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海へ 7

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小川さんは声を出して笑った。

「あははっ…追加注文か…。追加したいのは咲妃ちゃんだった…てな」

ふいに見つめ合う。

もう一度唇を重ねた。



風が冷たい。
まあまあ強くなっている。
抱き合っていれば体温で暖かいのだが、それでも少し冷えてきた。

「ちょっと…寒いですね」

「そろそろ行こうか」

手を繋いで歩き出す。

咲妃のヒールはやはり砂にはまってしまう。

小川さんは手を引きつつ歩調を合わせてくれる。

咲妃は幸せを感じながらゆっくりと車へと向かった。
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