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告白
遠い昔のことである……。
夕日が沈みかけた教室で、イケメンが頬を赤色に染めながら立っていた。
それは、どこかの少女漫画みたいにロマンティックな光景だった。
「ずっと透和のことが好きだった」
それを見た透和は、心底不快な気持ちになった。
けれども、彼は、あまりにも緊張しているせいか、透和の嫌悪には微塵も気が付いていない。
「透和が俺を好きじゃないことはわかっている。だけど、あと一年で卒業して会えなくなると思うとどうしても言いたくなったんだ。小さい頃から、ずっと透和が好きだった」
どの面して、お前が僕に告白しているんだ?頭がお花畑と思えるほど、能天気な男だ。お前には、罪悪感の欠片もないのか。
「わかった。付き合おう」
「本当か!!!嬉しい。ありがとう。……俺、ずっと透和のことを大事にする」
彼の顔が幸せで満たされた顔になった。
「あはははははは。はははははははははっはははははははっははははは。本当に信じたの?バカじゃない?付き合おうなんて、言うと思った?僕が、お前なんかと付き合うはずないだろう。そんな気持ち悪いことを言わないでくれ」
「え?」
彼の顔が、今にも泣き出しそうに歪んだ。
「僕が君のことを嫌っていることくらい知っているだろう。僕から、優しい言葉でもかけられることを期待していたのか。どこまで脳内お花畑なんだ?お前と付き合うことを考えただけで、吐き気が出てくる」
自分が、あの憎くてたまらない桜ヶ丘 優人を傷つけている。そう思うと、最高に楽しい気分になってきた。わくわくして胸が張り裂けそうだった。
そもそも優人は僕に命を助けられたんだ。だから、僕はいくらでも優人を傷つける権利がある。あいつが僕から奪ったものに比べたら、これくらい大したことはない。
「だいたい、生物は子孫を残すために進化してきたものであり、ゲイは間違っていると生物の先生が言っていた。僕は、ホモだの、ゲイ、腐女子だといった失敗作を心底軽蔑しているんだ」
そうだ。
そんな不愉快なもの、この世界に生まれなければ良かったのだ。
「それ以上、僕に気持ち悪い思いをさせるくらいなら死んでくれ」
そう告げた途端、優人の顔が絶望で染まる。
やった。僕は、ようやくこいつにささやかな復讐をすることができた。
そう思うと、炭酸飲料を飲んだみたいにすっきりした気分になった。
* *
しかし、この告白事件を見ていた女の子がいた。
彼女は、透和の性格の悪さを学校中に言い広めた。透和は、多くの人間から嫌われ、優人のファンクラブを中心とする人間にいじめられた。
教科書を隠されたり、机に落書きされたり、上履きを捨てられたり……。足の悪い透和は、些細な嫌がらせにより、死ぬほど苦労をした。もちろん学校には、味方なんて一人もいなかった。
そして、ついに限界が来て高校を中退する道を選んだ。どうせ高校を卒業したところで、自分みたいな不良品は雇ってもらえないからちょうどよかったのだ。
しかし、ケンカをし続けた両親は、このことがきっかけで離婚して、どちらも透和を置いて出ていった。
いつか、就職できなかったときのためと、アニメーション動画を製作していたが、それを何とか購入してくれる人がいたため、お金を稼ぎ食べていくことができた。
お金に追われる日々に何の意味も見出せない。桜ヶ丘優人のせいで、自分の人生はめちゃくちゃになったのだ。
死んでささやかな復讐ができるなら、それもいいかもしれない。
幸い桜ヶ丘優人がこの家に来ることを、近所の人が目撃している。あいつら、イケメンの顔は、忘れないだろう。
そして、首を絞められていた遺体が見つかれば、真っ先に優人が疑われる。だって、ここに来るのは優人だけだからだ。
さあ、復讐の始まりだ。
僕の全てを使ってあいつを苦しめてやる。
夕日が沈みかけた教室で、イケメンが頬を赤色に染めながら立っていた。
それは、どこかの少女漫画みたいにロマンティックな光景だった。
「ずっと透和のことが好きだった」
それを見た透和は、心底不快な気持ちになった。
けれども、彼は、あまりにも緊張しているせいか、透和の嫌悪には微塵も気が付いていない。
「透和が俺を好きじゃないことはわかっている。だけど、あと一年で卒業して会えなくなると思うとどうしても言いたくなったんだ。小さい頃から、ずっと透和が好きだった」
どの面して、お前が僕に告白しているんだ?頭がお花畑と思えるほど、能天気な男だ。お前には、罪悪感の欠片もないのか。
「わかった。付き合おう」
「本当か!!!嬉しい。ありがとう。……俺、ずっと透和のことを大事にする」
彼の顔が幸せで満たされた顔になった。
「あはははははは。はははははははははっはははははははっははははは。本当に信じたの?バカじゃない?付き合おうなんて、言うと思った?僕が、お前なんかと付き合うはずないだろう。そんな気持ち悪いことを言わないでくれ」
「え?」
彼の顔が、今にも泣き出しそうに歪んだ。
「僕が君のことを嫌っていることくらい知っているだろう。僕から、優しい言葉でもかけられることを期待していたのか。どこまで脳内お花畑なんだ?お前と付き合うことを考えただけで、吐き気が出てくる」
自分が、あの憎くてたまらない桜ヶ丘 優人を傷つけている。そう思うと、最高に楽しい気分になってきた。わくわくして胸が張り裂けそうだった。
そもそも優人は僕に命を助けられたんだ。だから、僕はいくらでも優人を傷つける権利がある。あいつが僕から奪ったものに比べたら、これくらい大したことはない。
「だいたい、生物は子孫を残すために進化してきたものであり、ゲイは間違っていると生物の先生が言っていた。僕は、ホモだの、ゲイ、腐女子だといった失敗作を心底軽蔑しているんだ」
そうだ。
そんな不愉快なもの、この世界に生まれなければ良かったのだ。
「それ以上、僕に気持ち悪い思いをさせるくらいなら死んでくれ」
そう告げた途端、優人の顔が絶望で染まる。
やった。僕は、ようやくこいつにささやかな復讐をすることができた。
そう思うと、炭酸飲料を飲んだみたいにすっきりした気分になった。
* *
しかし、この告白事件を見ていた女の子がいた。
彼女は、透和の性格の悪さを学校中に言い広めた。透和は、多くの人間から嫌われ、優人のファンクラブを中心とする人間にいじめられた。
教科書を隠されたり、机に落書きされたり、上履きを捨てられたり……。足の悪い透和は、些細な嫌がらせにより、死ぬほど苦労をした。もちろん学校には、味方なんて一人もいなかった。
そして、ついに限界が来て高校を中退する道を選んだ。どうせ高校を卒業したところで、自分みたいな不良品は雇ってもらえないからちょうどよかったのだ。
しかし、ケンカをし続けた両親は、このことがきっかけで離婚して、どちらも透和を置いて出ていった。
いつか、就職できなかったときのためと、アニメーション動画を製作していたが、それを何とか購入してくれる人がいたため、お金を稼ぎ食べていくことができた。
お金に追われる日々に何の意味も見出せない。桜ヶ丘優人のせいで、自分の人生はめちゃくちゃになったのだ。
死んでささやかな復讐ができるなら、それもいいかもしれない。
幸い桜ヶ丘優人がこの家に来ることを、近所の人が目撃している。あいつら、イケメンの顔は、忘れないだろう。
そして、首を絞められていた遺体が見つかれば、真っ先に優人が疑われる。だって、ここに来るのは優人だけだからだ。
さあ、復讐の始まりだ。
僕の全てを使ってあいつを苦しめてやる。
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