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月下のメッセージ
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ふと窓の外を見ると、空には丸い月があった。
「今夜は満月かあ……」
タブレットから目を上げながらつぶやく。
南方に位置するこの地方でも、季節はもう秋。空気が澄んでいる為か、はっきりと
月が見える。
久しぶりに目にする月は金色に輝き、とても美しい。
眺めている内に、ふと誰かを連想してしまった。
(あいつ、どうしてるかな……)
考え始めると止まらなくなり、衝動のままスマートフォンに手を伸ばす。
既に時刻は深夜。
いかに親しき仲と言えど、仕事に多忙な彼女に電話をかけるには非常識な時間だ。
しかしメールならかまわないだろうとの認識で、軽くボタンを押した。
「オレだ。
今、時間があれば空を見てみろ。
月が綺麗だぞ。
元気にしてるか?
無理はするなよ。
オレの代わりに月が見てるからな」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ふと気付くと、空には丸い月が昇っていた。
「今夜は満月だったっけ……」
仕事を終え、ようやく自室に戻ってつぶやく。
最近、忙しくて夜空を見る事など無かった。
久しぶりに目にする月の輪郭は鮮やかな真円で、とても美しい。
眺めている内に、よく一緒に月を見た誰かを連想した。
(今、何してるかな……)
前の休みに会った後、駅では あえて笑って別れたけれど、内心はとても
寂しかった。
だけどあのまま一緒にいたら、ますます別れ難くなっていたはず。
思い出したら恋情は止まらず、無意識にスマートフォンに手をかける。
こんな遅い時刻に電話をするのは躊躇われたが、メールならかまわないだろうと
判断する。
彼の好きな色に塗ったネイルの爪先の指がボタンを押した。
「私。
今、時間があれば空を見てみて。
月が綺麗だから。
仕事頑張ってる?
無理はしないでね。
私の代わりに月が見てるから」
─── 互いの想いが月下で交差した。
終わり (LINEにするべきだったかな;)
「今夜は満月かあ……」
タブレットから目を上げながらつぶやく。
南方に位置するこの地方でも、季節はもう秋。空気が澄んでいる為か、はっきりと
月が見える。
久しぶりに目にする月は金色に輝き、とても美しい。
眺めている内に、ふと誰かを連想してしまった。
(あいつ、どうしてるかな……)
考え始めると止まらなくなり、衝動のままスマートフォンに手を伸ばす。
既に時刻は深夜。
いかに親しき仲と言えど、仕事に多忙な彼女に電話をかけるには非常識な時間だ。
しかしメールならかまわないだろうとの認識で、軽くボタンを押した。
「オレだ。
今、時間があれば空を見てみろ。
月が綺麗だぞ。
元気にしてるか?
無理はするなよ。
オレの代わりに月が見てるからな」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ふと気付くと、空には丸い月が昇っていた。
「今夜は満月だったっけ……」
仕事を終え、ようやく自室に戻ってつぶやく。
最近、忙しくて夜空を見る事など無かった。
久しぶりに目にする月の輪郭は鮮やかな真円で、とても美しい。
眺めている内に、よく一緒に月を見た誰かを連想した。
(今、何してるかな……)
前の休みに会った後、駅では あえて笑って別れたけれど、内心はとても
寂しかった。
だけどあのまま一緒にいたら、ますます別れ難くなっていたはず。
思い出したら恋情は止まらず、無意識にスマートフォンに手をかける。
こんな遅い時刻に電話をするのは躊躇われたが、メールならかまわないだろうと
判断する。
彼の好きな色に塗ったネイルの爪先の指がボタンを押した。
「私。
今、時間があれば空を見てみて。
月が綺麗だから。
仕事頑張ってる?
無理はしないでね。
私の代わりに月が見てるから」
─── 互いの想いが月下で交差した。
終わり (LINEにするべきだったかな;)
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