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第11章 次の使命
51話
しおりを挟むキヨに次の使命が与えられたあの日から1年以上が経った。
キヨには再び彼氏ができていた、
彼の名は、渋川陸
結婚を前提にしたお付き合いだった。
恋人ができても幸せになれないことは
明との付き合いで分かったし、
能力獲得ももう必要ないから経験値等もいらない、
なのに何故またキヨは恋人を作ったのか、
それは、陸が特別な人だったからだ。
明とは全然違う、
キヨの意見を尊重し、
自分の気持ちを押し付けない、
ぐちぐちと済んだことをずっと怒ったりはしない、
しかしいけないことはしっかり言ってくれる、
価値観もあっていた、
会うペースにも無理が無かった。
彼なら、
彼となら、本当の幸せを見つけられるかもしれない。
キヨは、
陸と結婚し、子供を産み、
家族を持ち、愛情や幸福に満ち溢れたその時がゴールだと、確信していた。
「清、明日は病院だっけ?」
「うん、でも午前中には終わるよ」
明と付き合っていた時、
心を病み、生活が大きく荒れていたキヨ、
食欲や気分の落ち込みは治ったが、
出血や生理不順は治らなかった。
陸と結婚し、子供を持つことを目標にしているキヨにとっては、大きな問題だった、
子供が産めないとなると、
またキヨの人生は狂ってしまう、
まだ籍を入れる前だったが、
キヨは積極的に病院を受診していた。
荒れた生活も元に戻す様努力をした、
食事にも気を使った。
次の使命が明確になり、
キヨはそのためならどんなことでも頑張れた。
能力獲得や罰に比べたら
幸福や愛情がどうのこうのなんて簡単なものだ、
キヨはそう思っていた。
フリーターだと不安定だと思い、
もう一度正社員を目指そうと資格の勉強も始めた、
恐らくキヨの人生の中で
今が一番やる気や希望に満ち溢れている時だ。
「清は本当色々頑張るね
無理しないでね」
「大丈夫だよ、ありがとう」
陸には、
以前少し心を病んでしまっていたことを
ぼんやりと告げていた、
元カレがどうだ、自殺がなんだ、
等細かい事は伝えず、
ちょっと疲れてしまったんだ、ということだけ伝えていた。
そのため陸は仕事や資格の勉強を頑張るキヨを少し心配し、気遣っていた。
そしてキヨも、陸の事を気遣っていた、
仕事の事で悩んでいたら、積極的に話を聞いた。
誰かを支えてあげよう、
そんなことを考えたのは陸が初めてだった。
きっと陸なら、
陸となら、
陸といれば、
私は間違いなく大丈夫だ。
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