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afternoon tea 5

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「──で、夢に出てきたって言って、どんな反応だったの?」
英が楽しそうに尋ねつつ、小さなタルトをトングで掴もうとして掴めない。もういっそ、お皿に滑らせたらいいと思う。

「何と返したらいいやら…って言われた」
さっきとは違う方向へ遠い目をする澄麗。カフェ・オ・レの減りは早いけどヌンティーのケーキ達が減ってないぞ。通常モードでも、この4人で一番食べるのが遅いのは澄麗だ。

「うーん、返答に困った…ってこと?」
梨愛が器用にタルトを上手にトングで掴んでお皿に置きながら話す。さすがヌンティー経験者。

「返答に困るってことはさ。脈無しでしょ。脈有りなら喜ぶところじゃんね?居た堪れなくて即話題変えたわよ」
あ、やっと澄麗がスコーンに手を──性格にはトングを──伸ばした。

私ら3人はスコーンを直接齧るのに対し、澄麗は上下半分に分けてから齧る派みたいだ。女ばっかなんだから大口開けてもいいのに。そういえば澄麗は茶道経験者だったっけ。

クリームチーズは山盛りに添えるけど、でも大口にならずに食べられるのは上下半分にしたからか。遠い目をしてても綺麗に食べるのは澄麗らしい。


「ねぇ、それを言われた九条先生はどんな顔してたの?」
あのポーカーフェイスがどんな風に崩れたかにもよるよね。でも九条先生からの澄麗へのベクトルは職員室内であってもバレバレなんだよね。寧ろ仲良しなのを見せつけているというか。

「……顔、見られなかった。夢の話も九条くんの顔を見ないで言ったし。返しもそんな感じだったから、顔なんてとても見れなかったの」
「え、澄麗ちゃん、可愛い…」
梨愛が呟く。私も同意見だ。
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