色のない世界のなかで

きよ

文字の大きさ
2 / 4

1話

しおりを挟む
教室に着いた七瀬恵里香は自分の席につきふと時計を見る。8時25分、ホームルームの五分前を指していた。クラスメイトたちは残り自由に席を立ち話をするなどして楽しんでいた。恵里香は席につき窓の外に目をやる。ちょうどその時桜の花びらが舞い上がってきた。後ろにいた数人のグループが急に盛り上がった。
「うわー、いまのみたまた?ちょー綺麗だったよ。」
「みたみた、やばかったよね。」
「なになにどんなだったの?」
「桜の花のピンク色が一面に咲いて凄かったの。」
「えーみたかったぁ」
はぁ。恵里香はため息をひとつついた。私も見てみたいなピンクに色ずいている桜を、こんな無色の桜じゃなくて...
恵里香は闇に染まったような目で呆然と外を眺めた。
「がらららら」
扉を開ける音とともに担任が入ってきた。
「おい、お前ら早く席につけ。チャイムなるぞ~」
ガタガタと机の音をならせクラスメイトたちは席についた。そしてまもなくチャイムがなった。
「おし、ホームルームはじめるぞ。まあ、まずは最初に昨日言ったように今日から転校生がこのクラスにくわわる。おい、はってこい。」
「はい」
ドアを開けよく整えられた服装をした男子が入ってくる。
「自己紹介をしてくれ。」
「津賀拓磨です。本当は昨日の始業式からこようと思っていたんですが、急な転校だったってこともあり都合が合わず今日からになりました。これからよろしくおねがいします。」
とてもシンプルな自己紹介だった。

あれ?おかしいな私なんでこんなこと思ってるんだろう?

恵里香は津賀拓磨をみながら考えていた。

見た目とか話し方とか普通になんともないのになんで私この人のこと【怖い】
って感じてるんだろう。

「じゃあ津賀お前の席は天堂寺のとなりな」
拓磨は歩き出して天堂寺という名前の男子生徒の隣の席に座る。
「これから宜しく」
天堂寺が元気に拓磨に挨拶をする。
「よろしく、えぇと」
「あ、名前言ってなかったね僕は天堂寺秀哉だよ」
「わかった、これからよろしくなて天堂寺」
「やめてやめて、天堂寺なんて堅苦しい。秀哉って気軽に呼んでくれ。」
「ああ、わかったよ秀哉。じゃ俺のことは拓磨って呼んでくれ。」
「もちのろんだよ、改めてよろしく拓磨」
時間は流れ4限が終了し昼休憩となった。恵里香はひとり教室をでて屋上へとむかった。ガチャりと扉を開くと風がいっせいに恵里香にむかってくる。

ああ、気持ちいいな。ここにくると色が見えなくても生きているって少しは実感できる。

まっすぐ歩き出しフェンスに手をおき景色を眺める。

でも...やっぱり色がないと悲しいな...

*        *          *
「拓磨ぁ、ひるご飯かいにいかない?」
天王寺秀哉が元気そうに問う。
「そうだな、あ、でもその前に行きたい所あるから先に行っといてくれ。」
「行きたいとこってどこ?」
「屋上」
「なんで?」
おかしいくらいにクビを傾げて秀哉は問った。
「屋上って色々なもの見えるだろここから見える景色はどんなのかって見ておきたいとおもってな。」
「かわってるね」
「そうかな」
「まあいいや、じゃ一緒に行こうか?」
「いや、1人で見たかいからいいや」
「そうかい」
少し悲しそうに秀哉はいった。
「よし。明日は一緒に購買行こうな。」
そういって拓磨は席を立って屋上にむかった。

*       *       *
恵里香は屋上のフェンスに手をのせ呆然と眺めていた。そしていつしか涙を流していた。

あ、また涙出ちゃったか。色が見えないなんて今に始まったものじゃないのにな。こんな調子じゃこれからやってらんな...

がちゃんと扉が開く音がして考えていることを一瞬忘れとっさに後ろを振り返る。頬を流れていた涙が少し飛んだ。扉を開けたのは転校生、津賀拓磨だった。
津賀拓磨は一瞬の硬直の後恵里香の方にむかって鬼の形相で走ってきた。

え?なんでこっちにむかって走り出してきたの?さっき感じたとおりやっぱりこの人怖い人だったの?え?え?

突然の事で恵里香の思考はまとまらなかった。そして腕を捕また、抵抗しようとしても恵里香の非力な力ではどうすることもできず強引に倒された。

倒されたといっても押し倒されて上にのられたとかではなくむしろフェンスからはなれるように後ろに思いっきり引っ張られて津賀拓磨もしりもちをついていた。そして津賀拓磨は恵里香の肩をもちいった。
「君は自殺はだめだ。どれほど君が苦しんでいるかは分からないけど死んだってなにも解決することじゃない。よく考え直せ。」
とてもとても真剣な眼差しだった。

....えーっと。どうなってるの?自殺?え?かんがえてもないんだけど。

恵里香は自分のさっきの状況を振り返る。

私は屋上に一人でいてそして泣いていた。そして後ろから扉が開く音に驚いて涙を流しながら振り返った。...あ、普通に自殺しようとしとるように見えるかも。

ふふっ、恵里香はそう思い出すと少し笑った。
「おい、笑い事じゃないんだよ。つらいことが君に起こってもそれは君のせいじゃない。わりきって生きていこうぜ。自殺だけはだめだって。」 
津賀拓磨が必死な顔で必死に問いかけているのを見るとなんだかおかしくてさらに笑いがこみ上げてきて笑うことを止められなくなってしまった。笑いながらなんとか声をしぼりだした。
「津賀くん、それ、ふふふっ勘違いだよ」
「え?」
その時の津賀拓磨のなんとも表現出来ない顔がまた面白くて恵里香はさらに笑ってしまった。

*         *         *
2人は屋上に座り込み話をすこしした。
「屋上にくるのはいつものことで、何故か今日はないてしまった?え?まってまってそれほんと?」
津賀拓磨は落ち着きもなく恵里香に聞いてきた。
「本当だって、だから津賀くんが急にむかって来た時何かわからず怖かったんだから。」
完全に津賀拓磨の脳はショートしきったようで話が入ってきてないように見えた。
「つまり、全面的におれの勘違い?勘違いで七倉の腕つかんで後ろに倒させて自殺について語ったてこと?」
やっと津賀拓磨の中で考えがまとまったようだった。
「うん、そういうと」
そういうと津賀拓磨は急に顔を赤らめ下をむいた。
「それ、俺完全にやばいやつじゃん。」
津賀拓磨は春の優しい風にも飛ばされると思えるほど小さく小さくなっていた。大胆な行動がかっこよかったよとかいって慰めてあげようともしたがむしろ傷つく気がしたのでやめた。それにその弱々しい姿を見ているとなんだか面白くて笑いをこらえる方に意識を集中する必要があった。

弱々しくしていた津賀拓磨だったが急真面目な顔になり恵里香を真正面に見つめた。

「でも、いろいろ俺の勘違いだったとしても、七倉がら泣いてたのは事実だよな?」
思い出したのか、それとも泣いていたのが異常事態だと気づける状況まで心が回復したのかどちらかは分からないがその質問は核心をついていた。
「うん」
恵里香は目も合わせずに答えた。
「何故か今日はないてしまったって言ってたけど何故かなんてことないよな?大体に自分の泣いた理由くらいじぶんでわかるものだろ。」
...恵里香の言葉は詰まった。

私は何故かって言ったけどそりゃあ理由は私のことなんだからわかってる。でも...説明しようとしてもあまりに特異な理由、色が見えないなんてことでないてしまったから説明しても信じてもらえないかもしれない。

「どう?わかんないの?」
津賀拓磨はさらに問を重ねてきた。

わかってる、わかってるけど...信じてもらえるかわからないから言いたくない。もし信じてもらえなくて周りにも七倉恵里香は色が見えないっていうキャラつくってる痛いやつだっていわれたとしたら...自分の本当に悩んでいることでいじめられたりしたら...その辛さははかりしれないものだよね...

気がつくと恵里香は泣いていた。
「ど、どうした?ごめん、言いたくもないことを俺が問い詰めすぎたせいで」
「い、いや、違うの...ただ怖くて。相談したのに信じてもらえなかったことかんがえたら..」
話しながらさらに涙が出てきた。

もうだめだ、何も考えれない流れる涙を止められない。 

「七倉、俺の目をみて」

不意に言われ、顔をあげた。目が合った。津賀拓磨の目は無色の世界からみても一片の嘘も無いような澄んでいた。

「俺は話したくないことは無駄に話すように強要したりはしない。でも、そんなに泣くほど悩んでいる人を見捨てることはできない。どうか、なんで泣いていたのか聞かせてくれないか。俺がその悩みをすぐに解決してやる。」

ああ、不思議だ。この目を見ていると絶対にこの人なら受け入れてくれるってわかる。どんな突拍子も無いことだって信じてくれる。そう思わせる。

決意を決めて袖でで流れている涙を拭き取り津賀拓磨をまっすぐ見つめる。

「ありがとう津賀くん、おかげで話す決心ができたよ」

ふぅ、とひとつ深い息をつく

「私、実は色が見えないの」
一瞬の沈黙があったようにかんじた。
津賀拓磨は酷く驚嘆した顔をしていた。
だけどそれは私にとっては嬉しかった。なぜならそれは津賀くんが私の言葉を嘘とせずにきちんと受け止めた証拠でもあったからだ。
「そ、それはどういう?の、なの?」
たどたどしく尋ねてくる。
「別に生まれつきみえないとかそういうのではないんだ。だから色はわかるよ、見えないけど...」
「いつからなの?みえななくなったのは?」
後半部分の声が少し欠けていた。多分見えないって言葉を使うことを躊躇してくれたのだろう。
「中二の時当たりかな。正確な日時とかは覚えてないんだけどね。」
「なにかあったの?」
「なにかあったの?か...なにかはあったんだろうね、でも分からないの。」
ここで1拍おいた、これを言ってもいいのかと思ったからだ。でも、このまでいったのだから言ってしまおうとおもった。
「だって、私そこで記憶喪失になってしまったから...」
「え?じゃあ記憶をともに色を失ったってこと?」
恐る恐る聞いてきた。
「うん」
ただ一言そう答えた。その途端津賀拓磨は少し震えだした。

そりゃそうだろうな。転校初日に急に屋上にいたクラスメイトの1人に色が見えなくてしかも記憶喪失したなんて言われたら、頭の処理が追いつかず恐怖すらかんじるだろう。

「ごめんね変な話しちゃって、でも、信じてくれたみたいで嬉しかった。ありがと。」
「いや、俺こそ悪かった。」
津賀拓磨はふぅ、と一つ息をつくと「よしっ」と、声をあげて立ち上がった。
「人が泣くぐらい悩んでることだったのに聞く側としての覚悟がなってなかったわ。ごめん。」
「いや、流石にしょうがない事だよ。突拍子無すぎるし、信憑性もなすぎるし。

「いや、俺の覚悟不足だよ。話を受け入れるのに時間がかかったのもさっき言った言葉も」
「さっき言った言葉?」
「ああ、俺はさっきお前の悩みをすぐに解決してやるって言った。こんな重大な悩みだって思わずに。この言葉が覚悟不足だったんだ。」
「まあそうだよね、こんな変なこと言われたら解決してやるとか言えないもんね。」
いいながらすこしかなしいと感じた。
津賀拓磨は「は?」とわざとらしく発音し続けて言った
「俺が言いたいのは解決するっていう考えがあまかったって言うわけじゃないぞ」
「え?じゃあなにに?」
「すぐに解決するってことに関してだ。流石にあまい考えだった、覚悟が足りなかった。そうだな...」
津賀拓磨はこちらにむかって手を差し出してきた。
「その悩みを聞いた身として俺が一生かかってでもその悩みを解決してやる。簡単に言いやがってって思ってるだろ、俺はやるといったらやる男だ。俺を信じろ。」
目は口ほどに物を言うとはよく言ったものだ。津賀拓磨の目は絶対に問題を解決してやると言わんばかりの覚悟の色にみちていた。その目は恵里香に自然と手を取らせた。ぐっと力を入れて恵里香は立ち上がる。
「ありがと、そこまで言ってくれた人ははじめてだよ。普通なら一生かけてって安い言葉だと思うけどなんだか本物だと感じられたよ。本当にありがとう。」
「今はまだ具体的に何をすればいいか分からないけど必ず色を見る方法を見つけ出してやるからそれまてまっとけよ。」
津賀拓磨の声はやる気と元気で満ち満ちていた。

ああ、この人なら本当に私に色を見せてくれるきがする。私がずっと見たいと願っている景色を見せてくれるきがする。

本当にそう感じれた。本当に命でもかけそうな程津賀拓磨の言葉や目には力があった。

「キーンコーンカーンコーン」
予鈴がなった。どうやら大分長い時間屋上にいたようだった。
「昼休み終わったから教室戻ろっか」
「ああ、あ、でも悪い俺実は屋上から見える景色を見に来たんだ。一人で見たいから先に教室戻っていてくれ。流石に転校初日だから少し遅れても迷ったって言えば許されるとおもうからな」
笑いながら津賀拓磨はいった。
「じゃあ私さき戻るね。」
「ああ、それがいい。」
「私なぜか教室で津賀くん見た時怖いって思ったの、でもぜんぜんちがったみたいだね。」
恵里香は扉に向かって歩き出した。
急に振り返った。
「あっ、そうだひとつ約束事。本当のところ私は自分が色が見えないとか記憶喪失とか知られるのは別に構わないと思ってるの。でも、それが信じてもらえなかったりそれによって誹謗中傷されるのが怖いの。色が見えないとか記憶喪失とか言われてしっかりと受け止めれる人なんて普通いないからクラスの人はおろか学校の誰にもまだ言ってないの。だから約束って言うのは誰にも今日のことを言わないってこと。」
「ああ、言われなくても言うつもりなんてないさ。」
「ありがとう、ありがとう」
「なんで二回言ったの?」
「1個は約束守ってくれるってことに対して。もう1個は私の色を取り戻すことを手伝ってくれることに対しての改めてのお礼だよ。じゃあね」
そういうと恵里香は扉の奥へと消えていった。

「恐いか...」

「噂には聞いていたけど本当に色が見えなくなっていたのか」 

拓磨はそう呟くとフェンスまで歩き手をおいて景色を見渡した。

「色を取り戻すのを手伝ってくれることに対してお礼か。」

はっ、と自嘲気味の笑いが拓磨からこぼれる。

「お前の色を奪ったのは他でもない俺なのにな...」

拓磨の目は先ほどのような覚悟に満ちている目ではなかった。ただただ底知れぬ闇をみていてそれを写しているようだった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。

灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。 彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。 タイトル通りのおっさんコメディーです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...