地球人のふり

はに

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最終章

62話

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「えっ…あの……ここってサンコ星ですよね?
私帰ってきちゃったんですか??」






キヨは慌てて女性に問いかけた、

しかし女性は、
今から説明する、とだけ言って
何も答えてくれなかった。








「とりあえず、その場に座ってください」







キヨとヨルは、ベッドに腰かけた。












「察しの通り、ここはサンコ星です、
あなた達2人は無事使命を全うし、星に戻ることを許されました、おめでとうございます、
お疲れ様でした、
では再び星の住人となるためにこの書類に……」





「ちょちょちょちょっと待ってください!
え!?終わりなんですか!?」







突然すぎて状況が飲み込めてないキヨ、
思わず女性の言葉を遮った。






「はい、終わりです」

「全部ですか!?」

「全部終わりです、お疲れ様でした」





キヨは黙ってヨルの方を見た、

ヨルは落ち着いた表情をしていた、
キヨと違って状況を既に飲み込めているらしい。








「え……ヨル……どうしたらいいの…?」


「…どうしたらって………、
使命を全うしたと認められたわけですから、
とりあえず安心したらいいんじゃないですか?」











…安心…





確かにそうだ、


キヨはずっとこの日を待っていた、
全てを許され、認められ、
星に帰る日を待っていた、


ようやくその日が来たのだから
安心して喜ばないといけないのに、

キヨの心は複雑だった。







まだたくさんやり残したことがあったからだ。






居酒屋のみんなと、
来週たくさん予定を入れてるのに、
何もまだできてない、


そもそもいきなり消えてみんなどう思うのだろう、


両親にもあってない、


咲のお墓にも、今年はまだ行ってない。









「どうしましたか、何か忘れ物でもしましたか?」

「忘れ物…っていうか…
まだやりたいことがあって……」






散々限界だ、帰りたい、と言っていた癖に
いざ帰るとなると、まだやりたいことがある、なんて

きっと怒られるだろうな、

キヨはそう思ったが、

意外なことに女性は笑みを浮かべた。









「では、地球に戻りますか?」

「えっ、戻れるんですか?」

「あなた達2人は今地球で、意識の無い状態になっています、
ここで手続きを終えれば、地球では死亡という事になります、
まだ手続きを終えていないあなた達は、地球に戻ることができます」








サンコ星に帰るということは、
地球では、死んだという事になる、



今キヨとヨルは意識の無い状態、




今頃病院に運ばれているのだろうか、
それとも誰にも気づかれずまだ部屋で寝ているのだろうか、



いきなり死んだら

親は悲しむだろうな、




居酒屋のみんなも
キヨが来ないことを不思議に思うだろう、


来週色々約束したのに、
約束を破ることになる。






それは、嫌だ。














「…地球に、戻っていいですか?
みんなに挨拶だけしたいです…」









キヨのその言葉を聞き、


女性の顔からは笑みが消えた。










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