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しおりを挟む「おはよう。1限って早いよね」
花音は今日も控えめに華やかだ。アイライン綺麗に引けてるな。私、アイライン引くの苦手なんだよね。
「いやいや桃歌、高校より始まりが遅いじゃん?」
「昨日バイトだったから」
昨日のおしゃべりが盛り上がっちゃって、帰宅したのは午前1時に近かった。両親が爆睡してて良かった。
「バイトなんだったっけ?」
「喫茶店。ロミオってあるじゃん」
「あるね。どこの?」
「地元の駅の近く。そうだ、亜樹も同じロミオでバイトするんだって」
「そうなの?桃歌ちょっと先輩?」
「亜樹は高校の時にロミオでバイトしてたみたいだから亜樹の方が先輩になるみたい」
緩やかな坂を登り切ると校舎が見えた。買ったばかりのピンヒールで駅の階段とこの坂道って靴擦れができそうでヒヤヒヤする。前方に亜樹と百永が見えた。自然と私と花音の歩くスピードが上がる。
声を掛けようとした花音を制した。そうっと近づいて、驚かせてやろう。2人の真後ろに近づく。
「おはよ!」
2人して肩がびくっと動いた。
「ちょ、桃歌……」
「びっくりするじゃん」
呆れ顔の亜樹とまだ固まった表情の百永。うん、いい反応頂きました。
今日の1限は日本国憲法。全員履修の必修科目、一般教養だ。当然、社会科であるはずの花音も私達国語科女子一同と一緒に着席した。
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