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第一章。
恐るべし、快楽落ち。
しおりを挟むそれからトントン拍子に事態は好転した。
まず、悪代官はと言うと…単純に美しい僕を辱めたかっただけという個人的性癖を満たすための理不尽極まりない理由で、巫女を受け入れる仕来りとでっち上げたようだ。
騙される魔術師達もなかなかだと思うが…。
よって悪代官は領地追放となり、どこぞへ消えたという。
ざまあみろだ、この世の中、悪は栄えないんだ。
そして僕の待遇は随分と変わった。
あのような行為はされない…って…言って…
「やんないって…、んっ、言ってたじゃ、んんッ!」
「魔力供給は必要だろう。それに複数ではない」
油断していた。
ナチュラルに薬をもられてこのザマだ。
「あぅ、いらなッ、ッん!!」
「随分と善さそうだが」
確かに、信じられないことに、魔術師のおセックスは気持ちがいい。
たった一度の行為でイイトコを全部知られてしまった感が否めない。
ソファーに腰を掛けた魔術師の上で背後から貫かれている。
ゆらゆると揺さぶられて、小粒な桃色乳首もすでに紅く尖っている。
ひたすら焦らすように撫でられ掠められ、僕はとめどなく喘いでいだ。
「あッ…ふ、ぁ…」
もどかしさを覚えてしまっている身体も小刻みに震えてしまうし、マイサンは親指と人指し指でゆるゆると扱かれ透明な液体をトロトロと流している。
射精感は少し遠くて、苦しいのに気持ちいい。
「もッ…、出した、い!…出した、ィっ!!」
「強請り方を忘れたか?」
なし崩しに求めてしまう僕は、やはり快楽に弱いのだろうか。
「もっと強くッ、触れ!!中もっ、もっとッ!!」
「色気がない…なっ!」
身体が跳ねてしまうほどの強い突き上げに乳首も痛いくらいに抓られてこねられて、マイサンの鈴口を爪で弾かれた。
後孔はぐちゅぐぢゅと卑猥な水音をあげ続けている。
「んぁッ、きもち、きもちぃ…あぁ…」
「そりゃ!良かったっ!」
「んぅ!でる…でぅッ!」
と、気持ちいいまま射精できるのは幸せだと、脳みそが勘違いしてしまいそうな程に気持ちが良かった。
しかし、落ち着いて魔力供給を受けたことで、ひとつわかったことがある。
意識を飛ばさないから気づけたことだ。
魔力の流れを感じることができた。
それはなんとなく、あの魔法まで使えそうという曖昧な感覚だ。
数値の表記がされれば楽なのに。
それと魔術師が行為のあとは意外と優しいことも知ってしまった。
足腰のたたない僕をバスタブに浸すと、甲斐甲斐しく頭を洗い身体を洗い…、反応したマイサンの処理を行ってから、丁寧に身体を拭いて髪の毛も乾かしベッドに寝かせるのだ。
何だこれは…、本当にあの魔術師と同一人物なのだろうか。
本気で疑問を覚えそうだ。
「喉…乾いた」
「あれだけ善がって鳴けば、乾くだろうな」
前言撤回だ、この減らず口は間違いなく魔術師本人だ。
果実酒の注がれた杯を口元まではこばれて、大人しく飲み干した。
「美味しいなこれ…」
「良く眠れるだろう」
身体がほんのりと温かくなって、瞼はゆっくりと下りた。
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