132 / 288
疑惑 3
しおりを挟む何度も貫かれ、はしたない声が喉の奥から勝手に出てくる。私の意思に反して身体中が時緒の求めに従順になっていた。
夜の闇が深くなっている。時緒の腕の中で、そのまま眠ってしまっていたみたい。
今日こそは、って思ってたんだけどな。時緒は話したくないかもしれないけど。でも何かを抱えているなら、吐き出すぐらいのことはしないも辛くなる。きっと今、時緒は辛いんだと思う。
「う……ん…」
眠っている時緒の表情は、苦しそう。うなされているのかな?うなされてるなら、起こした方がいいのかも。
「時緒…?ねえ、時緒?」
彼の肩の辺りをそっと叩いてみる。
「う……」
うなされたまま、目を覚さない。
「ねえ、時緒?時緒⁉︎」
今度は強めに肩の辺りを叩いた。
「ん…?英…どうした…?」
気怠そうに目を開けた彼は、起き上がった私の身体に腕を伸ばした。
「どうした、って…。時緒、うなされてたよ?」
あっという間にまた腕の中に閉じ込められる。
「うなされてた?」
「苦しそう、だったよ?」
「そうか…」
それ以上何も言わない。ということは、思い当たる節はあるんだよね、きっと。
「時緒、何かあった…?」
彼の身が一瞬硬くなった。
「え…何で…?」
「今、身体が一瞬硬くなったよ?」
「それは英のせい」
「……そうじゃなくて。全身が、だよ?」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる