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J’adore[ジャドール] (梨愛 act4)
しおりを挟む甘い。満紘が毎日甘過ぎる。幸せ。
かつて可愛いかった愛しい幼馴染は、毎日甘い言葉をこれ以上無いくらいの甘く低い声で囁いてくれる。
アパートの隣の部屋の住人のはずの満紘は、ほぼ毎日私の部屋に入り浸っている。一緒にDVDを観るときは、私が満紘の部屋に行く。大抵観てる最中にちょっかいかけられて、最後まで観られないことが多い。
まさか満紘が私の浅見さんだったなんて。灯台下暗しとはこのこと。ずっと幼馴染で一緒にいたし、満紘が私を恋愛対象で見ていただなんて夢にも思わなかった。そして私も満紘を恋愛対象に考えたことが無かった。
満紘がずっと私を好きでいてくれていたのは奇跡だと思う。運命だとか、そんな大袈裟な言葉は私には使えない。でも今の私は、満紘が大好きを毎日伝えてくれて、幸せ過ぎてふやけそう。
年下だろうが、年上だろうが、年齢なんてあんまり関係無いって段々とわかってきた。伊達に合コンに精を出しまくってない。百戦錬磨のデパコス美容部員は、男を見る目を嫌というほど養ってきた。
でも私の王子様は合コンにはいなかった。こんなに近くにいたなんて…!
「先輩」
何故だろう。満紘が過去最高にカッコよく見える。
「先輩ってば」
今日は何作ろうかな。満紘は私の作る物なら何でも喜んでくれる。
「せーんーぱーいー!梨愛先輩ってば!」
「え、新庄ちゃん。どしたの?」
「どしたの?って…。それ、私の台詞ですって」
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