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番外編 〜プロジェクトX〜 3
しおりを挟むゴッホの池第一駐車場に車を駐める。陽はすっかり落ちて、辺りは暗い。スマホのライトを頼りに研究所を目指す。花屋の店舗は閉店時間なので入れない。この時間に研究所を訪ねるのは初めてだ。どこから入ったらいいのだろうか?
ここは山の中だ。不審者よりも、野生の動物の方がよっぽど怖い。早く悠さんと合流したいけど、どうしたものか。
研究所の周りをスマホを片手にウロウロしていた。
「どちら様?事と次第によっては通報しますよ?」
不意に、全身を光に照らされる。
「ま、ぶしい、です。光、下ろして貰えませんか…?」
「……!美咲?」
私の全身を容赦無く照らし、冷たい声を浴びせたその人は───悠さんだった。
研究所の中には理科室で見たことある実験道具が所狭しと置いてある。分厚い、専門用語だらけの難しそうな本が乱雑に積まれ、少しでも触れたら崩れそうだ。
「こんな時間に、どうした?俺、まだ終わらないんだけど…」
外では野生動物が近づきそうで危険だからと、研究所の中に入れてもらった。白衣姿の愛しい夫にうっかり見惚れかけたけど、家の中とは違う、若干迷惑そうな表情に気付いて気分が落ち込む。
「差し入れ…持って来たの」
手にしていた保冷バッグを差し出した。バッグのファスナーを開けた彼は目を見開いた。
「こんなこと…いいのに」
喜んでもらえると思っていた私は浅はかだったのだろうか。そうだよね。不審者みたいに研究所の周りをうろついて、悠さんの集中を邪魔してしまった。目頭と喉の奥が熱くなる。
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