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CHANCE 4
しおりを挟む疲れた。私、お酒は本当はそんなに好きじゃない。ジュースみたいな、本当に甘いお酒しか飲もうという気になれない。にこやかにビールやら日本酒やら勧めてくる輩には本気で殺意が湧いてくる。
ふと隣を見ると、新庄ちゃんが高橋さんと一緒に日本酒を飲んでいる。この可愛らしい子が日本酒を嗜むというギャップ、本日の一等賞、いや、優勝だな。高橋さんにロックオンされたいのは私なんですけど。新庄ちゃんがロックオンされてどうすんのよ。新庄ちゃん、そろそろ空気読んで浅見さんと激似の高橋さん、解放してくれないかな?
今回私にロックオンしてきたのは佐藤さん(たぶん)だ。お呼びでないんですけど。あなたじゃないんですけど。私は高橋さんにロックオンされたかったのに。でも恐らく高橋さんと仲が良いかもしれない佐藤さんを高橋さんの目の前で無下にするわけにはいかない。ええ、冷たくなんかしませんよ?仕事用スマイル、継続中なのよ?だからしつこく私に焼酎を勧めてくるのは本気でやめて、佐藤。ああ、もう呼び捨て。いいか、本人に聞えてなければ。芋焼酎と麦焼酎の違いやら銘柄やら、私、全く興味無いんですけど?
高橋さんがトイレに立った。少し間を空けて私も行こう。気づいてもらわないと。高橋さんが今日ロックオンするべき相手は新庄ちゃんではなく、この私、早乙女梨愛だということを。
「新庄ちゃん、可愛い顔して結構飲むんだね」
佐藤が新庄ちゃんに話題を振る。いいぞ。そのまま新庄ちゃんにロックオンしてしまえ。そして私は高橋さんと…。
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