浮気されるのを死ぬほど恐れていた私が浮気してしまいました。

第６章 後輩君の友達

３２話

結局後輩君が誰と出かけるのか分からないまま、


当日になってしまった。






朝からいつも以上にテンションが高い後輩君、




鼻歌なんか歌っちゃって







そりゃそうか


残業しなくていいし

女か男か分かんないけど友達と会えるし

美味しい物食べられるし





鼻歌も歌っちゃうよねそりゃ。









「ちょっと後輩君、落ち着きないよ」







時計をチラチラ見ながら作業をする後輩君、




私はたまらず声をかけた。







「あ…ごめんなさい
今日の夜が楽しみすぎてやばいっす」







うん……


そうだろうね



楽しみだろうね





人の気も知らないで



のんきでムカつく。






誰と行くのかわからないから


色々考えてしまって余計にむかつく。







 もういっそ思いきって聞いてしまおうか、



今の流れなら聞けるかもしれない。








「そわそわしちゃって、
そんなに楽しみなの？？」



「そりゃもう」









ほら、ここで




"もしかして彼女？？"


って聞いちゃえよ




いや、聞くな、聞いてどうする




いや別に聞いてもいいじゃん、

理由がよく分からないまま落ち着きなくそわそわされるよりましだろう





いやだめだって
聞くなって




いいっていいって
聞いちゃえって。














「もしかして彼女？？」












……聞いちゃったよ……

























「………まだ彼女………ではないっす
残念ながら………」




















あー……………



やっぱ女か






うん、分かってたけどね





女じゃなかったら逆に誰よって感じだったけどね









でも彼女じゃないんだね



今日告白するとか？？







女かどうかしっかり聞いてしまえばすっきりすると思ったのに
全然すっきりしない。








「そっかー……それでそわそわしてるわけだ…」









ひっそりと傷ついてる事がバレないように

なるべくいつも通りに返した。






もし私が後輩君を好きなんてバレたらとんでもないからね、




バレて恥ずかしいとかそんな事だけではすまない







彼氏君との関係も終わるし

浮気したってことで
会社の中での私も終わる


後輩君と彼氏君の関係も終わるかもしれない






絶対バレてはいけない


だから
誰と行くかとかも聞かない方がよかったのかもしれないけど、






無理





ごめん



聞いちゃった






変に思わないで


別に邪魔するつもりはないから





楽しんでおいでね


告白するなら
うまくいくといいね