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tentations[トンタシオン 〜誘惑〜] 5
しおりを挟む「梨愛ちゃんは?彼と結婚したいと思うの?」
満紘と結婚……。いまいちピンとこないのが本音。
「今の生活の延長線上に結婚があるなら……それでといいかなって思ってる」
「あんなに結婚願望強くて、王子様を探しまくってた梨愛からそんな言葉が出るなんて……」
碧が大袈裟に目を見開いて両手で口を覆った。
「なんてね。梨愛はしっかりしてるから、案外考え方は現実的だよね」
さすが碧。わかってんじゃん私のこと。
「ただ……。その、物騒な話があるっていうのがね」
「引っかかるよね。梨愛、やっぱ追及は必須だよ。もう、今日帰ったら何が何でもだよ。満紘くんの帰りが遅かろうが何だろうが、人生に関わることだよ」
人生か……。そうね、結婚って人生の一大イベントだもんね。それで今後の人生の方向性も随分変わる、と思う。
「──うん、今日満紘が帰ってきたら追及してみる。それがはっきりしないと」
「前に進めない。そうよね、梨愛ちゃん」
「梨愛、私真横にいようか?」
「碧、それじゃ保護者だよ」
「私、梨愛の保護者だから」
「真顔で言うと本当っぽいからやめて碧」
「碧は私のほぼ保護者かもね。でも、今日は自分だけで何とか向き合ってみる」
向き合う。満紘とちゃんと向き合うって大事だ。いつもいつも、満紘に流され気味なんだけど。今日は私の意思で、しっかりと満紘と話をしなきゃ。
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