中何があったんだ」すると田中は驚いたように鈴木に問いかけた「お前聞いてないのか、昨日の昨晩容疑者リストの中に入ってあって、余り容疑をかけていなかった」「それは誰だ!」田中が言おうとした瞬間、会議室の入り口ドアに駒村達が入ってきた、その瞬間捜査員達は立ち上がった、「今回の東一家殺人事件の容疑者と思われる人物が新たに上がってきた、その者は被害者である東夫妻の息子である東  竜二だと新たな証拠が浮かび上がりました」そう言うと前のモニターから東の息子と思われる人物の顔が映し出された、「おい田中、誰が見つけたんだ、一課の人間の誰なんだ」鈴木は突然の事に動揺を隠しきれなかった、「さぁ俺も誰かは定かではないが」すると田中はソッと鈴木の耳もとに近付き囁いた、「噂では杉本警部が見つけ出したらしい」。
その五分後会議は終了し捜査は所轄と一課が協力して容疑者と思われる東竜二確保に向かいだした、いつもより慌ただしい署内は間も無く事件解決へと向かうと言うことだと誰もが感じていた、しかし鈴木だけはそうではなかった、一課が確保に向かうなか鈴木はオフィスをでてもう一度会議室へと走り出した。




「でかしたぞ杉本、これで君は」駒村が杉本に話しかけていると突然会議室のドアが開き少し息を切らした鈴木の姿が見えた、未だ会議室には警視正の駒村、警視監の石原、そして金子長官も居座っていたそしてその横で杉本が立ちすくしていた、「鈴木
!何のようだ」杉本が強い視線を送りながら話してきた、鈴木は丁寧な口調で話し始め駒村と杉本がいる所へとかけよってきた、「今が事件の大事なときだと言う事は承知していますが、申し訳ありませんが東竜二に1つだけ聞きたいことがあります、どうか少しだけ教えてください、杉本警部一体どこから東の証拠を」「全くだ容疑者確保優先するはずが、自らの事を優先するとは」駒村が後ろに手を組ながらゆっくりと鈴木に近付いてきた、「鈴木、ここではなく別の所で教えてやる、来い」鈴木は駒村をじっと見つめ頷いた、「わかりました」。
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