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第一章 冒険者活動始めました
第四十六話 オーク討伐 前
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「ん?朝か?」
俺は外の騒がしさで目が覚めた。テントの外を覗いてみると、みんなテントを片付け始めており、中には既に終わって雑談をしている人もいた。
「やべっ急がないと」
俺は靴を履き、ローブを羽織るとテントから出て、テントを片付けた。ウォルフさんから貰ったテントで、ボタン一つで片づけられるので、一瞬で片づけが終わった。近くにいた人たちはテントの片づけに夢中だった為、俺の片づけを見ていなかったのだが、もし見られていたらうらやましそうな視線を浴び続けることになること間違いなしだ。まあ、その時はその時で運命だと思って諦めよう。
そんなことを思いながら俺は〈アイテムボックス〉から塩パンとピザパンを一つずつ取り出し、朝食とした。
その後、いつものようにコップに水を注いで飲んでいるとザクさんから全員集合の合図がかかった。
「よし。これから出発する。昨日の偵察では四百体のオーク、その内の五十体がオーク・メイジ、そしてこれらを束ねる一体のオーク・キングが確認できた。くれぐれも油断しないように!」
予想以上のオークの数にみんな動揺していたが、Dランク以上の冒険者ということもあり、直ぐに落ち着きを取り戻した。
こうして俺たちはオークの集落へと向かって歩き出した。道中で森猿、森狼、レッドゴブリンなどに襲われたが、他の人たちが難なく討伐していった。そして、三十分ほど歩いたところでオークの集落を囲む丸太の塀が見えてきた。
「よし、あれがオークの集落だ。この集落をぐるっと囲んでから攻める。あと、オーク・キングがいる場所には印をつけておいた。そこにはユート含む赤き龍が向かってくれ。あとはこの集落を囲むのだが、北側と南側の人を多めにしてくれ。どうやらこの集落の出入り口はその二か所にあるようだからな。
(あ、そうなんだ…)
オーク・キングの気配を探すのに熱中しすぎて見ていなかった。それにしても一緒に偵察に行ったはずなのにどうしてここまで出せる情報が違うのだろうか…まあ、流石は支部長だ。
取りあえず作戦が決まった為、俺たち四人はザクさんが昨日印をつけた木へ向かった。
今、俺たちは印をつけた木の上からオークの集落を見下ろしていた。オークの集落は開けた場所にあるので朝日がよく当たる。こうしてみるとやっぱり数が多い。
「……小屋の数が多いな。もしかしたらあの中にさらわれた人がいそうだな」
「ん?さらわれた?」
「ああ、オークは他種族の、主に人間の女性を連れ去って繁殖の苗床に使うからな。急激に増えたことからも多分十数人は連れ去られているかもしれない。だから小屋にはあの魔法を当てるなよ」
そう言えば前にオークを〈鑑定〉した時にそういう説明が書かれていた。それは早く救出してあげないといけない。ただ、
「ユート、早く助けたい気持ちは分かるがのろしが上がるまでは動いちゃダメだぞ」
と、今にも跳び出しそうだった俺をカイが手を俺の前に出して止めた。
俺はあまり落ち着いていなかったことに気づき、押しとどまった。そして、
「ん?のろしってなんだ?」
と、聞いた。
「……あ、お前そういえばあの時寝てたからな……朝に支部長が『黄色いのろしが攻撃の合図だぞ!』って言ってたんだ」
ザクさん。どうしてそんな大切な話を最終確認の時にしなかったんだ。もしここにいる人が聞いてなかったら相当まずかった気がする。
そう思っていると、反対側から黄色い煙が立ち上った。
「よし、行くぞみんな!」
三人は一斉に木から直接オークの集落の中に跳び降りた。
「わ、分かった」
いきなりの出来事に慌てたが、俺は〈身体強化〉を使って直ぐに三人の元へ追いついた。
「やるか…」
俺は〈アイテムボックス〉から白輝の剣を取り出すと〈氷槍〉×五十をオークに向けて撃ち込んだ。もちろん小屋には当たらないようにしているので問題はない。
「グ……ガ……」
「グガァ!」
いきなりの出来事にオークたちは混乱しているようで、何も出来ないまま前方にいた五十体が頭にピンポイントで命中して死んだ。動く的は当てづらいが混乱していて全然動かない的なら案外当たるものだ。
「おいおい相変わらずスゲーな」
カイは呆れが混ざった称賛の声を漏らした。
「グギャゴォギャゴォ…」
二十メートルほど先に杖を持ったオーク・メイジが四体現れるとそれぞれ〈火球〉、〈火矢〉、〈土弾〉、〈風刀計二百個くらい撃ってくる。
「多いな……ん?」
俺はその場で〈結界〉を使った。すると、多少魔力を込めたくらいで全て防ぐことが出来た。
「あーこれ数が多いだけのハリボテだな」
恐らく必要最低限の魔力しか込められていない。
ただ、また撃たれるのはめんどくさいのでオーク・メイジが再び詠唱(?)をしている隙に〈氷槍〉を撃ち込んで倒した。横を見ると、赤き龍の三人もオーク・メイジを一人一体ずつ倒していた。これなら魔法の援護もいらなさそうだ。そう思った時、小屋から防具を着ており、右手には大剣を持ったオーク。昨日偵察の時に見たオーク・キングが姿を現した。
俺は外の騒がしさで目が覚めた。テントの外を覗いてみると、みんなテントを片付け始めており、中には既に終わって雑談をしている人もいた。
「やべっ急がないと」
俺は靴を履き、ローブを羽織るとテントから出て、テントを片付けた。ウォルフさんから貰ったテントで、ボタン一つで片づけられるので、一瞬で片づけが終わった。近くにいた人たちはテントの片づけに夢中だった為、俺の片づけを見ていなかったのだが、もし見られていたらうらやましそうな視線を浴び続けることになること間違いなしだ。まあ、その時はその時で運命だと思って諦めよう。
そんなことを思いながら俺は〈アイテムボックス〉から塩パンとピザパンを一つずつ取り出し、朝食とした。
その後、いつものようにコップに水を注いで飲んでいるとザクさんから全員集合の合図がかかった。
「よし。これから出発する。昨日の偵察では四百体のオーク、その内の五十体がオーク・メイジ、そしてこれらを束ねる一体のオーク・キングが確認できた。くれぐれも油断しないように!」
予想以上のオークの数にみんな動揺していたが、Dランク以上の冒険者ということもあり、直ぐに落ち着きを取り戻した。
こうして俺たちはオークの集落へと向かって歩き出した。道中で森猿、森狼、レッドゴブリンなどに襲われたが、他の人たちが難なく討伐していった。そして、三十分ほど歩いたところでオークの集落を囲む丸太の塀が見えてきた。
「よし、あれがオークの集落だ。この集落をぐるっと囲んでから攻める。あと、オーク・キングがいる場所には印をつけておいた。そこにはユート含む赤き龍が向かってくれ。あとはこの集落を囲むのだが、北側と南側の人を多めにしてくれ。どうやらこの集落の出入り口はその二か所にあるようだからな。
(あ、そうなんだ…)
オーク・キングの気配を探すのに熱中しすぎて見ていなかった。それにしても一緒に偵察に行ったはずなのにどうしてここまで出せる情報が違うのだろうか…まあ、流石は支部長だ。
取りあえず作戦が決まった為、俺たち四人はザクさんが昨日印をつけた木へ向かった。
今、俺たちは印をつけた木の上からオークの集落を見下ろしていた。オークの集落は開けた場所にあるので朝日がよく当たる。こうしてみるとやっぱり数が多い。
「……小屋の数が多いな。もしかしたらあの中にさらわれた人がいそうだな」
「ん?さらわれた?」
「ああ、オークは他種族の、主に人間の女性を連れ去って繁殖の苗床に使うからな。急激に増えたことからも多分十数人は連れ去られているかもしれない。だから小屋にはあの魔法を当てるなよ」
そう言えば前にオークを〈鑑定〉した時にそういう説明が書かれていた。それは早く救出してあげないといけない。ただ、
「ユート、早く助けたい気持ちは分かるがのろしが上がるまでは動いちゃダメだぞ」
と、今にも跳び出しそうだった俺をカイが手を俺の前に出して止めた。
俺はあまり落ち着いていなかったことに気づき、押しとどまった。そして、
「ん?のろしってなんだ?」
と、聞いた。
「……あ、お前そういえばあの時寝てたからな……朝に支部長が『黄色いのろしが攻撃の合図だぞ!』って言ってたんだ」
ザクさん。どうしてそんな大切な話を最終確認の時にしなかったんだ。もしここにいる人が聞いてなかったら相当まずかった気がする。
そう思っていると、反対側から黄色い煙が立ち上った。
「よし、行くぞみんな!」
三人は一斉に木から直接オークの集落の中に跳び降りた。
「わ、分かった」
いきなりの出来事に慌てたが、俺は〈身体強化〉を使って直ぐに三人の元へ追いついた。
「やるか…」
俺は〈アイテムボックス〉から白輝の剣を取り出すと〈氷槍〉×五十をオークに向けて撃ち込んだ。もちろん小屋には当たらないようにしているので問題はない。
「グ……ガ……」
「グガァ!」
いきなりの出来事にオークたちは混乱しているようで、何も出来ないまま前方にいた五十体が頭にピンポイントで命中して死んだ。動く的は当てづらいが混乱していて全然動かない的なら案外当たるものだ。
「おいおい相変わらずスゲーな」
カイは呆れが混ざった称賛の声を漏らした。
「グギャゴォギャゴォ…」
二十メートルほど先に杖を持ったオーク・メイジが四体現れるとそれぞれ〈火球〉、〈火矢〉、〈土弾〉、〈風刀計二百個くらい撃ってくる。
「多いな……ん?」
俺はその場で〈結界〉を使った。すると、多少魔力を込めたくらいで全て防ぐことが出来た。
「あーこれ数が多いだけのハリボテだな」
恐らく必要最低限の魔力しか込められていない。
ただ、また撃たれるのはめんどくさいのでオーク・メイジが再び詠唱(?)をしている隙に〈氷槍〉を撃ち込んで倒した。横を見ると、赤き龍の三人もオーク・メイジを一人一体ずつ倒していた。これなら魔法の援護もいらなさそうだ。そう思った時、小屋から防具を着ており、右手には大剣を持ったオーク。昨日偵察の時に見たオーク・キングが姿を現した。
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