暁、綴る言葉

みたかたかっぽう

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そういえば、あの頃ぼくは、教師をしてたなって思い出した。
それを思い出すと、走らずにはいられなかった。教室のあった僻地へ。
あの頃、父にはやく就職しろと迫られていたぼくは、唯一まだマシかなと思ってた教師という職業、いや「ごう」についた。
しばらくやって、ぼくは働くということがいかに命、心臓ではなく心でもなく脳でもなく「魂」にあっていないかわかった。
その日の授業では、10人もいない生徒に、そのことを90分も間延びさせて、長々と伝えて、その日からその学校という僻地に来ることはなかった。
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