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夜間飛行 (梨愛 act8)
しおりを挟む英ちゃんからのメッセージ。それは、緊急事態を知らせるものだった。朔に連絡を取りたいって?え、どういうこと?時緒さんと朔って敵対してる状況じゃなかったの?でも朔を頼らないといけない状況であるのは間違いなさそう。色々聞きたかったけど、ぐっと堪えて朔に伝えた。
結構な勢いでメッセージアプリにひたすら文字を打ち込む私を見ていた満紘は、怪訝そうに私を見ていた。
「梨愛?ずっとスマホいじってるけど。すっごい真顔だけど何かあった?」
いつもなら私がスマホをずっといじっていたり、他の人相手にメッセージを送ることにいい顔をしない満紘だ。でも今日は、珍しく妬くこともなく心配してくれてるのが、ちょっと嬉しい。そうじゃなくて。緊急事態なんだから。浮かれちゃダメでしょ私。
「何かは……あったんだけど。私が勝手に話していいものかどうか……」
警察が絡む話だ。個人情報という概念もある。いくら満紘相手でも、簡単に英ちゃんの事情を話すことに躊躇いがあった。
「こないだ怖い思いしたばっかだろ。梨愛が何かに巻き込まれていないか、俺心配なんだよ。朔兄ぃにも梨愛のことよろしくって言われてるし」
真剣な表情で私を見つめて話す満紘は、言い終わるとにかっと笑った。
「うーん、朔も絡んでいるといえば絡んでるんだけど……どこから話したら良いものか」
「ゆっくり話してくれればいいから。俺、秘密は守るから」
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