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第5章 いじめ
22話
しおりを挟む「清子、大丈夫?」
キヨへのいじめが始まっても
咲、依人、春のキヨに対する態度は今までと全く変わっていなかった、
キヨが1人になった隙を見て
いつも3人は気にかけてくれた、
特に咲は
愛に文房具を隠されたりすると、
何を隠されたかすぐに気づいてくれて
自分の文房具をキヨに貸してくれた。
「愛、最近大人しそうに見えるけど
まだ清子に何かしてるんじゃないの?」
「そんなことないよ、普通に話してるよ」
「愛の他にも何人か女子いたけど
あいつらからも何もされてないの?」
道路に落ちてる小石を蹴りながら
依人が言った。
「うん、大丈夫だよ」
「でもあの人達授業サボったりあんまり良い噂聞かないよ、清ちゃん大丈夫?」
幼なじみメンバーの中で
一番背が高くなった春が
キヨを見下ろしながらそう言った。
「大丈夫だよ、一緒にサボらされたりもしてないし」
キヨは何を言われても笑顔で大丈夫だよ、と答えた、
そんなキヨを見て、心配そうな表情を浮かべる3人。
あぁ………
それだ…
その眼だよ……
その眼が嫌なんだ…
大丈夫って言ってるんだから
もうほっといてよ……
みんなのその眼が…
一番辛いんだよ。
「……本当に…大丈夫……
私には…帰るところがあるんだから…
本当の家が…あるんだから…」
みんなと目を合わせないよう
俯きながらキヨは呟いた。
「…清子…何言ってるの?」
咲に肩を掴まれ
我に帰った、
危ない
自分の正体を明かしてしまう所だった。
自分には帰る星がある、
自分の使命を果たせば、キヨは自由になり、
星に帰れる。
これはキヨの心の大きな支えとなっていた、
その支えを実感するために
度々こうして口にしてしまうこともあった、
まぁ、もし私には帰る星があるのと言ったところで誰も信じないだろう、
頭がおかしい
何か妄想してるんだな、
と思われるだけ、
幼稚園児だった時も
よく先生に
「私にはね、お空におうちがあるんだよ」
なんて事を話していた
でも先生は苦笑いを浮かべるだけだった、
咲達に話しても
笑われ、心配されるだけだろう、
気を付けなければ。
「とにかく本当に大丈夫だから
心配しないで!」
キヨはそう言い、走り去った。
走りながらチラッと後ろを見ると
3人とも私を見ている。
心配かけてるんだろう、
それは分かってる
でもそっとしておいてほしい、
愛達の言うことを聞くことで成り立つ平和
作り物の平和
偽りの平和
そんな平和でもキヨはよかった、
どうせ私はこの星に長くはいないんだ、
別に作り物の平和だろうがなんだろうがどうでもいい、
でも星に帰るためには
自分が何をしに来たか
何が自分の使命なのか
思い出さなければならない、
いつになったら思い出せるのだろうか、
キヨは見えるはずもない自分の星を探すかのように、
空を見上げた。
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