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しおりを挟む瞬く間に朔さんの口の中に消えゆくお肉達。朔さんの、お肉を網に置くスピードが早過ぎて。いつもなら焼きを担当することが多い私だけど、今日は出る幕は無さそう。
テーブルいっぱいに置かれていたお肉のお皿はどんどん空になっていく。呆然とその光景を見ていた。
「碧ちゃん?遠慮しないでどんどん食べてよ」
「食べてます。てか、朔さん、食べるスピード早過ぎません?」
「いつもこんなもんだよ。同僚達と食べるよりは今日はゆっくりめなんだけど…」
「これでゆっくりなんですか⁉︎」
寧ろ食べるペースを遅くしていた事に驚いた。
「あんまり早いと碧ちゃん引くかなーなんて」
「十分早いですよ。引いてはないけど驚いてます」
笑いを堪えながら告げると、朔さんは照れ臭そうに笑った。
「…って、朔さん野菜は?」
「ここは焼肉屋だよ」
「いや野菜も食べましょうよ」
テーブルのタブレットでサラダと焼き野菜を選択する。
「肉も追加しようか」
「まだ食べるんですか⁉︎」
「まだ序盤だから。ん…この、壺に入ってる漬けカルビ、惹かれるなあ」
「注文しましょうか」
「あと豚トロとロースと…カルビのねぎ塩と…」
無限に注文する勢いだな。どれだけ食べるんだろうか?
「碧ちゃん、ビール飲む?」
「いつもは飲みます。でも朔さん運転だから今日はソフトドリンクで」
「ビール、と…」
「だから朔さん」
「俺、ノンアルコールのビールいくから」
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